この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

「ハゲタカ」-テレビドラマの映画化版

2009-06-29 23:14:24 | 最近見た映画
 【2009年6月13日】 TOHOシネマズ二条

「ハゲタカ」とは、自分では狩りをせず、死骸に群がって食べられる物はすべて食いちぎっていくハゲタカの様子を「金融資本」の本質にたとえた比喩である。

 「産業資本」は物づくりの生産現場に必要な資金を調達し、産業を発展させる原動力となった。
 それに対し「金融資本」は新しいものを何も生み出さず、金を動かすことにより、株価や通貨を操作し、また企業買収や合併あるいは売却により生産現場から生み出された利潤を横取りする。

 投資と投機の違いである。

 テレビドラマ「ハゲタカ」では、そうした具体例を6話に分けて放映した。6回の話はそれぞれ独立しているが、ストーリーとしては続いている。

  テレビドラマ「ハゲタカ」ー公式サイト

 で、今回の映画では、テレビドラマの続編という形をとっている。鷲津も柴野もTVキャスターの三島由香も旅館の跡継ぎの西野もそのまま出ている。
 それに加え新たに、新興中国のファンドの劉というのが登場する。これがくせ者で話の筋がわかりにくくなっている。というか、やや現実離れして劇画っぽくなってしまって、現実的緊張感が融解してしまう。

 今問題になっている派遣労働や格差・貧困の問題、本来がんばる企業を応援すべき銀行の「当面の利益に追われた」歪んだ姿等、映像に一部映し出されるが唐突で説得力もない。

 映画やドラマ、小説が面白いのは、リアリティーに富んだ現実に迫り、問題の本質を認識させてくれ何らかの解決の糸口を示してくれ、それに鑑賞者が共感を得たときである。

 ありもしない話や、現実離れした話はしらけるし、事実の羅列では何も明らかにされない。

 そういう点で今度の映画は、やや期待はずれだった。


  映画「ハゲタカ」-公式サイト
  

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