矢嶋武弘・Takehiroの部屋

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文化大革命(13)

2024年12月14日 01時56分28秒 | 戯曲・『文化大革命』

第五場(12月下旬。 北京・中南海にある林彪の居宅。林彪、葉群、黄永勝、呉法憲、林立果)

黄永勝 「いや、ひどい目にあったものだ。 衆人環視の中で、私や葉群同志ら五人の陳伯達批判が足りないと、名指しで追及されたんだからな」

呉法憲 「毛主席が、林彪副主席も陳伯達批判に同意しているのだ、君達もやらなくちゃいかんと凄い目付きで迫ってくるので、やることにしますと答えてしまった。 それにしても、あれはわれわれ五人を吊るし上げるようなやり方だな」

葉群 「大勢の幹部がいる中で、恥をかきましたわ。 まるで、われわれだけが党中央の方針に従ってこなかったような言い方をするんですからね」

林立果 「解放軍を目の敵(かたき)にしている連中が、最近、結束してわれわれに圧力をかけてきたのではないでしょうか」

林彪 「いや、そんなことは考えられない。 ただ、われわれの陳伯達批判が手ぬるいことを追及しているのだろう」

呉法憲 「それだけなら良いのですが、私には、もっと根深い動きがあるような気がしてならない。 総参謀長はどう思いますか」

黄永勝 「うむ、私も心配だな。毛主席の副主席に対する信頼は厚いと思うが、主席のまわりにいる連中が結託して、われわれに挑んできたような気がする。 もう少し様子を見なければならんだろうが、こちらも、いつでも反撃に出られるような態勢を取っておくべきじゃないのかな」

葉群 「総参謀長の言われるとおりです。 周総理や江青らのグループは、何を考えているか分かりませんわ。今こそ、解放軍の団結を固めておく必要があると思います」(そこへ、林彪の秘書が入ってくる)

秘書 「李雪峰閣下が緊急の要件で、ただ今お見えになりました」(李雪峰が入ってくる)

李雪峰 「林総、大変なことになりました」

林彪 「どうしたというのだ」

李雪峰 「つい先ほど、毛主席から電話がありまして、私と鄭維山同志が、近く北京の軍務を解任されることになるというのです」

林彪 「なんだと、そんな話しはまだ聞いていない」

李雪峰 「主席は、林総にはもうすぐ伝えるから、了承してもらいたいと言うのです」

林彪 「どういう理由で、主席はそんなことを言ってきたのだ」

李雪峰 「理由は何も言っていません。 ただ、二人の解任は、党中央の大多数の了解を取っているので問題はない、あとは副主席の了承を取り付けるだけなので、まだ正式には発表していないが、突然、解任を公表すると差し障りがあるから、前もって伝えておくと言っていました」

林彪 「それは重大な問題だ。 重要な人事は、主席といえども、これまで事前に私に相談があったというのに、これでは抜き打ち人事ということになるじゃないか。私を出し抜いて、事を運んでいるみたいだ。

 しかも、解放軍の人事に関わる問題ではないか。こんなことは、今までになかったことだ。 いくら毛主席といえども、許せない! 早速、私から事情を問い質してみる」

葉群 「こんな人を馬鹿にした話しがあるでしょうか。李雪峰同志らが解任される理由なんか、何もありませんよ。 毛主席は、いったい何を考えているのでしょう。私達の信頼する解放軍の幹部が、北京にいることが邪魔だとでもいうのでしょうか。 

 どうして、前もって副主席と相談しないのでしょう。反対されることが分かりきっているから、相談しないというなら、私達を完全に無視していることになります。 主席の独断専行です。解放軍への挑戦ですわ」

黄永勝 「許せない問題だ。 陳伯達批判を渋っていたわれわれに対する、見せしめの処置なのだろうか」

呉法憲 「いや、これは明らかに解放軍に対する攻撃です。 李雪峰同志は、たしかに陳伯達批判に最も消極的だったが、だからといって、解任される理由にはならないはずだ。われわれだって、政治局拡大会議で、陳伯達批判をやることを了承したのだ。

