ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

2010年の芝居の回顧 & 最優秀男優賞等発表

2011-03-21 11:22:39 | 回顧
すっかり遅くなってしまったが、昨年観た芝居の総括がまだだった。
3・11以来、我々は未曾有の国難に直面している。東京在住の筆者も寄付金を送り、祈り、節電に努める日々だが、こればっかりは
急いでやってしまわなくてはいけない(桜が咲かないうちに・・)。
昨年劇場で観た芝居は計32コだが、その中で特に面白かったものを10作品挙げてみたい。

① 「冬のライオン」 1月 東京グローブ座
  ジェームズ・ゴールドマン作。登場人物の一人一人が抱えている思いがそれぞれ濃く深く複雑に絡み合って、なかなか一筋縄ではいかないが、そこがまたたまらない魅力。

② 蜷川幸雄演出「ヘンリー六世」 3月 さいたま芸術劇場
  こんな大作、滅多に見られるものではない。一生のうちに何回観られるだろうか。

③ 「ヘッダ・ガーブレル」 10月 新国立劇場小劇場
  ヘンリク・イプセン作。何と言っても大地真央の存在感に圧倒された。華のある役者とはこういう人のことか。コメディセンスも十分。

④ 「叔母との旅」 9月 青山円形劇場
  グレアム・グリーン作。男優が服も着替えずに女性を演じるようなものはあまり好きではなかったが、これは驚くほど面白かった。演出とベテラン俳優たちの猛練習の賜物だろう。   
 
⑤ 蜷川幸雄演出「じゃじゃ馬馴らし」 10月 さいたま芸術劇場
  演出には多少不満があるが、主演の二人(筧利夫&市川亀次郎)の組み合わせが素晴らしい。

⑥ トマ作「罠」 5月 天王洲銀河劇場
  よくできた芝居。 

⑦ トマ作「ダブル」 8月 ル テアトル銀座  
  心臓に悪くて疲れたが、これもよくできた芝居。

⑧ 井上ひさし作「黙阿弥オペラ」 7月 紀伊国屋サザンシアター
  翻訳物ばかり観ていると、こういう作品の日本語のセリフの美しさに感動してしまう。二役を立派にこなした熊谷真美に脱帽。

⑨ 野村萬斎演出「マクベス」 3月 世田谷パブリックシアター
  萬斎の発声がとにかく美しい。しかし演出には不満が残った。     

⑩ OUDS 「じゃじゃ馬馴らし」 8月 さいたま芸術劇場小ホール


次に、初めての試みだが、昨年筆者が最も感銘を受けた俳優に、勝手に賞を差し上げたいと思う。(※なお残念ながら副賞はありません・・)

最優秀男優賞(フロリゼル賞)・・・筧利夫(蜷川演出「じゃじゃ馬馴らし」)
             
最優秀女優賞(ミランダ賞)・・・大地真央(「ヘッダ・ガーブレル」)
  

この二人には(それぞれ違った意味で)驚嘆させられた。    

この他、印象深かった人々は次の通り。

麻実れい(「冬のライオン」、「おそるべき親たち」)
秋山菜津子(野村萬斎版「マクベス」、「タンゴ」)
大竹しのぶ(蜷川版「ヘンリー六世」)
高橋惠子(「カエサル」)
中嶋朋子(「おそるべき親たち」)
高橋礼恵(「冬のライオン」)
城全能成(「同上    」) 
段田安則(「叔母との旅」)
浅野和之( 同上    )
辺見えみり(トマ作「罠」)
新橋耐子(モーム作「2人の夫とわたしの事情」)



            
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