未成年の保護施設で展開するストーリー!映画『ショート・ターム』予告編
2013年の作品。まずは配給会社の宣伝レビューをどうぞ。
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ロカルノ国際映画祭ほか世界中の映画祭や映画賞を席巻した、未成年の保護施設を舞台に生きる喜びを描いた感動のヒューマンドラマ。ティーンエイジャーをケアするための短期保護施設で働くヒロインの心の闇や、彼女を取り巻く施設の子供たちが心に受けた傷を丁寧にすくい取る。監督と脚本は、これまでショートフィルムなどを手掛けてきたデスティン・ダニエル・クレットン。主演は、テレビドラマ「ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ」シリーズなどのブリー・ラーソン。人とのつながりや人の温かさを感じさせる、珠玉のストーリーが心に響く。
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ボクが働いている職場と同じような施設が舞台。
監督本人の体験をもとに製作されたのでやけにリアルに描かれていて、
個人的にもものすごく共感できた。
ネタバレアリなので、
嫌な人はスルーしてくださいな~。
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いや~、ホントにね~。親からの虐待でトラウマを抱えた子供たちは大概こんな感じ。
彼らは、これ以上傷つくのが嫌だから、
そう簡単にそのトラウマに他人を近寄らせることはない。
だけど、そのトラウマによって突然暴発が始まったりするわけだからね。
そこで働いている人たちは基本的に相当神経がすり減らされるわけなんだけど、
そんなことをおくびにでも出そうものなら、
それはそれで子どもたちから反発を食らってしまう。
自己肯定感の低い子どもたちだから、
つい、どんなことも自分のせいにしてしまいがち。
そのトラウマも含め大きい心で包み込んであげないと
決して子どもたちの安心につながっていかないんだよね~。
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新人スタッフが自己紹介でつい「恵まれない子供たちのために~」なんて口を滑らせ、
子どもたちから反感を買ってしまうシーンがある。
新人さんからしたら「人のためになるような仕事」としてこれを選んだわけだから
どうしても意気込んでしまう気持ちはよく理解できるんだけど、
これは本当に言っちゃいけない言葉。
子どもたちは周囲の状況や自分の立場を実はよく理解しているからね~。
そして誰しもプライドを持っているから「憐れみ」なんて受けようものなら・・・ね。
わかるでしょ?
つまりは、極めて普通の人と同じ感覚なんだということ。
そう、
つまり、支援する側の大人は
子どもたちをいちいち特別扱いする必要はないんだけど、
一人ひとりの気持ちは大切に汲み取っていかなければいけないということなんだよね。
でも、そのアンバイが相当に難しい。
大概の人は疲労困憊して離職していくことになっちゃうんだよね~。
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親という、人生において生まれ落ちて一番最初に信頼関係を結ばなければいけなかった人たちと信頼関係を築けなかったことが原因で生まれた、
「もう大人なんて信用できない」という気持ちと、
それでもなお「大人からの信頼を得たい」という気持ちとでグラングランに揺れ動いている子どもたちに寄り添おうと思ったら、
大人自身が自分自身のトラウマと向き合って、
子どもたちと同じ目線になるしかない。
一人ひとり抱えた問題は違うから、大人側の想像力がとても大切になってくるんだよね。
それは、
大人同士でも実は同じことが言えることなんだと思う。
他人のことは見えづらくなってるだけで、
世の中のすべての人は多かれ少なかれ何かしらのトラブルを一つや二つは必ず抱えているもの。
そういうトラブルによるトラウマを抱えたまま生きていかなくちゃいけないわけだから、
この映画は、
そういう自分の中のトラウマと向き合うことがいかに大切かを問いかけている映画だと感じた。
未来が少しでも良い方向に向かうように、一生懸命にがんばっている人たちにお勧めします。
もちろん、
未来に絶望している人にも、「未来はあるよ」とお勧めしたい作品でもあります。