河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

こぼれ苗

2022年07月25日 | 菜園日誌

ビニールトンネルの中で、トマトの苗を間引いたのが地面に落ちて、いつしか根をおろして立派に育っている。

こぼれ種ならぬこぼれ苗である。落ちこぼれは強い。
種を植えると双葉(子葉)が出る。この双葉と根の間の茎を胚軸という。

茎でもなく根でもない部分で、根にもなりうる。わかりやすいのは大根で、食べる白い部分は胚軸が太ったものだ。
トマトは胚軸から根を生やしやすい植物で、わざと寝かせて植えて、胚軸から根を生やさせる「伏せ植え」という方法があるほどだ。
写真のトマトは間引いたのが伏せ植え状態になったのだろう。しっかりと根を張っている。

野菜の根元に土を寄せる「土寄せ」は伸びた胚軸を埋める作業だ。白菜・キャベツは必ず土寄せをしてしっかりとした根を出させる。
大豆にいたっては双葉も埋めてしまう。双葉の付け根から根が出て風にも強くなる。豆類は肥料がいらないのでどこでも育つ。昔は田んぼの畔(あぜ)にも植えていた。そこで大豆のことを畔豆と言っていた。

稲を刈り、干して脱穀をし終える頃には畔豆も茶色くなっている。それを収穫し、稲を干していた駄手(だて)に架けて乾燥させて大豆にしていた。
大豆=枝豆ということが、がわからなくなった今となっては懐かしい風景である。


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