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1 NHK 熊本県のニュース|NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/
発見の2歳男児 バナナやゼリー食べるなど元気な様子
2018年8月15日 18時16分
山口県周防大島町で、今月12日から行方がわからなくなっていた2歳の男の子が15日朝、近くの山の中で見つかりました。目立ったけがはなく、簡単な食事をとるなど元気な様子だということです。
山口県防府市の藤本理稀くん(2)は今月12日、周防大島町にある母親の実家を訪れ、祖父などと海岸に行くため家を出ましたが、1人で家の方向に引き返したあと、行方がわからなくなっていました。
連日、警察や消防などが合わせておよそ150人の態勢で捜索を続け、15日午前6時半ごろ、捜索のためボランティアで訪れていた大分県日出町の尾畠春夫さん(78)が、実家の北東にある山の中で理稀くんを見つけました。
警察によりますと、発見当時、理稀くんは沢の近くに座っていたということで、尾畠さんに抱きかかえられて下山し、無事、家族に引き渡されました。
理稀くんは大事をとって数日間、山口県柳井市内の病院に入院する予定ですが、目立ったけがはなく、母親によりますと、バナナやゼリーを食べるなど元気な様子だということです。
警察は理稀くんの体力の回復を待って、行方がわからなくなってから見つかるまでどのように過ごしていたのか、話を聞くことにしています。
母親の美緒さん「息子の姿を見たときは胸がいっぱいに」
藤本理稀くん(2)の母親の美緒さん(37)は15日夕方、理稀くんが入院している山口県柳井市の病院で取材に応じました。
美緒さんは「日にちがたつほど、不安な気持ちが大きくなりましたが、息子の姿を見たときは、胸がいっぱいになりました。無事に帰ってきてくれてなによりです」と話していました。
理稀くんの今の様子については、「少し疲れているようですが、バナナやゼリーを食べて、今はぐっすり眠っています」と話しました。
理稀くんは行方が分からなくなった翌日の13日、2歳の誕生日を迎えたということで、「アイスが大好きなのでアイスケーキを買って、誕生日をお祝いしてあげたいです」と話していました。
また、理稀くんを発見した尾畠春夫さんについては「きのう、必ず生きて私の元に帰すと言ってくれていたので、本当にすごい方だと思います」と述べたうえで、「猛暑の中、警察や消防の方だけでなく見ず知らずの人まで捜索に協力して頂き、本当にありがとうございました」と深く頭を下げ、感謝の気持ちを述べていました。
イ 2歳男児発見 医師と報道陣とのやり取り全文
2018年8月15日 16時48分
藤本理稀くん(2)が運ばれた山口県柳井市の病院によりますと、理稀くんに目立った大きなけがはなく、点滴を受けて現在は元気にしているということです。診察した医師と報道陣のやり取りは次のとおりです。
※医師は周東総合病院の竹ノ下由昌医師
(記者)理稀くんの状態について教えてください。
(医師)脱水(症状)があって、今ちょっと点滴をしているところですけど、おおむね好な経過です。
(記者)いったん入院する形になりますか。
(医師)そうです。脱水(症状)があるので、ちょっと点滴をして。
(記者)見通しとして退院はいつごろになりますか。
(医師)今週いっぱいとか、経過によりますけど、来週になる可能性があるかもしれません。
(記者)どんな言葉を発していますか。
(医師)まだ眠いみたいで、ちょっと眠ったりとか、お母さんに甘えたりしてて。2歳児なので2歳児なりの反応をしているということですね。
(記者)2歳の子どもがほぼ3日間、飲まず食わずの状態だったと思いますが、状態が良好というのはどんな理由が考えられますか。
(医師)おそらくどこかで水分とかは取っているのではないかなと思いますが。全く飲まず食わずで、今、健康状態がよいというのはちょっと考えにくいので、たぶん水とかは取っているんじゃないかなと。
(記者)沢の水か何かを飲んでいたのでしょうか。
(医師)そういう可能性はありますね。
(記者)理稀くんは今、何か話していますか。
(医師)「ママ」とか、診察をするときに「嫌だ」とかは言っていますね。
(記者)元気な反応ですか。
(医師)そうですね。まあ(診察を)嫌がって泣いたりとかは結構しています。笑顔はあんまり出ていないけど、嫌がったりとかはしていますね。(通常の)2歳児の反応だと思います。
(記者)今の状態を見て、率直な感想は。
(医師)元気にしているのを見て、ちょっとびっくりしたんですけどね。生命力がすごく強いなという感じがしました。
