ひねって・焼いて・陶

陶芸の様々な技法、釉薬、お会いした陶芸家の方々の話等々、私が陶芸で学んだこと、発見したことなどを綴ります。

型で作る酒器 その3 タタラの成型

2015年06月23日 | 制作現場
さて、いよいよ成型です。平らなタタラを皺が入らないように石膏のメス型に当てはめるのはかなり
難しいです。そこで予めオス型を作っておき、それである程度成型してタタラを石膏のメス型に当
てはめ易い形にしておきます。オス型の大きさはタタラの厚み分(5mm)だけ成型する形より小さく
しておきます。写真のオス型は轆轤成型で作った酒器の完成品、つまり原型より12%ほど収縮した
ものを使っています。表面に薄い布(要らなくなったシーツなど)を両面テープで貼り付けているので
粘土がくっ付きません。
タタラ作りの場合はこの布が大変に役に立ちます。タタラの下に敷いて置くと自在にタタラを動かせる
し、時間が経ってもタタラに付着することがありません。ローリングピン(パン生地用のローラー)
などでタタラを伸す時にもタタラの上に布を挟めばローリングピンに粘土が付着することがありません。


下の写真は、右側がオス型にタタラを載せてざっと成型した状態。オス型を保持する為にスタイロフォ
ームの台に載せてあります。これを左側の石膏メス型に当てはめます。


しかし、その前に予め石膏型の底の角に少し粘土を付けて置きます。この部分はシャープで折れが強い
のでタタラが型に追従しきれないからです。


タタラを石膏型に載せたら、オス型は押さえ付けないで直ぐに外します。


次にスポンジでタタラを丁寧に押さえ付けて型に馴染ませます。


トリマーでタタラの外周をトリムします。




接合部にドベを塗り左右の型を合わせてゴムバンドで固定。




型の上面にはみ出た粘土をワイヤートリマーで型の上面に沿ってトリムします。