ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

オペラ「影のない女」

2011-03-03 00:14:45 | オペラ
2月12日東京文化会館大ホールで、リヒャルト・シュトラウス作曲のオペラ「影のない女」を観た(指揮:ワレリー・ゲルギエフ、演出:ジョナサン・ケント)。

字幕が徹底した文語だった。皇帝は自分を「朕」と言うし、うら若き皇后は「~するのじゃ」「参るぞ」「~せぬか」といった調子。だが乳母が自分を「それがし」と言うのは間違いだ。これは男の自称ですぞ。

バラクは「ロバでなく自分で担げば早く行ける・・」と歌いながら、実際は荷を積んだトラックに乗り込み下手に去る。なるほどこういうこともできるのか。

時々映像が使われる・・大空、鳥の飛翔、波、炎・・。

バラクの妻役のオリガ・セルゲーエワは、自在な歌いっぷりもさることながら声量がすごい。皇后役のムラータ・フドレイは透明感のある声が美しい。乳母役の歌手もうまい。
去年のブログにこの作品のことを「所詮男達の作ったオペラ」と書いたが、歌手から言うと、これは断然、女のオペラだ。

舞台美術は変。後半、車やらベッドやらが上からぶら下がってたり・・わけ分からん。

ラスト、バラク夫妻と皇帝夫妻が手を取り合うのはおかしい。この二組は全く違う世界に属するのだから。すべてを知っているのは皇后だけのはずだし。
ここだけ取っても、今回の演出には納得行かなかった。




コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オペラ「ゲノフェーファ」 | トップ | オペラ「サロメ」 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
稲荷屋茶助 (湯川 佳昭)
2011-06-22 12:54:49
皇帝は元から現生の人。皇后はお父さんが霊界の人だった為、体を光が通過するので影が無かった。理由不明ながら『Ich will nicht』と言った途端影が出て来て、実態のある現生の人間になった。
だから4人とも最後は普通の現生の人間です。
返信する
誤解です (yuko)
2011-06-24 20:48:58
もちろん4人とも現世の人間ですが、城に住む皇帝夫妻と下界に住むバラク夫妻とは接点がありません。住む世界が違うと書けばよかったのでしょうか。本来なら一生会うこともないはずの4人です。乳母と皇后は城を出て「地上に降りてゆく」のです。
あとはもう好みの問題でしょう。
返信する

コメントを投稿

オペラ」カテゴリの最新記事