「盗まれた自転車があったよ!」
近くの公園に遊びに行ってた息子が息せき切って帰ってきた。
あわてて表に出て、確かめるとどうやら間違いない。
ベルとライトがなくなってるし、そこらここらがへこんでる。
ペダルの軸もガタガタになってて、どうやらクランクシャフトもいかれてるらしい。
相当酷い目にあったようだが、よく無事に帰ってきたもんだ。
だけど・・・、
ウチにはもう新しい自転車があって、もう彼の居場所がないんだよね。
息子も新しい自転車でウキウキしてるし。
なんか、犯罪被害者の複雑ないたたまれない心情が少しはわかる気がする。
でも、やっぱり、せっかく帰ってきたから彼の居場所を作るために
息子に部屋の片づけを命じて、自転車は修理に出した。
クランクシャフトが相当駄目なようで、来年1月の終わりごろにならないと仕上がらないらしい。
そのあと、
息子と、自転車をどうするか話し合った。
最初は「新しい自転車がいいな」と言って、それで決まったんだけど
「やっぱり、古い自転車を使うよ!」
「なんで?父さんはかまわないよ。」
「だって、あの自転車で練習して、乗れるようになったからね。」
よく言った!
さすが、我が息子だ!