博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

于正版『神雕侠侶』その4

2015年03月15日 | 武侠ドラマ
于正版『神雕侠侶』第16~21話まで見ました。

郭芙らと別れた後に迷い込んだ雪山で洪七公と出会い、また義父欧陽鋒と再会する楊過。そこへ洪七公の命を狙う女性秋意濃が来襲し、ドラマオリジナルとなる2人の過去のコイバナが…… 

秋意濃は実は金輪国師の妹弟子。金輪の命で洪七公を暗殺するべく丐幇に潜入→ところが洪七公といい雰囲気に→洪七公と一緒になるために、決死の思いで金輪の組織から抜ける→秋意濃が洪七公のもとに駆けつけると、肝心の彼は前幇主の娘と婚礼の最中→失意により一時的に視覚・聴覚を失った彼女を元の兄弟子龍九が介抱し、彼と結婚→しかし龍九が金輪の命で宋に潜入し、洪七公に倒される→以来仇討ちのため意濃が洪七公を付け狙うという取って付けたような展開です (^_^;) 金輪国師がなぜ男しかいない丐幇に女性を潜入させたのかはツッコんではいけないことなのでしょうか。(実際それですぐに刺客とバレる)

そして洪七公を刺殺する秋意濃ですが、そこで実は洪七公は前幇主の娘と結婚していなかったこと、失意の秋意濃を介抱したのは龍九ではなく洪七公だったことが明らかにされ、過ちを悟った彼女は自ら死を選ぶことに(´;ω;`) ともかくこれでやっとメインストーリーに戻るなと思ったら、今度は正気を取り戻した欧陽鋒の口から兄嫁阿雪との若き日の過ちが語られます。このドラマ、ちょっと視聴者を試しすぎじゃないですかね?

で、洪七公・欧陽鋒らの最期を見取った楊過は下山して郭靖・黄蓉夫妻主催で英雄大会が開催されることを知り、帰雲山荘に駆けつけることに。ここで原作の見せ場のひとつ金輪国師らとの三番勝負と小龍女の再会が描かれます。

動画サイトのコメント欄を確認しますと、中国人・台湾人の視聴者がこのあたりの小龍女の言動に対して厳しい感想を寄せていますが、正直なところ原作でも楊過と小龍女カップルの言動や性格にはかなりエキセントリックな部分があるんですよね。今までのドラマ版では美男・美女が演じているので、何となくビジュアルで誤魔化されてきたのが、今回のドラマ版では楊過はともかくとして小龍女のキャスティングに失敗していることで、主役カップルのアレな部分が目立ちやすくなっているのだろうなと。脚本・プロデューサーの于正が意図的にそうしているなら大したものですが。

郭靖・黄蓉らに師弟同志の結婚を反対され、楊過のもとを去る小龍女。彼女を捜索する楊過は陸無双・程英と再会。程英は幼少の頃楊過に妓楼に売られたことをきっちり覚えていましたw しかしそれがきっかけで黄薬師と出会えたということで、「縁份」の一言で済ましてしまう程英…… そして彼女を追って黄薬師が到来し、程英にかつての弟子梅超風との出会いを語り始めたところで次回へ。何か梅超風が狼に育てられた狼少女という物凄い設定になっているのですが (^_^;)


今回のドラマ版の黄薬師。中の人の李銘順は1998年シンガポール版『神雕侠侶』で楊過を演じたとのこと。なぜこういうセンスが小龍女のキャスティングで生かされなかったのでしょうか……

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2 コメント

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李銘順 (wanko)
2015-03-19 16:02:16
あらま、地元で観ないと思ったらこんなとこで営業してたのね。
ちなみに嫁は、小龍女を演じてました。
シンガポールって、役者の持ち駒も実力もドラマの内容も予算も物凄い低レベルですが、あの当時は東方不敗とか作って、中国でも放映してたような。それを観て育った人たちが今の中国ドラマ作ってるとしたら、ちと恐ろしいというか。
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Unknown (さとうしん)
2015-03-19 20:34:58
>wankoさま
この人、范文芳の旦那さんでもあるんですか。共演した主役とヒロイン同士で結婚したんですね。

それにしてもシンガポールって意外とドラマの不毛地帯なんですね…
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