 そんな問題で、李同志や鄭同志が解任されるなんて筋違いではないか。解放軍に対する直接攻撃としか考えられない」

林立果 「そうです、そうに違いありません。 皆さん、毛主席はいざという時に備えて、われわれ解放軍の仲間が北京にいることを嫌ったのです。これは解放軍解体への第一歩です。 主席は、本気でわれわれの粛清を考えているのです!」

林彪 「立果、そう極端に結論を急ぐな。 毛主席の腹の中は、まだはっきりと分からないのだ。 しかし、これは重大な問題なので、早速私が主席に問い質してみる。それまで軽挙盲動は慎んでくれ。 主席の胸の内がつかめれば、それからこちらの対応策を考えることにしよう」

 

第六場(12月下旬。北京・中南海にある毛沢東の執務室。 毛沢東、林彪)

林彪 「主席、今日は二人きりで話し合いたいと思ってやって来ました」

毛沢東 「意外に元気そうだね。君は最近病気がちで、ほとんど自宅に籠っていると聞いていたが、顔つやもいいし安心したよ」

林彪 「いや、このところどうも体調が思わしくなくて、先日は政治局拡大会議に出られず、失礼しました」

毛沢東 「いいんだ、いいんだ。あの会議のことは、奥さんや黄永勝から聞いて知っているだろうが、大したものではない。 陳伯達批判を全党あげてやっていこうと、意思統一しただけだよ。他になにもない」

林彪 「どうも私の部下達が、陳伯達批判を渋ってきたようで、その点は申し訳ありませんでした」

毛沢東 「いやいや、黄永勝も呉法憲も皆、陳批判に賛同してくれた。これで、やりやすくなってすっきりしたよ」

林彪 「黄永勝らの問題はいいのですが、李雪峰や鄭維山を北京の軍務から解任するというのは本当ですか。 私は昨日、その話しを聞いてびっくりしました」

毛沢東 「もう聞いたのかね。いや、これは君に対して大変失礼なことをしてしまった。 実はもっと早く君に直接会って話したかったのだが、病気だというので、電話で伝えるのも失礼だし、ついつい遅くなって申し訳なかった。

 つまり、一言でいうと、北京軍区の“人心一新”ということなのだ。李雪峰も鄭維山も文革以来、ずっと長く北京にいたわけだが、実を言うと、彼らに対する党内の反発が相当強まってきているのだ」

林彪 「彼らに何か問題があるのですか」

毛沢東 「いや、それほど問題はないが、陳伯達批判に最も消極的だったのは彼らだし、二人のやり方はどうも官僚的で、高圧的だという批判が下部から相当強く出ているのだ。 それに、さっき言ったように、二人とも北京での勤務が長すぎることもあり、まあ、人心一新ということもあって、この際、新たな場所で活躍してもらいたいと思い、更迭を考えたわけなのだ。 二人とも、私の考えを了承してくれたよ」

林彪 「なるほど、そういうことですか。 私は、なにも目くじらを立てて、二人の異動に反対しているわけではありませんが、ただ、そういう人事の話しは事前に私に言ってもらわないと、私の立場というものもありますので・・・」

毛沢東 「いや、それは私が悪かった。 なにしろ、君が病気がちで自宅に閉じこもってばかりいるので、ついうっかりしたのは申し訳なかった。君の立場を害してしまったことは許してほしい。 私にはもちろん、そんな気持はなかったのだから」

林彪 「いえ、それなら良いのです。 私も病気がちで、このところ随分、党の公式会議を欠席してきましたから、私にも多少の責任はあります」

毛沢東 「そう思ってくれるのなら、安心した。私もこのことが気になっていたのでね。 それでは、二人の異動については了承してくれるということで宜しいか」

林彪 「分かりました。結構でしょう」

毛沢東 「ありがとう、これでほっとした。実はこの人事は、私が一番気にしていたことだったのだ。君にも失礼をしてしまったしね。 ところでこの際、君に一言いっておきたいのは、解放軍に対する党内の批判や反感が、これまでになく高まってきていることを忘れないでほしいということだ。この点は忠告しておきたい。

