青少年なやみ相談室

相談室だより

ことだま

2023年04月01日 09時00分00秒 | vol.171~180

 春は出会いと別れの季節。たくさんの感謝やエールが飛び交います。旅立つ人も送りだす人も、短い文章にそれぞれの想いを乗せて、誰かにメッセージを贈ったのではないでしょうか。

 

言葉には神秘的な力が宿ると考えられ、古代から言葉は「言霊(ことだま)」として大事にされてきました。                                「よい言葉はよい未来につながる」「言葉は一人歩きするので要注意」「魂を乗せた言葉でないと心に響かない」などなど、「言霊」という考え方には、多くの先人たちからのアドバイスが詰まっています。

 

 先日、「もらった手紙やメッセージカードは読んですぐに処分する」という発言をした人と、それを聞いて「情がない」と不愉快な顔をした人がいる場面に遭遇しました。手紙を送った側からすると、心を込めて書いたのだから短期間でも大切にしてほしいと思うのは当然でしょう。しかし、その直後、誰かが「でも、送ったのは自分の勝手だよね」と言ったことをきっかけに、「自分本位に行ったことで、相手に何等かの行動を求めるのは、送る側のエゴではないか」という話で、その場は一旦まとまったのでした。                                                    相手にどうなって欲しい、どう感じて欲しい、という自分勝手な願望は捨てて、ただ言葉に想いを込めて贈り、そこから先は相手を信頼して任せる。そんな相手を尊重した言葉の贈り方をしてこなかった自分に気づかされた一場面でした。

 

 検索機能の高度化、チャットGPTの登場と、私たちの使う言葉の重みや意味合いが刻々と変わってきています。                                            AIを介して発信させられる情報が氾濫する中で、私たちは、想いをのせた生きた言葉をどれだけ使っているでしょうか。

私たちが相互に発信しあう言葉の力をもう一度見直し、日々発する言葉を大切に丁寧に扱っていけたらいいですね。

 

参考文献

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』  https://ja.wikipedia.org/wiki


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相談室だより3月 春3月~出会いと別れの季節~

2023年03月01日 09時00分00秒 | vol.171~180

 日本の春3月は年度末ということもあり、いくつになっても出会いと別れの季節です。私もこの3月は大きな別れがあります。とても尊敬している同僚が新たなステージへと旅立ちます。それを祝福する気持ちと惜別の思いを同時に味わい、なぜか不安で心が落ち着かない日々を過ごしています。みなさんはいかがですか。卒業、就職、転居などによって、慣れ親しんだ人間関係や環境が変化し、喜び・悲しみ・期待・寂しさ・・・いろいろな気持ちを抱きつつ新しい季節を迎える方も多いのではないでしょうか。                                 

 この環境の変化ですが、意外にストレスフルな出来事なのはご存じですか。ぽっかり空いた心の穴・新しい環境・人間関係・仕事・・・などなど、今までとは違った状況に、なんとか自分を適応させようと、知らず知らずの間に普段以上に頑張ってエネルギーを使っているからです。  

 そんな時役立つメンタルトレーニングを一つご紹介します。別れがつらかったり頑張り過ぎて心のエネルギーが不足しがちな時は、いつのまにか頭がうつむきがちになっていたりします。頭がうつむきがちの時は、背筋をピンと伸ばすと同時に、あばら骨を引き上げてみましょう。そうすると、頭が自然に持ち上がっていきます。頭を持ち上げるのはヘッズアップともいい、メンタルトレーニングの基本のひとつでもあります。背筋をピンと伸ばすと自律神経が整い、顔があがると目も心も前を向くことができるのです。

 新しい状況は、ストレスがかかりやすい一方で、新たな自分や人との出会いがあり、成長のチャンスでもあります。旅立ちの寂寥感(せきりょうかん)や巣立ちの喪失感を乗り越えたところに、今までの自分とは違った新たな成長があると信じ、春の温かい日差しに向かって背筋をピンと伸ばし、顔上げて前向きに歩いていきたいですね。

 

 

                                                *参考*はこじょ森林セラピーラボ https//hakojo-lab.jp

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2月の「満月」

2023年02月01日 09時00分00秒 | vol.171~180

 最近、変わった満月の呼び方がテレビなどのメディアで取り上げられるようになってきました。例えば、12月の「コールドムーン(寒月)」。12月の、きりっと冷えた空に浮かぶ満月が目に浮かびます。5月の「フラワームーン(花月)」は、花々が咲き誇る時期の満月を呼び習わしたものです。なんだかロマンチックですね。これらの満月の呼び方は、ネイティブアメリカンが用いていたもので、アメリカの農業暦のもとになったといわれています。昔、人々は、月の満ち欠けによって季節の移り変わりを知り、節目としながら生活してきました。

 さて、2月の月の呼び方は、「スノームーン(雪月)」です。文字通り、雪が降る時期に出る満月を指します。雪に覆われた大地に映える月の光が思い浮かびませんか?ちなみに、2月の満月は「ストームムーン(嵐月)」や「ハンガームーン(飢餓月)」などとも呼ばれます。吹雪が起こり、食べ物がない状況を表しています。2月は自然界にとって、とても厳しい月なのですね。しかし、3月の満月には、「ワームムーン(芋虫月)」という面白い名前がついています。冬は終わりを告げ、春になって芋虫が地面からはい出してくる時期という意味です。日本の「啓蟄」に近いでしょうか。

