ありがとう「コンチェルト館」

上山コンチェルト館に「ありがとう」　定期公開休止でセレモニー
（2010年11月28日　山形新聞）




定期的な一般公開を終了することになった「上山コンチェルト館」。住民らが別れを惜しむように内部を見学した＝上山市




　映画「おくりびと」のロケ地で、11月いっぱいで定期的な一般公開を休止することになった上山市の上山コンチェルト館で27日、「ありがとうコンチェルト館」と題した閉館セレモニーが行われた。28日まで無料公開している。

　同館は映画で主人公の実家として登場し、観光スポットとして人気を集めている。運営する「上山コンチェルト♪」（冨士重人代表）のメンバーや地域住民らが常駐し、ことし10月からは土、日曜に限って内部を一般公開してきたが、観光客数の減少などに伴い、週末の公開を休止することにした。今後は大型連休などに臨時開館する方向で検討するという。

　セレモニーには同グループのメンバーや住民ら約40人が参加。冨士代表らが「多くの方々の協力で開館から2万5000人が訪れた。『ありがとう』の言葉で締めたい」とあいさつし、トランペット奏者伊藤萌さん（上山市）が建物への感謝の気持ちを込めて演奏を披露した。

　来場者は別れを惜しむように建物の内部を見学。建物を所有する佐藤照子さん（65）＝上山市二日町＝は「映画の関係者から『ロケ地に使いたい』との話を持ち掛けられてからの日々は奇跡のように思える。皆さんに喜んでもらえてうれしい」と話していた。