下のキーワードを検索して下さい。
1 特産品化目指す天草の「高浜ワイン」 品質に太鼓判、課題は価格 | 熊本の ...
https://kumanichi.com › ニュース › 熊本のニュース
特産品化目指す天草の「高浜ワイン」 品質に太鼓判、課題は価格
2017/12/17 13:00
©株式会社熊本日日新聞社
天草産の食材を使った料理との相性を確かめながら高浜ワインを味わう参加者=熊本市
天草市天草町高浜地区で固有種として栽培が続く「高浜ブドウ」を原料に造った白ワインの試飲会が11月末、熊本市で開かれた。参加したソムリエや飲食関係者は「酸味が際立ち、完成度が高い」と太鼓判。単価設定や生産量に課題があるものの、地元生産者は「第一関門を突破できた」と、特産品化に向けた手応えをつかんだ。
高浜ブドウは1879年、同地区住民が中国から持ち込んだとされる。海辺の砂地が栽培に適し、天草を旅した北原白秋らが1907年の紀行文「五足の靴」で「高浜の町は葡萄[ぶどう]で掩[おお]はれて居る」と記すなど盛んだった。
その後、植物の病気の流行などで廃れ、約20年前には1本残るのみに。地元振興会が挿し木で株を増やし、現在は12戸が栽培し、約50本が収穫できるまでに回復した。
ワイン造りは2014年にスタート。地元で試飲会を開いたり、ふるさと納税の返礼品に活用したりしてきた。今季は収穫した300キロのうち110キロで、750ミリリットル入り100本を製造。「商品として扱える品質が確保できた」(同振興会)として、今回初めてプロの評価をあおいだ。
試飲会は同市のイタリア料理店であり、約30人が天草大王やブリなど天草産の食材を使った料理との相性を確かめながら試飲した。
熊本ワイン(熊本市)の玉利博之社長は「酸味がしっかりしていて、品質は想像以上で驚いた」と評価。同市でワインバーを経営する田中年記さん(57)は「高浜ワインの物語性を生かし、天草でしか飲めないワインとして飲食店での展開を狙うべきだ」との戦略を提案した。
一方で課題も浮かんだ。ワインの少量生産は県内に引き受け手がなく、山梨県の醸造所に依頼。運送コストを織り込むと、販売価格は1本3500円ほどになり、田中さんは「フランスやイタリアの質の高い商品と競うことになる」と指摘する。
地元生産者グループ「高浜ブドウ会」の松本昌幸さん(51)は「まずは品質が評価されたことで、自信を持って栽培面積を増やせる。後を継ぎたいと興味を持つ若手が出てくることも期待したい」と意気込む。(上田良志)
(2017年12月17日付 熊本日日新聞朝刊掲載)
1 特産品化目指す天草の「高浜ワイン」 品質に太鼓判、課題は価格 | 熊本の ...
https://kumanichi.com › ニュース › 熊本のニュース
特産品化目指す天草の「高浜ワイン」 品質に太鼓判、課題は価格
2017/12/17 13:00
©株式会社熊本日日新聞社
天草産の食材を使った料理との相性を確かめながら高浜ワインを味わう参加者=熊本市
天草市天草町高浜地区で固有種として栽培が続く「高浜ブドウ」を原料に造った白ワインの試飲会が11月末、熊本市で開かれた。参加したソムリエや飲食関係者は「酸味が際立ち、完成度が高い」と太鼓判。単価設定や生産量に課題があるものの、地元生産者は「第一関門を突破できた」と、特産品化に向けた手応えをつかんだ。
高浜ブドウは1879年、同地区住民が中国から持ち込んだとされる。海辺の砂地が栽培に適し、天草を旅した北原白秋らが1907年の紀行文「五足の靴」で「高浜の町は葡萄[ぶどう]で掩[おお]はれて居る」と記すなど盛んだった。
その後、植物の病気の流行などで廃れ、約20年前には1本残るのみに。地元振興会が挿し木で株を増やし、現在は12戸が栽培し、約50本が収穫できるまでに回復した。
ワイン造りは2014年にスタート。地元で試飲会を開いたり、ふるさと納税の返礼品に活用したりしてきた。今季は収穫した300キロのうち110キロで、750ミリリットル入り100本を製造。「商品として扱える品質が確保できた」(同振興会)として、今回初めてプロの評価をあおいだ。
試飲会は同市のイタリア料理店であり、約30人が天草大王やブリなど天草産の食材を使った料理との相性を確かめながら試飲した。
熊本ワイン(熊本市)の玉利博之社長は「酸味がしっかりしていて、品質は想像以上で驚いた」と評価。同市でワインバーを経営する田中年記さん(57)は「高浜ワインの物語性を生かし、天草でしか飲めないワインとして飲食店での展開を狙うべきだ」との戦略を提案した。
一方で課題も浮かんだ。ワインの少量生産は県内に引き受け手がなく、山梨県の醸造所に依頼。運送コストを織り込むと、販売価格は1本3500円ほどになり、田中さんは「フランスやイタリアの質の高い商品と競うことになる」と指摘する。
地元生産者グループ「高浜ブドウ会」の松本昌幸さん(51)は「まずは品質が評価されたことで、自信を持って栽培面積を増やせる。後を継ぎたいと興味を持つ若手が出てくることも期待したい」と意気込む。(上田良志)
(2017年12月17日付 熊本日日新聞朝刊掲載)