岩手の2月は厳しく辛い寒さの時期です。しかし、3月を迎えれば卒業、卒園式が待っています。4月からは新生活が控えている方もいるでしょう。新しい出会いと別れの季節がやってきます。2月の寒さを健康に気をつけて乗り切り、素晴らしい春を迎えましょう。

 

参考

LOVEGREEN https://lovegreen.net/lifestyle-interior/p184891/

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相談室だより 1月 「ナマケモノにもできるSDGs!」

2023年01月01日 09時00分00秒 | vol.171~180

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

   私は新年を迎えると必ずやることの一つに、その年の目標をたてることがあります。今年の目標は「意識してSDGsに取り組むこと」にしました。

    SDGsはみなさんご存じのとおり2015年国連で決めた「2030年までに達成すべき国際社会共通の17の目標」です。今年はちょうどその中間地点にあたります。朝日新聞社が2021年12月に実施した第8回SDGs認知度調査によれば、全世代の認知度は76%に達し社会にまんべんなく浸透している結果となりました。とりわけ岩手県は86%を超え全国的に見ても高い水準にあります。その一方で「特に取り組むことは考えていない」が47%と、言葉は知っているものの自分事として取り組むことへの意識は低いと言った印象です。

    さてSDGsを自分事として捉え日々の生活の中で私たちは何ができるのでしょうか。国連では「持続可能な社会のためにナマケモノにもできるアクション・ガイド」という日常生活でできるSDGsの行動をわかりやすくまとめたガイドを公開しています。ガイドはレベル1~4まであり、レベル1では「ソファに寝たままできること」をレベル2では「家にいてもできること」をレベル3では「家の外でできること」をレベル4では「職場でできること」を紹介しています。私はまずはレベル1~3の中から自分にできることに取り組もうと思っています。たとえばレベル2の中に「ドライヤーや乾燥機を使わずに、髪の毛や衣服を自然乾燥させよう。衣服を洗う場合には、洗濯機の容量をフルにして使おう!」という行動が紹介されています。これなら今日からでも取り組めそうですね。

    SDGsは世界を変えるための壮大な目標で、自分が関わることのできる話ではないような気がするかもしれませんが、私たちの日常生活の中ですごく簡単に取り組める行動もあるのです。私たちみんなで実践すれば世界が大きく変わることを信じて、今年一年取り組んでみようと思います。

   みなさんもいかがですか。ナマケモノにもできるSDGs!

 

 

 

<参考>

SDGs認知度調査第8回報告.朝日新聞.2022‐02‐14,朝日新聞デジタル,htts://miraimedia.asahi.com(参照2022-12-19).

持続可能な社会のためにナマケモノにもできるアクション・ガイド.国連広報センター.2018‐12.


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

相談室だより12月 オンラインカジノ依存症

2022年12月01日 09時00分00秒 | vol.161~vol.170

 クリスマスが近づいてきました。街ではライトアップや、きれいな飾りつけがそこかしこで見られますね。ついつい心も浮き立ってしまいます。そんなみなさんにお伝えしたいのは、カジノへの依存についてです。なぜ今?とお思いの方は、最後まで読んでみてください。現在の日本では、賭博が刑法で禁止されているため、カジノは違法とされています。しかし、そんなカジノにのめりこみ、やめられなくなってしまう若者が今、急増しているようです。特にオンラインでのギャンブルにお金をつぎ込んでしまう人を「オンラインカジノ依存症」といいます。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、家にいる時間が増えたために、24時間インターネットで手軽にできるオンラインカジノが広がったといわれています。依存の状態が進行すると、高額の借金、盗みを犯してでも、ギャンブルを続けようとしてしまう場合もあります。なぜギャンブルを続けてしまうのでしょう。それは、ギャンブルによって得られる刺激や高揚感などを脳が「良いもの」と認識することで、気分転換になることがあるからです。

 ギャンブルなんて関係ないよ、というあなた。スマホゲームの「ガチャ(くじ引き)」で、限定キャラクターやアイテムを手に入れようと、何度も引いてしまうケースも増えているといいます。消費生活センターや、消費者ホットラインが相談にのってくれます。

 ギャンブル依存の傾向の強い人は、自身の苦しい生き方や、生きづらさの対処手段としてギャンブルの刺激や高揚感を欲するようになるので、時間や金銭のコントロールが効かなくなり、問題が生じてもやめられなくなることがあります。ギャンブルで悩みを抱えているなら、迷わずに家族や専門機関(精神保健福祉センターなど)に相談してみましょう。

 クリスマスにお正月。楽しいイベントが続きます。プレゼントにパソコンやスマートフォンをもらったり、お年玉をもらったりする人もいるでしょう。甘い誘いに惑わされぬよう、インターネットやお金の使い方について注意し、楽しく年を越しましょう。

全国精神保健福祉センターhttps://www.zmhwc.jp/centerlist.html

消費者ホットライン(電話番号) (局番なし)188

(参考)

News Sphere 120ヶ国で合法のカジノ、公営賭博大国・日本で非合法の理由とは? 法制度・道徳の影響 2014.10.16

みんなのマネ活 日本でのカジノ解禁はいつ?有力候補地とIR推進法について 2020.11.14

ワンネス財団 ギャンブル依存症を知る


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする