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25/2/27木16;08貯め込まずに楽しむ!老後のお金の"賢い"使い方 昭和世代はお金を使って楽しむことが苦手? 25/02/27 14:00

2025-02-27 16:07:54 | 米国株

貯め込まずに楽しむ!老後のお金の"賢い"使い方 昭和世代はお金を使って楽しむことが苦手?2025/02/27 14:00様記事抜粋<

お金と健康という2つの大きな不安を解消する方法について、長野県を平均寿命と健康寿命日本一にし、医療費の安い県に導いた医師の鎌田實さんと、生活実感あふれるアドバイスで人気の経済ジャーナリスト・荻原博子さんが対談。

本記事では2人の対談をまとめた書籍『お金が貯まる健康習慣』より一部を抜粋・再編集し、老後のお金について考えます。

平均の介護期間は5年1カ月・月々の費用は8万円

荻原:やっぱりみんなが気になるのは介護と医療にかかるお金なんです。私たちは何歳まで生きるかわからないし、今後どんな病気になるのか、どれくらいの介護期間になるのかもわからない。毎日の生活は年金の範囲で暮らせても、医療や介護にかかるお金は貯金をとりくずして使うことになるから、「できるだけお金を貯めておかなくちゃ!」って思う人が多いんです。

鎌田:実際に介護にかかるお金って、人それぞれ全然違うからね。

荻原:生命保険文化センターがとった2021年のアンケートを見てみると、月々にかかる介護費用の平均額は8.3万円になります。ただ、これも在宅介護か施設介護かで全然違うんです。在宅介護だと4.8万円、施設介護だと12.2万円。平均すると8.3万円ということです。

鎌田:施設介護は食費や住居費もかかるから金額は上がるけれど、その分、在宅介護にかかる生活費がいらないからね。

荻原:そうですね。でも、あくまで平均で月々の費用を8.3万円と考えてみましょう。さらに介護期間の平均は5年1カ月です。この期間、毎月8.3万円かかると考えると、1人にかかる介護費用は約500万円という計算になるんです。

鎌田:あくまで平均ということでも、目安にはなりますね。

荻原:2人なら1千万円。それくらいの預貯金があれば、要介護になっても大丈夫だと思いますよ。もし施設などに入ることでもっとかかるなら、家を売って介護費用にあてることもできますよね。「病気になったらどうしよう」と心配している人もいますが、日本は国民皆保険の国ですから、保険の範囲内の治療を受けているかぎりそんなにはかかりません。2人で200万円あれば十分。介護にかかる費用と合わせて夫婦で1200万円、1人なら600万円くらいの預貯金があれば十分安心できると思います。

「子どものため」「老後のため」に貯蓄は必要?

荻原:私ね、忘れられないことがあるんです。90年代に「きんさん ぎんさん」という100歳を超えた双子の姉妹が話題になりましたよね。きんさんは107歳、ぎんさんは108歳でお亡くなりになりましたが、100歳過ぎても2人はとてもお元気で、テレビにも出ていらしたんです。あるとき、テレビで女性リポーターが「テレビの出演料は何に使っているんですか?」と質問したら、「半分は恵まれない人の施設に寄付して、残りは老後のために貯金します」って答えたんですよ!

鎌田:100歳超えても老後の貯蓄なんだ(笑)。

荻原:戦中戦後の飢餓の時代を生き延びた人は「貯金しなくちゃ」という思いが強いと思います。それに「子どもたちに多少なりともお金を残しあげたい」って思うかたも多いんですよね。でも、それは逆効果だと私は思っているんです。遺産を巡って、きょうだいが骨肉の争いをするケースってかなりあるんです。家庭裁判所の相続問題の相談件数のうち、約3割は1000万円以下なんですよ。

鎌田:よく「うちは大した財産がないから大丈夫」って言う人がいるけれど、遺産は少ないほどもめますよ。遺産が3億円あれば、兄貴に2億円とられても自分も1億円もらえる。多少もめても折り合いはつけやすいんです。でも、遺産が少なければ自分のところにはほとんど入ってこない可能性もある。だからトラブルになりやすいんです。

荻原:最初は遺産相続でもめているんだけど、だんだん「弟は4年生大学に入れてもらえたのに、私は短大だった」とか「お姉ちゃんだけおひなさまを買ってもらえた」とか、そういう過去の細かな部分での争いになることも少なくありません。それで仲のよかったきょうだいが、一生口をきかない関係になっちゃうのは悲しいですよね。

鎌田:なまじお金を残したせいで、トラブルになるのは残念だよね。

荻原:だから私、死ぬ前にお金は使ってしまいましょうと伝えているんです。70歳を過ぎたら、先ほどお話しした1200万円をとり分けておいて、残りは使ってしまえばいいんです。「子どもにお金を残してあげたい」と思うんだったら、死後に残すのではなく、いま子どもたちのために使うんです。子どもや孫を引き連れて温泉旅行に行ってもいいし、パーッとハワイに行ってもいい。子ども世代は家のローンや教育費でお金がかかる時期だから、親のお金で旅行に行けるのはきっとうれしいはずです。家族の親睦は深まるし、たくさん思い出ができますよね。

鎌田:いい考えですねえ! それは絶対におすすめです。

貯め込んだお金は長生きのごほうび

鎌田:荻原さんは、どんな使い方を提案しているの?

荻原:ここまで貯めてきた預貯金から介護や医療に必要な1200万円(1人600万円)を引いて、残った分をどう使うかを具体的に考えるのがいいと思っています。たとえば70歳のご夫婦で預貯金が2400万円あるとしたら、1200万円を引くと残りは1200万円になります。そのお金を80歳までの10年間で使いきるための計画を立てるんです。

鎌田:80歳までに使いきるの?

