ウーパーを始めた訳 ～その１～

　「ご趣味は？」
　　「自転車とテニスです。」
ちょっと前まで、そう答えてきた。

普段、日常生活や仕事やら、いろいろなストレスが溜まっていく。
　「あ～、もうすぐ限界」
と思ったとき、自転車に乗ったり、週末に仲間とテニスをすると
ストレスが発散し、心のメータが危険ゾーンから安全圏に落ち着く。
　「これで、もう少しやっていけそうだ。」
長年、そうやってきた。

1年前、初めて電動ガンを買った。
サブマシンガン。 MAC10
銃なんて、子供のときの銀玉鉄砲くらいしか買ったことなかったので
初めて手にしたときはえらく興奮した。
　「意外と重いし、本物そっくり」

近くの竹藪に向かって撃ってみてビックリ。
　「こっ、こんなに飛ぶんだ」

ただ撃つだけでも面白かったけど、だんだん撃ち合ってみたくなった。

仲間を誘い、初めてバトルフィールドに行った。
3人で。
みんなサバゲーは初めて。
事前にネットでいろいろ調べて準備し、恐る恐る。

バトルフィールドに行ってビックリ
周りは迷彩服だらけで
　「なにこれ、まるで自衛隊の駐屯地じゃん。」
それだけでテンションが高くなる。

「３，２、１　スタート」
　「ウラ～～」
オフシャルの合図と共に、みんな一斉にダッシュ！

バリバリバリーーー
早くも銃撃戦が始まる。
急いでバリケードの陰に隠れると
カンカンカンカンーーカン
　「オ～、狙われてる、狙われてる。」

匍匐前進で抜け出し、敵を探す。

　「いた！」
ダッダッダッダーーーーーッ！
思いっ切りマシンガンをぶっ放す。
　「あ～、かいか～ん」

朝から日暮れまで、フィールドを駆け回った。

帰りの車の中で、ふと気が付いた。
体はクタクタだけど、心が軽い。
　「なにこれ。ストレスゼロじゃん。」

長年テニスをやってきて、爽快感は何度も味わってきたけど、
ここまで心が軽くなるのは初めての体験だった。
テニスで思いっ切りストレス解消しても、
どうしても１０％～２０％くらいのストレスは残っている気がする。

なのに、サバゲーだと
　「ストレス完全解消！」
　「ストレス　ゼロ！！」

迷彩服だらけの非日常的空間で、人に向けて銃を撃ちまくるなんて
日常の生活では絶対にありえない事をしたせいなのかなぁ？

　「サバゲーって、スゲー！！！」

「決めた。」

　「俺は、こっちの世界に移ろう。」
　「いつか、自分達のバトルフィールドを作ってやろう。」
　「横浜をサバゲーの聖地にするんじゃ！」

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