掲題のせりふは、作家の山本一力氏のものだ。
もう少し詳しく言うと、「歳を重ねて、できないことが増えるのもいいなと思うこともある」だ。
そんな逆説的な思いとは、こういうものらしい。
◆知らず知らずにペシミスト(悲観論者)になっていた
氏は、若いころから前向きに生きてきたつもりだった。
だが、知らず知らずに寄る年波に飲まれて、いわゆるペシミスト状態になっていた。
それに気づいたとき、自分の衰えた身体を嘆くのではなく、これまで自分を支えてきてくれたこの身体に
感謝するように、考えを改めたのだ。
緑内障で目がどんどん見えなくなってきた。
原稿を書くにも、文字をズームしなければ見えやしない。
不便と言えば不便だけれども、それでもまだ見えていることを有難いと思うようにしたのだ。
小説で年寄りを描くときも、自らを見れば等身大で描けるものだ。
目が見えにくい、歯の調子が悪くなる、夜中に何度もトイレに起きる。
そんな経験をするからこそ、見えてくるものがあるのだ。
だから、書いていてすごく楽しいと感ずる。
→なるほど、そういう感謝の気持ちを忘れなければ、衰えも成長のひとつの形なのかもしれませんね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます