お弁当を作っていると思い出すことがある。
私は高校生の頃、途中まで母にお弁当を作ってもらっていた。
途中まで、というのは…
毎日早起きして作ってくれているにも関わらず、
「夕飯の残りは入れないで」とか「昨日とおなじのが入ってる」とか
毎日文句のオンパレードだったから、
「それなら、自分で好きなように作りなさい」と言われてしまったのだ
それから自分で作って持っていくようになり、
それは卒業して就職してからも続き、以後お弁当を作ってくれることはなかった
今では感謝の一言もなかった事をめちゃくちゃ反省している
(でもそれを母に話すと母は母で作れなくなった事を寂しく思っていたそうだ
母子共に意地っ張りなのネ)
その後、私が結婚して退社する前に
一度だけお弁当を作ってくれた事があったが、
それはまた、別のお話
北浜OL時代、中途採用で3人雇用された中の一人だった。
年齢は私が一番下で、10歳ずつ位離れていたかなぁ。
お姉さん二人はどちらもお料理した事がなかった。
私より10上の女性のお弁当話だ(やっと本題かよw)
毎日彼女は彼女のお母さんの手作りお弁当を持参していた。
でもお昼休みになるとランチに行ったり、
近くで何か買ってきたりしてお昼を済ませていた。
そしてお昼休みが終わる頃にお弁当の中身を
給湯室のごみ箱に捨てるのだ。
私にはショッキングだった。
毎日の事なので、だんだん我慢できなくなり
とうとう「捨てるのならいらないっていえばいいのに」と言うと
彼女は、
「母は私が毎日自分のお弁当を食べてると思ってるの。
私は毎日今日も美味しかったよと言ってあげてるの。
それって、凄い親孝行じゃない?
私は母のためにお弁当を持って来てあげてるの。
母は嬉しくて勝手にやってるんだから、いいじゃない。」
と答えた。
年数が経って私は自分以外の人にお弁当を作るようになった。
いつも頭のどこかでもしかしたら捨てられてるかもしれないよねぇと、
思ってしまう。
毎日お弁当食べてるのに何のコメントもないのと
(美味しいまずい以前に食べてるのかさえもわかんないじゃん)
毎日捨ててるけど今日も美味しかった、ありがとうと言うのと
どっちが(人に対してね)罪だろう、なんてね
だから私は男たちのお弁当に時々、
お花模様のウインナーを入れたり、パトカー型のかまぼこを入れたり
とっぴな事をして笑わせようとしている
本当はお弁当についてかまって欲しいのかもしれない。