月が見たくなって、ちょっと外に出るときがある。夜外に出るのは夏の暑いときが多いが、それはただ涼しい風にうたれたいから。
でも今頃の季節になるとそういう気持ちはぐっと少なくなる。かわりに月の姿は今夜はどうなのだろうと何気に見たくなる。ほんの気まぐれ気分で夜の空をながめるものだから、毎回見るたびに月の姿は違っている。なかなか満月にはめぐりあわない。
うん、違っていいのだ。
いろんな月を見たいし、もともと月なんてものは私の性には合わないのか、とんとその呼び名さえ無知なのであるから。
鈴虫の声の先には君の声
「平成26年10月」 NHK俳句 11月号
「つれづれ(123)お月さんが見たくなって」