初夏を 思わせる
太陽のぬくもりと
何処からか 吹いてくる 涼風
気がかりな 友をたずねて
夢想の中で
遠近(おちこち)を彷徨(さまよ)い
辿り付いた その人の心に触れて
何かしらの 充足感を得て
深い眠りに付くはずだった夜
何処からか また
気がかりな思いを携えて
顔のない人の訪れがあり
深いはずの眠りが
浅く 浅く もつれて
夢の中に
潜り込むことのなかった一夜が明ける
意識の空間を 自在に
行き来することの 愉しみは
生きることに 不可欠の眠りさえ
たやすく 奪うこともあるが
重厚な時間をもてる代償としての
負荷だと 甘んじる
三人称の わたしがいる
イヌツゲ
花言葉 魅惑