荻原:個人差はもちろんありますけれど、周囲を見ると徐々に食べる量も減るし、おしゃれもしなくなります。だから、楽しく使えるのは80歳くらいまでかもしれないなあと思っているんです。鎌田先生みたいにお元気なかたは、もう少し先まで延ばしたほうがいいかもしれませんが。

鎌田:いずれにしても、「貯めてきたお金を使いきる」と決めて、計画を立てるのは楽しそうだ(笑)。

荻原:ですよね(笑)。ということで、考えていきましょう。もしも1200万円を10年で使うことを考えた場合、1年に使える額は120万円になります。

鎌田:1年間で120万円。けっこうな額ですね。

荻原:これを使えば、夫婦で年1回海外旅行ができます。国内派なら、毎月のように行けるかもしれません。120万円あれば、一族郎党引き連れて温泉旅行にも行けますよね。もしくは1人60万円ずつにきっぱり分けて、それぞれが趣味や旅行に使ってもいい。それに、70歳から75歳までと、76歳から80歳まででは、体力や気力、行動範囲も変わってくると思うんです。だから70代前半に少し多めに予算を回して海外旅行に何回か行き、70代後半から80代は近場を回るという手もあります。

鎌田:考えるだけでワクワクしてくるねえ。1年間で1人60万円ってことは……1カ月で5万円分の外食ができるってわけか。よくテレビでおいしそうなお店が紹介されているじゃない? ああいうところに毎月食べに行くのもいいね。

荻原:1人5万円なら、かなりぜいたくできますよ。しかも鎌田先生はランチ派だから、きっと5万円は1回じゃ使いきれません(笑)。

鎌田:やった、毎週食べに行けちゃう(笑)。

自分を楽しませることは無駄遣いじゃない

荻原:私ね、10年くらい前に『貯め込むな! お金は死ぬ前に使え。』(マガジンハウス)という本を書いたんですよ。その本を書きながら「あっ! そう言っている私自身がお金を全然使えていないじゃないか」と気づきまして、それからは毎年海外旅行をするようにしています。コロナ禍になってからは国内旅行に切りかえましたが、今年からまた海外旅行を再開しようと思っています。子どもにお金を残さず、全部使いきってやろうと思っているんです(笑)。

鎌田:上手に使いきるって大事! 荻原さんは旅行がお好きなんですね。

荻原:旅行って、3回ワクワクできるんですよ。行く前にプランを立てながらワクワクして、旅行中もワクワクして、帰ってきてから写真を見たり思い出話をしたりしてワクワクできる。1回の旅行で何回も楽しめるって最高ですよ。

鎌田:ぼくも旅行は大好きだ。旅先では、別の人間になれるような気がするんだよね。海外に行くと、ぼくは「鎌田B」なの(笑)。

荻原:わかります。普段なら絶対に着ないような服を着るのも海外ならではの楽しみですよね。「今回の旅行は、こんなイメージの自分でいよう」って考えるだけで楽しくなります。

鎌田:さっきぼく、「人生、おいしいものを食べた人が勝ち」って言いましたけど、もうひとつ「人生、おもしろいことをした人が勝ち」とも言っているんです。せっかく貯めたお金なんだから、たくさんワクワクしなくちゃもったいない。

荻原:昭和世代って、お金を使って楽しむことが苦手な人が多いですよね。私の亡くなった父も、楽しむことが下手くそな人でした。自分を楽しませることは無駄遣いじゃないんだって、思ってほしいんですよね。

鎌田:認知症の始まりによくある「アパシー」。つまり、無気力、無関心、無感動。そうならないためには、「絶対にお金を残さないで、楽しいことするぞ!」っていう決意がすごく大事だと思います。お金があれば、いろんなことができますから。

お金をどう使うかを「自己決定」する力

鎌田:さっき、荻原さんが「介護や医療のために1200万円残しておく」って言っていたでしょ? それくらいのお金を残せる人も残せない人もいると思うけれど、介護のために残しておいたお金も、最終的には使いみちを決めたほうがいいよね。人生の先が見えてきたら「あとどれくらい必要で、死んだあとにはこれくらい残りそうだな」っていうのが、だいたいわかってきます。そうしたら、死んだあとのお金の行き先をきちんと決めて、書き残しておく必要があると思うんです。

荻原:そうですね。介護費用がまったくの手つかずで残る可能性もありますから。

鎌田:そのお金がたとえわずかであっても、自己決定してから亡くなってほしいとぼくは思っているんです。近年、結婚していないとか、子どもがいないとかで相続人がいない人がかなりいるんです。2022年は、1年間に約768億円もの個人の財産が国庫に入ったそうです。

荻原:ものすごい金額ですよね。

鎌田:本当にそうです。このお金を国が正しく使ってくれるとはかぎらないでしょう? 最近の政治資金の問題などを見ても、とても安心してまかせられるものではない。でもこれは、亡くなった人が何十年も一生懸命働いて、大切に貯めたお金です。国に預けてしまうくらいなら、生きているうちに自分が「ここ」と決めた団体などに寄付するほうがよほどいいんじゃないかと思うんですよ。たとえば、お世話になった訪問看護ステーションがあるとしますね。そこに10万円でも20万円でも寄付すれば、亡くなったあとも感謝される。そういう使い方をしてほしいと思うんです。

荻原:大賛成です。お金はあの世まで持っていけませんから、ある程度の年齢になったら使いみちを考えることはとても大切だと思います。著者:鎌田 實氏,荻原 博子氏



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