
今月2度目の三連休の初日、ファボーレ東宝で本日公開の『8月のクリスマス』を観てきました。
本当は今日会社の人とバーベキューの予定だったんですが、天気予報で雨が降りそうということで中止になったので、それでは、と意気込んでいって参りました。
『四月の雪』が公開されている「ホ・ジノ」監督の韓国映画『八月のクリスマス』のリメイク作品です。主演は『月とキャベツ』の「山崎まさよし」と新人「関めぐみ」、監督・脚本は「長崎俊一」。
北陸の古い町並みの残る小さな町の片隅で『寿俊(山崎まさよし)』は父親譲りの小さな写真スタジオを営んでいた。彼には家族以外には秘密にしていたことがあった。彼は病に冒され残された時間が少ないということだった。
夏の暑い日、知人の葬式から戻ると一人の女性『由紀子(関めぐみ)』が店の前で待っていた。近くの小学校の臨時教員である彼女は生徒に渡す為の写真を大至急現像して欲しいとやってきたのだった。体調のすぐれない『寿俊』は少し待ってくれるよう頼む。困惑する『由紀子』は彼の喪服姿に気付き店の外に出て行った。暑い日差しを避けるよう公園で写真の出来上がりを待つ『由紀子』に『寿俊」は缶ジュースを渡す。彼女の飲みっぷりに笑いあう二人。それをきっかけに『由紀子』はスタジオに足繁く通うようになるが・・・
号泣はしませんでしたが、途中何度かウルウルと目の前が霞む作品でした。
オリジナルの『八月のクリスマス』は私の一番好きな映画のひとつです。その為、どうしても多少比較してしまう目で見てしまうことをご了承ください。
設定としては「シム・ウナ」の演じた交通取締員の役柄を臨時教員に置き換え、新人の「関めぐみ」が演じています。
作品は冒頭、『寿俊』のナレーターからはじまります。映像による状況説明だけで始まるオリジナルに比べ、ナレーターが幾度か入ることで観客に分かりやすい演出になっていました。
台詞や音楽を極力抑えた演出や、物語のエピソードは基本的にオリジナルに沿った形になっています。ラスト近くでオリジナルとは異なる解釈が追加され、より感情移入しやすくなっています。
主人公『寿俊』を演じたのはミュージシャン「山崎まさよし」。『月とキャベツ』は未見なので演技を見るのは本作が初めてです。余命幾許も無い運命を受け入れ静かに消えていこうと考えていた主人公の最後の恋を自然体で演じていました。オリジナル版の「ハン・ソッキュ」とは違った魅力をかもし出していました。
「関めぐみ」が演じたのはヒロインの『由紀子』。オリジナル版では「シム・ウナ」が演じていた役どころです。「シム・ウナ」が随所に美しさがにじみ出ていたとすれば、「関めぐみ」は背が高く手足も長いこともあってどこかボーイッシュな感じを受けました。目鼻立ちがはっきりしているので素顔と化粧した時の差がスクリーンではよく分かりませんでした。髪を下ろし大人っぽくなっていたラストシーンは一つの哀しい恋の終わりと新たな踏み出しの一歩を表現していたと思います。演技としてはつたない感じも受けましたがそれもよい方向に作用していた気がします。
スタジオ内での何気ない会話や、相合傘やバイクの二人乗りでの触れ合いが二人の距離を縮めていきますが、二人の想いが切なく伝わってきました。
オリジナル版より重要な役になっていたのは「西田尚美」の演じた妹の『純子』です。遺影の為のポートレートをとることを思いつくきっかけとなるおばあさん役の「草村礼子」はとても綺麗でしたね。
オリジナル版には少なかった笑いを誘うコミカルなシーンもあり、それが作品全体の哀しみを一層もりたてていました。
BGMの使い方も独特でした。必要以上のBGMは抑えられていましたが、場面展開の前に決まってBGMがかかっていました。BGMがかかると場面が変わるんだ、と先回りしてしまいちょっと逆効果だった気がします。
物語の舞台となった町は主に富山県の高岡市です。古都の雰囲気が色濃く残る町並みは作品にあっていたと思います。また富山県は東西南三方を三千メートル級の山々と北を海に囲まれた地形の為、夏は35度を越えるほど暑く(フェーン現象による)、冬は豪雪地帯に数えられます。夏から冬へと綴られるこの物語には最適だったかもしれません。
