実り・・・コクサギ

コクサギ［小臭木］（ミカン科）
1月に乾いた果皮の残った姿を見たコクサギ、夏を過ぎ緑色をした実をつけていました。
今年も花を見る機会が無く残念な思いをしていましたが、こうして果実の姿を見ることができてよかったです。
コクサギの果実は、1～4分果からなります。この実は4分果ですね。
以前にも載せましたが、このあと成熟すると、果皮が裂けると同時に内果皮の反転により、種子を遠くに飛ばすそうです。
種子を飛ばす姿、見ることができると嬉しいのですが、難しそうですね。
昨日載せたカラスザンショウ同様に、葉には油点がたくさんあります。
葉や枝にはアルカロイドを含み、家畜の皮膚の殺虫などに使用したそうです。
これも身近な薬草だったのですね。

1月のコクサギ

９月上旬　大和市内にて

ほのかに香って・・・カラスザンショウ

カラスザンショウ［烏山椒］（ミカン科）
林縁の道を歩いていると、何となくいい香りが漂ってきました。そこは、道の脇の斜面に生えたカラスザンショウの枝が、大きく張り出しているところでした。

花が終わって、既に緑色をした実も付いています。
疎らに付いているのは、どうしてでしょうか。何かに食べられた後なのか、この日降った激しい雨のためなのか、その理由は分かりませんが、寂しい実の付き方ですね。
カラスザンショウの葉には、ミカン科特有の油点があり、芳香があります。よく歩く林にも、カラスザンショウはありますが、香りをあまり意識したことはありません。辺りに漂う香りは、やはり雨の影響があったのでしょうか。貴重な体験をしました。

2009年の実

９月上旬　座間市内にて

実りの季節に・・・ネムノキ

ネムノキ[合歓木]（マメ科）
道端のネムノキを、何となく眺めていたら、まだ花が咲いていることに気付きました。糸状に長く伸びた雄蕊が、雨に濡れてしまっているのが、ちょっと残念ですね。
ネムノキの花は、梅雨の頃から咲き始めて夏には盛りも過ぎると思いましたが、よく見れば蕾もたくさん付いていました。花の下の方には、立派な豆果も付いています。
今まで、花の季節、実の生る季節と、その時々の姿しか見ていませんでした。花と実と、一度に見ることができて、ちょっと得した気分になりました。
今日も突然雨が降る、不安定な天気でした。まだ暑い日も続くし、季節の移り変わりが異常ですね。

９月上旬　海老名市内にて

暑い９月に・・・

ミンミンゼミ（セミ科）
9月になっても暑い日が続きますが、セミ達もまだ元気に鳴いています。
ミンミンゼミ、この声を聞くと夏の暑さを感じます。この辺りではアブラゼミが圧倒的に多いですが、子供の頃は憧れの存在でした。
アブラゼミが採り易いと言う訳ではありませんが、ミンミンゼミの警戒心はとても強いようで、近づくだけで鳴くのをやめ、すぐに逃げてしまいます。
この時もチャンスは一度だけ、この写真を撮った後すぐに逃げてしまいました。

スズメ［雀］（スズメ科）
川沿いの道に出来た小さな水溜りでは、スズメたちが水浴びをしていました。
この日は、晴れては雨が降るということを繰り返していましたが、その雨で出来た水溜り、こんな少ない水でも、水浴びするんですね。

一羽だけでなく、何羽か一度に水浴びをすることもありました。その姿を上手く撮れませんでしたが、羽をばたつかせている所が分かるでしょうか。
9月になっても暑い日が続き、スズメたちのように気軽に水浴びしたいですね。

９月上旬　海老名市内にて

開花中・・・ジュズダマ

ジュズダマ[数珠玉]（イネ科）
日本各地の水辺などに生える、熱帯アジア原産の多年草。葉は線状披針形で、中央脈は白く基部は葉鞘となります。
花期は9～11月で、茎先に苞鞘を出し、中に雌性小穂があります。雄性小穂は苞鞘から伸びた先につきます。雌性小穂のうち、1個だけが花柱を出し、花柱が萎れてから雄性小穂の苞穎が開いて、葯がぶら下がります。
中央の小穂は雄性期で、その奥に花柱の萎れた姿が見られますね。
果期に苞鞘は硬くなり、緑色～黒褐色～灰白色になります。
本種の栽培種を「ハトムギ」といい、苞鞘は軟らかいです。
川岸にある遊歩道を歩いていたら、ジュズダマが群生していました。この辺りでは、水田脇や川岸などでよく見ることができます。
果期の頃にひとつ採って割ろうとしましたが、とても硬くて素手では何も出来ませんでした。果実は川穀「センコク」といって、ハトムギの代用としたそうです。これも身近な薬草なのですね。

９月上旬　海老名市内にて