【2012年12月18日】 京都シネマ
ともかくすごい迫力である。スクリーンからあふれ出る音楽に圧倒される。
ミッシェル・ペトルチアーニは、1962年にミュージシャンの一家に生まれ、ジャズに浸りながら成長したが、『骨形成不全症』という先天性の障害で、身長は成人しても1mあまりにしかならず、ガラスのような骨でたびたび骨折するというハンディを負っていた。
4歳の時に『デューク・エリントン』の演奏を聴き、ジャズピアニストになる決意をしたというが、彼の手から紡ぎ出される音楽はエネルギーに満ちあふれ、『ギル・エバンス』も『マッコイ・ターナー』、『チックコリア』、『ハービー・ハンコック』らも、顔負けの演奏をする。
今回の映画は、過去の映像や周囲の演奏家やプロデューサーのインタビューのフィルムから編集した《ドキュメンタリー》であるが、これを見ていたら『海の上のピアニスト』を思い出した。あの映画も、ジャズピアノの軽快なリズムとトランペットの音色が心に残る、いい映画だった。
私自身、『ミシェル・ペトルチアーニ』を聴くのは今回が初めてであるが、すっかりその音とリズムに魅了されてしまった。
『ジョン・ルイス』と共に、私のジャズピアニストの《お気に入り》に加えようと思う。
多いときは年に260日という公演をこなし、多くの女性にも手を出し、36年という短い人生を駆け抜けるように生きた。
『人間であるために、
身長が180cmある必要がないことを、
人々は理解しない。
大切なのは、頭と体の中にあるもの、
特に、精神の中にあるものなんだ。』
という、彼の言葉が彼の信念を表している。
まさに『情熱のピアニズム』である。
『情熱のピアニズム』-オフィシャル・サイト