作品の背景の音として電車の音が数回聞こえますが、これは路面電車の音です。劇中でも主人公が乗っていますが、高岡市の万葉線という第三セクターの路面電車です。富山県には富山市と高岡市に路面電車が走っているので、富山県にお越しの際は是非お乗りいただければと思います。
コピーとなっている「君は神様がくれた最高のプレゼントでした」は題名の由来に繋がっています。8月の暑い夏に神様が、季節外れのクリスマスプレゼントとして二人をひき合わせてくれた、そんな意味合いが込められていると思います。
評価 星 よっつ
公式サイトはコチラ
・8月のクリスマス@映画生活
山崎まさよしが歌う8月のクリスマスのビデオクリップはコチラGyaOでご覧になれます。
関めぐみのインタビューはコチラ
ロケ地のレポートコチラ(病院の出入り口のシーンです)
ロケ地探訪はコチラ
P.S.
今まで韓国映画を観たことが無いという方も、この作品をきっかけに是非オリジナルを観て頂けたらと思います。
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本当は今日会社の人とバーベキューの予定だったんですが、天気予報で雨が降りそうということで中止になったので、それでは、と意気込んでいって参りました。
『四月の雪』が公開されている「ホ・ジノ」監督の韓国映画『八月のクリスマス』のリメイク作品です。主演は『月とキャベツ』の「山崎まさよし」と新人「関めぐみ」、監督・脚本は「長崎俊一」。
北陸の古い町並みの残る小さな町の片隅で『寿俊(山崎まさよし)』は父親譲りの小さな写真スタジオを営んでいた。彼には家族以外には秘密にしていたことがあった。彼は病に冒され残された時間が少ないということだった。
夏の暑い日、知人の葬式から戻ると一人の女性『由紀子(関めぐみ)』が店の前で待っていた。近くの小学校の臨時教員である彼女は生徒に渡す為の写真を大至急現像して欲しいとやってきたのだった。体調のすぐれない『寿俊』は少し待ってくれるよう頼む。困惑する『由紀子』は彼の喪服姿に気付き店の外に出て行った。暑い日差しを避けるよう公園で写真の出来上がりを待つ『由紀子』に『寿俊」は缶ジュースを渡す。彼女の飲みっぷりに笑いあう二人。それをきっかけに『由紀子』はスタジオに足繁く通うようになるが・・・
号泣はしませんでしたが、途中何度かウルウルと目の前が霞む作品でした。
オリジナルの『八月のクリスマス』は私の一番好きな映画のひとつです。その為、どうしても多少比較してしまう目で見てしまうことをご了承ください。
設定としては「シム・ウナ」の演じた交通取締員の役柄を臨時教員に置き換え、新人の「関めぐみ」が演じています。
作品は冒頭、『寿俊』のナレーターからはじまります。映像による状況説明だけで始まるオリジナルに比べ、ナレーターが幾度か入ることで観客に分かりやすい演出になっていました。
台詞や音楽を極力抑えた演出や、物語のエピソードは基本的にオリジナルに沿った形になっています。ラスト近くでオリジナルとは異なる解釈が追加され、より感情移入しやすくなっています。
主人公『寿俊』を演じたのはミュージシャン「山崎まさよし」。『月とキャベツ』は未見なので演技を見るのは本作が初めてです。余命幾許も無い運命を受け入れ静かに消えていこうと考えていた主人公の最後の恋を自然体で演じていました。オリジナル版の「ハン・ソッキュ」とは違った魅力をかもし出していました。
「関めぐみ」が演じたのはヒロインの『由紀子』。オリジナル版では「シム・ウナ」が演じていた役どころです。「シム・ウナ」が随所に美しさがにじみ出ていたとすれば、「関めぐみ」は背が高く手足も長いこともあってどこかボーイッシュな感じを受けました。目鼻立ちがはっきりしているので素顔と化粧した時の差がスクリーンではよく分かりませんでした。髪を下ろし大人っぽくなっていたラストシーンは一つの哀しい恋の終わりと新たな踏み出しの一歩を表現していたと思います。演技としてはつたない感じも受けましたがそれもよい方向に作用していた気がします。
