
中国映画『英雄 -HERO-』をDVDで見ました。 監督は『初恋のきた道』『LOVERS』の「チャン・イーモウ」。主演は「ジェット・リー」。共演に『インファナル・アフェア』『2046』の「トニー・レオン」、『花様年華』の「マギー・チャン」、『SAYURI』の「チャン・ツィイー」「ドニー・イェン」など。 今回ゲオの広告で中古品が安くなっていたのを店頭で見つけてそのまま衝動買いしました。(2枚組みをなんと千円でゲット) この作品はブログを始める前にレンタルで一度鑑賞したことがあるのですが、そのときは出演している俳優陣もよく知らず、なんとなく判りづらい映画だな、という感想しか持っていませんでした。 その後ブログを始めたことでココ1年半くらいで300本を越す映画を見てきたので、多少なりとも作品への理解力が増したのかもしれません。今回鑑賞してみて深い作品だな、と思ってしまいました。 中国統一を目指す秦の国王の宮殿に一人の男が招かれた。『無名(トニー・レオン)』は『秦王』を狙っていた暗殺者『長空(ドニー・イェン)』『残剣(トニー・レオン)』『飛雪(マギー・チャン)』を討ち果たしての恩賞を授かる為だった。 最強の刺客たちをいかにして討ち果たしたのか、『無名』は語りだした。『長空』を碁会所にて一騎打ちで討ち、恋人同士の『残剣』『飛雪』にはその愛情と嫉妬を利用して同士討ちさせ、残った一人を秦の軍の面前で討ったと告げるが・・・ 英雄とは何なのか、我々に問いかけているようでした。 物語は大きく3部で構成されています。そしてそれぞれにイメージカラーが定められています。 基本の舞台は『秦の国王』と剣士『無名』の謁見シーンです。ここで暗殺者たちをいかにして倒したのかが語られていきます。 まずは『無名』によって語られる〈虚〉です。『秦王』にちかづく為に練り上げられた嘘が語られます。『秦王』の気を引くため、意識の上での戦いを華美ともいえる演出で描いています。色は赤。 次は『秦王』による〈疑〉です。かつて剣を交えたことのある暗殺者の器の大きさを知る『秦王』は、『無名』によって語られた嘘を見破ります。色は青(緑) そして再び『無名』による〈真〉。『秦王』すら見抜けなかった暗殺者の真実の姿に『秦王』は今まで見出すことの出来なかった知己を得ます。暗殺者の想いを共有した『無名』は『秦王』にその運命をゆだねます。(知己とはなかなか得られるものではなく、えてして敵の中から生まれる場合が多いと思います。好敵手こそ知己と云えるかもしれません。)色は白。 映像の美しさを引き立てているのは中国の素晴らしい自然です。山水画とも見える山々。荒々しい砂漠すら私的な映像をもたらしてくれています。 同じ舞台をシチュエーションを変えることにより三度語られる為、逆に理解しづらい表現になってしまっているかもしれません。しかしそれに隠された想いを理解した時作品の厚みを感じ取ることが出来ると思います。 『無名』を演じたのは「ジェット・リー」。「リー・リンチェイ」時代の『少林寺』でかつて見たことがあったのですが、『リーサル・ウェポン4』で再び見るまで彼の作品に接する機会はありませんでした。家族と国の復讐に一命をかけた剣士を静かに力強く演じています。 「トニー・レオン」が演じたのは物語のキーとなる『残剣』。剣の心とも通ずる書から悟りともいえる境地を得ます。『飛雪』への愛は涙を誘わずにはいられません。 『残剣』の恋人『飛雪』は「マギー・チャン」。『残剣』の境地を理解することの出来なかった悲劇の女性を演じています。ラスト彼女は『残剣』の心を理解できたのでしょうか。 待女『如月』を演じたのは「チャン・ツィイー」。ダンサー出身ながら切れのよいアクションを披露しています。ベッドシーンの肌の白さにハッとしてしまいました。 ワイヤーアクションが目立ってしまう作品ですが、その裏側に潜む作品の懐の深さを味わっていただけるとよいと思います。(お気づきでしょうか。ワイヤーは意識の上での戦いで多く使われ、リアルなシーンでは多用されていません。幻想的なアクションを作り上げる為に用いられたと考えられます。) 評価 よんてん ご ・HERO@映画生活 このエントリを気に入ってくれた方はポチッとヨロシク ![]() Amazonで買う Amazonインスタント・ストア xina-shinのぷちシネマストア
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それから、雨の中だったかな?決闘シーンでの水滴。
映像がきれいで、印象的ですね。
トラックバックどうもありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。
わかりやすい説明ですねー。
英雄またみたくなりましたー。
もし興味をもたれているのならば、是非どうぞ♪
コチラの方でもコメントありがとです。
>和さま
今後ともよろしくおねがいします。
>Excaliburさま
情報ありがとうございます。
2作とも未見なので探してみてみたいと思います。
私は過度のワイヤーアクションがきになって仕方が有りませんでした^_^;
しかし作品の深いメッセージ性や映像美は素晴らしかったと思います。