 李雪峰らの問題も、もし君達が更迭に反対して頑張ったとしたら、国務院や他の連中は、ますます解放軍に対して敵意を持つようになっただろう。 そうした党内情勢を忘れないでほしいということだ」

林彪 「解放軍は文化大革命に全面的に協力してきたし、やましい気持などは少しも持っていません」

毛沢東 「それは分かる。しかし、九全大会で、君達の勢力や権限は、これまでになく大きなものになってしまった。 それはそれで良いのだろうが、他のグループの反発も、これまでになく大きくなっていることに気を付けてほしいのだ。党の上に“鉄砲”が来てはならんと、ほとんどの人が思っているのだよ」

林彪 「われわれ解放軍が党の上に立とうなどとは、毛頭考えていません。 もし、そのように疑われているのなら、われわれの不徳のいたすところです」

毛沢東 「解放軍への反発をかわすためにも、暫くの間、党中央が君達に厳しい姿勢を取ったとしても我慢してほしい。 君達が辛抱さえしてくれれば、いずれまた解放軍への気持も和らいでくるだろう」

林彪 「分かりました。そのように努力しましょう」

毛沢東 「そこで、李雪峰らの更迭については、君に大変迷惑をかけたので、誰よりも先に、君に重大な考えを明かすことにしよう。 これは、まだ極秘にしておいてほしいのだが・・・」

林彪 「なんでしょうか」

毛沢東 「アメリカとの関係を改善したい。そのために一、二年のうちに、ニクソン大統領を北京に招こうと思っている」

林彪 「えっ、それは本気ですか!」

毛沢東 「本気だとも。これは重大な問題だから、まず君に打ち明けたのだ。十分に検討してくれないか」

林彪 「検討してくれと言われても、今の私には驚き以外の何ものでもないですよ」

毛沢東 「それはそうだろう。 中国建国以来、アメリカ帝国主義打倒のために、われわれは長い間闘ってきたのだからな」

林彪 「そうです。主席は、アメリカ帝国主義を“張り子の虎”と呼んできたではないですか。 アメリカとの核戦争で、中国は七億の民を失おうとも、まだ一億は残るのだと言ったのも主席ではないですか。

 ベトナム戦争で、アメリカの残虐非道な侵略を非難し続け、北ベトナムや解放勢力を支援してきたのは、わが中国ではないですか。 それがどうして、アメリカ帝国主義と関係を改善する必要があるというのですか」

毛沢東 「君の言うことも分かる。しかし、われわれの本当の敵はアメリカよりも、むしろソ連ではないのか。 ソ連とは長い国境線をはさんで、緊張が絶えない。国境紛争も随分起きた。 これからも、中ソ関係はさらに悪化する可能性がある。そうした事態に備えて、アメリカとの関係を改善しておく必要があるのだ」

林彪 「しかし、アメリカとの関係改善は、ソ連を一層刺激して、中ソ関係をいたずらに悪くするだけではないですか。 これ以上、ソ連を刺激するのは得策ではないと思いますが・・・」

毛沢東 「いや、いずれにしろ、中国はもっと強くならなければならない。 来年には、国連に加盟することになるだろう。そうなれば、中国は国際社会で、アメリカやソ連に引けを取らない“大国”になっていくだろう。外交も革命的な転換期を迎えているのだ。

 これからの国際政治は、米中ソの三国時代に突入していくのだ。そうした時代には、これまでの外交路線を踏襲しているだけでは駄目だ。革命的な外交が必要なのだ。 アメリカとの関係改善は、その一環だと考えてほしい」

林彪 「私にはよく分かりませんな。 アメリカとの関係が良くなって、ソ連との関係がさらに悪くなる。それが、中国にとってプラスになるというのでしょうか」

毛沢東 「アメリカとの関係改善は、まだ決まったことではない。さっきも言ったように、十分検討してほしいと言っているのだ。 副主席である君に、まず、そのことを明かしたまでよ。これから、じっくりと考えていこうじゃないか」