スタジオ内での何気ない会話や、相合傘やバイクの二人乗りでの触れ合いが二人の距離を縮めていきますが、二人の想いが切なく伝わってきました。
オリジナル版より重要な役になっていたのは「西田尚美」の演じた妹の『純子』です。遺影の為のポートレートをとることを思いつくきっかけとなるおばあさん役の「草村礼子」はとても綺麗でしたね。
オリジナル版には少なかった笑いを誘うコミカルなシーンもあり、それが作品全体の哀しみを一層もりたてていました。
BGMの使い方も独特でした。必要以上のBGMは抑えられていましたが、場面展開の前に決まってBGMがかかっていました。BGMがかかると場面が変わるんだ、と先回りしてしまいちょっと逆効果だった気がします。
物語の舞台となった町は主に富山県の高岡市です。古都の雰囲気が色濃く残る町並みは作品にあっていたと思います。また富山県は東西南三方を三千メートル級の山々と北を海に囲まれた地形の為、夏は35度を越えるほど暑く(フェーン現象による)、冬は豪雪地帯に数えられます。夏から冬へと綴られるこの物語には最適だったかもしれません。
作品の背景の音として電車の音が数回聞こえますが、これは路面電車の音です。劇中でも主人公が乗っていますが、高岡市の万葉線という第三セクターの路面電車です。富山県には富山市と高岡市に路面電車が走っているので、富山県にお越しの際は是非お乗りいただければと思います。
コピーとなっている「君は神様がくれた最高のプレゼントでした」は題名の由来に繋がっています。8月の暑い夏に神様が、季節外れのクリスマスプレゼントとして二人をひき合わせてくれた、そんな意味合いが込められていると思います。
評価 星 よっつ
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今まで韓国映画を観たことが無いという方も、この作品をきっかけに是非オリジナルを観て頂けたらと思います。
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あれは神通川なんですか?
川はやっぱり富山県ですね~
でかいわ・・・
上のkossyさんと私は石川県なんですけど、こちらは富山県ですね~。
地元が出る映画って特別に親近感が沸きます。
今度韓国版も見てみたいです。
まいどです。どこの川でしょう?撮影場所に近い川だと庄川になるんですけどね。誰か知ってます?
>ミチさん
是非オリジナルを観てください。一味違った感動を味わえると思います。
いうことで見に行きました。韓国映画に疎いので
イオン高岡TOHO PLEXに着いてパンフレットを買って
席に着いて読んだ時に初めてリメイクだと知りました。オリジナルも見たいものです。リンクさせて
下さい。よろしくお願いします。では失礼します。
xina-shinさんのコメントで、オリジナル版も益々興味が湧いてきました。特に観客の想像に委ねるって所が興味あります。機会があったら是非観たいと思います。
TBさせていただきます
オリジナル版のハンソッキュの方も観てみたいです。
昨年のロケ時にも情報を頂いてありがとうございました。1年かけてようやく見ることができて、もうファンとしては冷静に評価することは難しいんですけど。
シーンのひとつひとつが、短めで、もう少しこのまま見ていたいのに~!と思うところがありました。
私もオリジナルをみてみたいという気持ちになりましたよ!
スミマセン。
私はまさよしサンのファンという理由でこの映画を見たのですが、オリジナルも見てみたいなぁ・・・と思いました
きっと素敵な作品が沢山あるんでしょうね♪
また覗かせていただきたいと思います
オリジナルの方が確かに笑いのシーンが少ないですね。
リメイク版としては、とてもイイ出来だと思います。
「月とキャベツ」も機会があったら、ご覧になってください。
穏やかでイイ映画ですよ。
こちらもTBさせて頂きます。