
昨日ファボーレ東宝で『レジェンド・オブ・ゾロ』の後、昼食をはさんで見たのが『単騎、千里を走る』です。この作品も試写会に当選していましたが、風邪でいけなかった作品です。 主演はご存知「健さん」こと「高倉健」、監督は『英雄 -HERO-』『LOVERS』『初恋のきた道』の「張 芸謀(チャン・イーモウ)」。 年齢層高かったですね。『男たちの大和』も高かったですが、それ以上に高くおそらく平均年齢50歳を超えていたのではないでしょうか。 200本以上の出演されている「高倉健」ですが、私はほとんど見たことがありません。あらためて思い出してみれば『ゴルゴ13』実写版と『野生の証明』ぐらいでいつごろ見たかも覚えていません。 しなびた漁村で猟師を営む『高田剛一(高倉健)』のもとに息子『健一(中井貴一)』の嫁『理恵(寺島しのぶ)』から連絡が入った。病いに倒れた『健一』が彼に会いたがっていると聞いた『剛一』は東京の病院に赴く。 しかし『理恵』は嘘をついており、永年の確執から『健一』は父親と会うことを拒否する。病院を後にする『剛一』に『理恵』は1本のビデオテープを渡した。そこには『健一』が撮影した中国の伝統仮面劇の取材の模様が映っていた。ビデオの中で役者に再度中国を訪れ『単騎、千里を走る』を撮影する、と約束していたことを見た『剛一』は、中国に行って『健一』の代わりに劇を撮影することを思いつくが・・・ どなたかのレビューでまるでドキュメンタリを見ているようだと書かれてありましたが、私も同じように感じました。 ここ数作は超大作が多かった「張 芸謀」の原点回帰ともいえる作品です。 「高倉健」を念頭に置かれて書かれた脚本であることは間違いなく、彼以外の誰にもこの役は演じられないと感じました。 タイトル『単騎、千里を走る』には二通りの意味が込められています。文字通り伝統仮面劇『単騎、千里を走る』のことと、息子との確執に迷い、せめて気持ちを理解したいが為に単身中国の寒村に赴く主人公『高田剛一』の旅のことです。 生きることに不器用で口下手な主人公が、言葉の通じない中国の僻地でおそらく息子も受けたであろう孤独感を味わいます。息子との関係を後悔している父親は言葉が通じないながらも、誠実に人々に接していき、やがて彼らは心を開き始めます。そして役者の子供である『ヤン・ヤン』との触れ合いの中で忘れかけていた家族の愛とは何なのか、を見出していきます。 ストーリーとしてはシンプルであると思います。公式サイトでもほとんど全編に関するストーリーが紹介されています。この作品の本質がストーリーだけではないことの証なのかもしれません。 中国の美しい映像とそこに住む人々の暮らし、言葉の通じない相手通しだからこその心の触れ合い、そういったものが作品から伝わってくる気がします。 「高倉健」は撮影時には自分の出番が無い時でもけっして椅子に座ろうとしないことは有名な話です。映画に対する情熱とそれに携わる全てのスタッフ・出演陣に対する配慮からくるのでしょう。彼のようなスタンスで映画作りをすすめる役者さんが今後出てくることは無いのかもしれません。 今日の午後たまたま北日本放送で「高倉健 心の旅~ 映画『単騎、千里を走る。』撮影60日間の軌跡」が放送されメイキング模様などを見ることが出来ましたが、中国ユニットの出演陣は全て地元の素人さんとの事。地元の人ならではの空気感、とでもいうのでしょうか、そういったものを監督は写し取りたかったのでしょうね。 人と人との触れ合いに必ずしも言葉は必要はないのかもしれません。 評価 星 よっつ 公式サイトはコチラ ・単騎、千里を走る。@映画生活 このエントリを気に入ってくれた方はポチッとヨロシク ![]() Amazonで買う Amazonインスタント・ストア xina-shinのぷちシネマストア
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雪も峠を越えたみたいで春近しを感じますね~。
健さん以外では絶対に成り立たない映画かもしれませんね。
健さんみたいに立ってるだけで絵になる人はもう現れないかも!?
トラックバックありがとうございます。
ボクのほうではメイキング放送が公開直前とあって、ちょっとだけ観て涙をのんでチャンネルを変えました。この作品ほどメイキングが観たい作品はありません(^^ゞ
「張 芸謀」の原点回帰...
なるほど。
私は「HERO」と「LOVERS」しか見たことがなかったので、かなり戸惑いました。
でも、CGのない、こういう素朴な作りの方が好みです。これからもこういうのを沢山作って欲しいです。
健さんを起用した時点で、「寡黙」「未知の国」ということは自明でしたものね。
本作は、言葉を超える「心の触れ合い」がテーマだと思います。