林彪 「そうですね。こんな重大な問題は、慎重に検討する必要があります。 ただ世界をアッと言わせるだけが能ではないですからね」

毛沢東 「しかし、君に言っておきたいのは、中国がアメリカとの関係を改善すれば、それは、国際社会での中国の立場を、一段と強くすることができるということだ。 この点だけは忘れないでほしい」

林彪 「分かりました。じっくりと検討しましょう。それでは、私はこれで失礼します」

毛沢東 「ああ、身体に気を付けてな。 副主席、健康がなによりも大切だ。自重自愛が肝心だよ」

林彪 「それでは」(林彪、会釈して退場)

毛沢東 「ハッハッハッハッハ、林彪は大分びっくりしていたようだな。 アメリカとの関係改善など、思いも寄らないことだろう。あいつの度胆を抜いてやったようだ。 もう、あの連中がのさばるような時代ではない。

 文化大革命の際には随分助けてもらったが、これからは、あんなに頭の固い連中は役に立たない。 よし、解放軍の勢力を抑えていってやろう。単細胞の軍人どもがのし上がってきては、やりにくくてしょうがないからな」

 

第七場(12月下旬。 北京・中南海にある林彪の居宅。林彪、黄永勝、葉群、呉法憲、林立果)

林彪 「どうやら、毛沢東の腹の内が読めたようだ。李雪峰らの更迭問題では、私に申し訳なかったと謝っていたが、更迭を取り消すことはしなかった。 それよりも、党内に解放軍への反感や批判が高まっているから、気を付けろと言っていたが、暗に解放軍を抑えようという気持がにじみ出ていた。

 党内の大勢に逆らおうとすれば、ただでは済まないぞという、脅しにも受け取れる発言だった。 毛沢東は明らかに解放軍、取り分けわれわれのグループに的を絞ってきている。このままでは、われわれはますます窮地に立たされることになりそうだ」

呉法憲 「許せない! 文革で、われわれをさんざん利用するだけ利用しておいて、今になって切ろうとしているのだ。 われわれは、毛沢東の権力維持の道具ではない」

葉群 「毛主席、いえ、毛沢東は冷血漢です。 何十年もの間、二人三脚のように一緒に働いてきた陳伯達を、少しでも邪魔に感じると、情け容赦なく切り捨てようとする。自分の権力維持のためには、たとえ肉親でも親友でも、口実を設けて抹殺しようとするのです。

 余命幾ばくもないとはいえ、あの老人のやることは、ますます陰険で独裁的になっています。 もうこの辺で、こちらから打って出ないと、取り返しのつかない事態になってしまいますよ」

黄永勝 「そうだ。副主席のことを“無二の戦友”、後継者とまで持ち上げながら、このざまだ。 無二の朋友(ポンユー)・陳伯達を切ったあとは、無二の戦友を抹殺しようとしているのだ。 あんなに独裁的な“専制君主”はいない。まるで秦の始皇帝と同じだ。 いや、始皇帝よりも、もっと悪辣で陰険で残忍な男ではないか」

林立果 「年を取って老人になると、あんなにも自分の権力にこだわるものですかね。 スターリンもそうだったと聞いていますが、自分の側近や腹心しか信用しようとしない。江青や張春橋らの言うことだけを聞いて、他には耳を貸そうとしないのです。

 しかし、もっと悪辣なのは周恩来でしょう。彼こそ、最もわれわれを憎んでいます。 国務院の勢力を挽回しようと、陰に陽に毛沢東に働きかけ、李先念達を復権させたかと思うと、最近は、文革で完全に失脚した登小平までも引き上げようとしている。

 あんな反革命の“黒猫”までが復活してくるようだったら、もはや、われわれは存在のしようもなくなるというものです。 毛沢東、周恩来、それに江青グループを一網打尽にする以外に、われわれが勝つ道はないと思いますよ」

林彪 「お前は少し激し過ぎると思っていたが、こういう状態になってみると、それもかえって頼もしく思えるほどだ。 しかも、諸君、驚いてはいけない。毛沢東は、アメリカとの関係を改善するため、来年か再来年中に、ニクソンを北京に招くと言っていたぞ

