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「ハサミ男」DVDにて

2007年01月01日 | cinema-japan

明けましておめでとうございます。
昨年は更新が滞りがちな中、多数ご来場いただき感謝することしきりです。

12月にはいってから風邪を引いて若干体調がいまいちだったんですが、それをきっかけに久しぶりにうつの症状が少しでてくるようになってしまいました。映画館にもほとんど足を運んでおらず、家でもDVDを観る気力が沸かない状態でした。なんとか冬休みまで持ちこたえた状況ですが、少しずつDVDから見ていこうと思っています。(DMMで定期的にレンタルDVDが送られてくるので観ていない作品が相当数たまってしまいました。)


新年一発目はマイナーなところで『ハサミ男』を鑑賞。

原作は去年読んでいたんですが、映像化は無理だろうと感じていました。それをどう料理して映像化したのか、興味先行で見た作品でした。
主演は『キャシャーン』『回路』『涙そうそう』の「麻生久美子」、『日本沈没』の「豊川悦司」。共演に『トリック』シリーズの「阿部寛」などなど。



私の前を一人の少女が本屋への階段を昇っていく。彼女が私の次の標的だった。本屋で待ち合わせたのか中年の男性と落ち合い、ハンバーガー屋へ連れ立って入っていく。きっと彼女の父親なのだろう。
私はその場を離れ次の犯行のため彼女の家の近くを調べていた。そして公園で思いがけなく彼女と再会してしまった。私の足元には彼女が倒れておりその咽喉にはハサミが突き立てられている。まるで『ハサミ男』と呼ばれる私が殺したかのような静謐な殺し方だった。いったい誰が私に見せかけて彼女を殺したのだろうか・・・



原作を読んでから映画をみればよいのか、映画を観てから原作を読めばいいのか、微妙な作品です。正直なところ映画を見た後では原作を100パーセント楽しむ事は出来ず、原作を読んだものはなんとなく違和感を感じてしまう出来ばえのような気がします。やはり原作の作品の肝であるトリックがどうしても映像化に際してネックになっていましたね。(以下多少なりともネタバレせざるを得ないのでご注意を・・・)

映像化に際しての苦心の方法として取られたのが多重人格という原作にはない主人公のキャラ設定です。多重人格という設定自体を否定するつもりはありませんが、それに比重を置きすぎではなかったでしょうか。原作を読んだ後の、この後どうなるんだろ? というワクワク感に似た感覚を得ることは出来ませんでした。



評価 星 にーてん ご



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