博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『臥薪嘗胆』その2

2007年12月14日 | 中国歴史ドラマ
『臥薪嘗胆』第7~13話まで見ました。

越王允常は隠退してまだ幼い末子の稽会を即位させようとするが、越国の将来を憂えた稽会の母方の伯父・扶同が刺客を派遣して稽会を暗殺。そのショックで允常も病没。父と弟の死によってようやく即位を果たした句践は楚の臣の文種や同じく楚人の范盠を登用する。

呉王闔閭は伍子胥が止めるのも聞かず、王位継承の混乱の隙を突いて越に親征。越軍の方は范盠を軍師にして呉軍を迎え撃つ。最初は強大な呉軍に怖じ気づいていた越軍だが、范盠が敵軍の目の前で兵士を一列に並べて自殺させ、度肝を抜くといった奇策を用い、最終的に呉軍を追い詰めて大敗させ、闔閭も矢傷がもとで陣没。

ここで越が兵士を励ますのに「敵の首一つで一級爵位を昇進させ、首二つで二級昇進させる」というようなセリフが何回か出て来るのですが、こういう軍功爵の制度が見られるようになるのはもう少し後の戦国時代になってからでは……

呉国では軍人として功績を挙げている闔閭の次男の王子累を次の王として推す声が強かったが、相国(こんな官職も当時まだ存在しませんが……)の伍子胥は粗暴な王子累を嫌い、闔閭の末子の夫差を王位に据えようと思案。大宰嚭の画策もあり、夫差が新王として即位。

ということでやっとこさ主役二人が王位に就きました。ところでこのドラマでは所々で古めかしい雰囲気を出そうと頑張っているんですが、ちゃんと考証をしないもんですから逆に珍妙な感じになってしまっています。例えば下の画像のように甲骨文を刻んだ甲骨を壁に飾り付けてみたり、



あるいは下の画像のように金文を壁にあしらったりしているのが目に付きますが、



卜占に用いた甲骨は飾り付けには使いませんよね。金文の方も適当に文字を寄せ集めているだけで、意味のある文章になっていません。この辺りもう少しストイックなセットにしても良かったんじゃないかなあと。まあ、こんなことをいちいちツッコむのも野暮なだけだとお叱りを受けそうですが……
コメント
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