黄永勝 「本当ですか!」

呉法憲 「そんな馬鹿な!」

葉群 「なんと恥知らずな!」

林立果 「気でも狂ったのか!」

林彪 「本当だ。毛沢東は本気で考えている。 副主席である私に、誰よりも先に打ち明けるのだと言っていた。しかし、これは間違いなく、周恩来の考えに乗ったものだと言わざるをえない」

黄永勝 「周恩来がそそのかしたのだ。あいつは昔から“親米的”だったからな」

呉法憲 「ベトナム戦争で、あれほどアメリカ帝国主義を非難し弾劾してきたというのに、中国人民に対する重大な裏切り行為だ!」

林立果 「滅茶苦茶だ。気違い老人の妄想としか言いようがありません」

林彪 「私も、ソ連との関係をこれ以上悪化させないために、反対しておいた。 しかし、あの“もうろく爺い”は本気で考えているのだ」

葉群 「危険極まりないことですね」

林彪 「それが“革命的”外交だと言っていたよ」

黄永勝 「なにが革命的だ! 社会主義も資本主義も分からなくなったのか!」

呉法憲 「毛沢東思想とは、そういうものですかね」

林彪 「毛沢東の世界戦略からいくと、米中ソの“三国時代”にしようということらしい」

林立果 「『三国志』の読み過ぎで、頭がおかしくなってしまったんじゃないですか」

葉群 「アメリカの力を借りて、ソ連に対抗しようとでもいうのかしら。 それにしても、ソ連を敵にまわした上に、ベトナムを手放すようなものですわ」

黄永勝 「危険だ、まったく危険だ。 アメリカに中国を売り渡すような考えだ。私は真っ向から反対する!」

林彪 「もちろん、私も反対する。しかし、われわれにとって、これは願ってもない論争の良い口実になるというものだ。 これから党中央の会議で、対米接近に反対する論陣を張ることができるからな」

呉法憲 「徹底的に反対していきましょう。 そうすれば、毛沢東、周恩来を追い詰めてやることができます」

林立果 「専制君主、暴君、危険極まりない独裁者を追い落としてやるには、絶好のチャンスですよ」

林彪 「しかし、政治局や中央委員会では、われわれは必ずしも多数を掌握していない。 いざという時に備えて、こちらも最後の手段を考えておかなければならない」

呉法憲 「そうです。最後は軍事力が物を言う。 絶対極秘のうちに、準備を始めましょう」

葉群 「敵も最後の手段をきっと考えているでしょう。 李雪峰同志らを北京から追放したのも、われわれの軍事力を恐れているからです。来年が勝負ですわ」

林彪 「うむ、来年が勝負になるだろう。 ただ今のうちは、外面はあくまでも大人しく振る舞っていることだ。可哀想だが、陳伯達追放にも手を貸してやって、敵を安心させ油断させることだ。 

 あいつらを一網打尽にしたあとは、いつでも陳伯達を復権させてやることができる。 こちらの準備は、呉法憲同志と葉群が中心となって進めてほしい。絶対に敵に感づかれないようにな」

林立果 「私にも参加させて下さい。 私は、空軍の工作には自信があります。呉法憲将軍と一緒にやらせて頂ければ光栄です」

林彪 「呉将軍、それでよろしいか」

呉法憲 「結構です。 御子息は空軍の若手の将校には信望があります」

林彪 (林立果に向って)「よし、それではお前も呉将軍と一緒にやってくれ。 ただし、くどいようだが、あくまでも慎重に、絶対に敵に悟られないように気を付けてやれよ」

林立果 「もちろん、手抜かりなくやります。お任せ下さい。 われら空軍の力で“B-52”を撃墜するようなものですよ」

黄永勝 「B-52か、うまいことを言うなあ・・・アメリカに媚びへつらう毛沢東を撃ち落とすには、打ってつけの表現だ」

林彪 「うむ、十分に情勢分析をした上で、完璧なB-52撃墜計画を立ててくれ」


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