(記者)外傷はないということですが虫刺されなどはありますか。
(医師)3日間(外に)いたわけだから、いろんなところに当たって擦過傷があったりとか。大きな目立ったもの(けが)はないですね。
(記者)飲み物とか食べ物とかはどうしていますか。
(医師)その辺は反応を見てから食事も開始したい。今は点滴だけしていますけど。ご飯を食べられそうだったらそれなりに出して食べてもらおうと思います。
(記者)何か食べたいとか飲みたいとか話していますか。
(医師)それは言っていないですね。
(記者)病院に来てから歩いていますか。
(医師)ベット上で歩いています。外傷がないので歩けます。
(記者)お母さんはどうされていますか。
(医師)お母さんの反応は、安堵感(あんど)が強くて。(理稀くんは)だっこしてもらって。
(記者)だっこしてもらっているときの理稀くんの反応はどうですか。
(医師)お母さんだから、落ち着いてだっこされています。やっぱりいいですね。
(記者)理稀くんの表情を見てどうですか。
(医師)本当に助かってよかったなという感想ですね。
(記者)お母さんの様子についてどういった印象ですか。
(医師)見つかったという安堵感(あんど)が強くて、いまは安心されています。
(記者)理稀くんがここに来たときと様子が変わったことはありますか。
(医師)来たときは脱水(症状)があったのでぐったりしていましたが、点滴をして活気が出て、元気が出てきています。
(記者)元気が出てきたというのはどんな様子ですか。
(医師)元気が出てきてぐずったり、お母さんにだっこしてと言ったり、2歳児なりの反応が出てきましたね。
ウ 2歳男児無事発見 母親に甘え元気な様子
2018年8月15日 12時13分
山口県周防大島町で今月12日から行方が分からなくなっていた2歳の男の子が15日朝、行方不明になった現場近くの山の中で見つかりました。男の子は病院で手当てを受けていますが目立ったけがはなく、母親に甘えるなど元気な様子を見せているということです。
見つかったのは山口県防府市の藤本理稀くん(2)です。
理稀くんは今月12日に周防大島町にある母親の実家を訪れ、祖父などと海岸に行くため家を出ましたが、1人で家の方向に引き返したあと、行方が分からなくなっていました。
警察は理稀くんの顔写真を公開して情報の提供を呼びかけるとともに、消防など合わせておよそ150人の態勢で捜索を続けていました。
そして15日午前7時ごろ、ボランティアで捜索に訪れていた大分県日出町の尾畠春夫さん(78)が実家の北東にある山の中で男の子を見つけて警察に引き渡し、祖母が理稀くんと確認しました。
警察によりますと、発見された時は山の中の沢でしゃがんでいて、尾畠さんがあめを渡すとかみ砕いて食べたということです。
理稀くんは病院で手当てを受けていますが、診察した医師によりますと体には小さな切り傷はあるものの目立ったけがは無く、母親に甘えるなど元気な様子を見せているということです。
脱水症状も点滴で回復へ
藤本理稀くん(2)が搬送された山口県柳井市の周東総合病院によりますと、理稀くんは脱水症状があったものの、点滴をして現在は回復に向かっているということです。
体には小さな切り傷があるものの目立ったけがはなく、大事をとって数日間、入院するということです。
診察した竹ノ下由昌医師は「診察の時に『いやだ』とぐずったり、お母さんに甘えたりしていて、2歳児らしい様子を見せています。元気な姿を見て生命力が強いなと驚きました」と話していました。
祖父「まさか沢まで自力で行くとは驚き」
藤本理稀くん(2)の祖父の正憲さん(66)は、15日午後、報道陣の取材に応じ、「見つかってほっとしました。この家のまわりしか探していなかったので、まさか沢のところまで自力で行っていたとは驚きました。道には石がごろごろしていて、歩くにも滑るような場所です。沢にいたから、水などを飲んでいたんだと思います」と話していました。
また、理稀くんと再会した時の母親の様子については「目をぱっちり開いた孫の顔を見て、ひたすら名前を呼んで喜び、涙を流していました」と説明し、「ボランティアの男性には本当にありがとうの言葉しかないです」と話していました。
SNSに多くの安どの声
2歳の男の子が発見されたことがニュースで報じられると、SNS上には安どの声が数多く書き込まれています。
ツイッターでは、同じ2歳の子どもがいるという人が「発見のニュースを見てから数分置きに泣ける。よくぞ無事で。本当によかった」といった書き込みをしていたり、自分の子どもが迷子になった経験を持つ人が「ご家族もどんなにかほっとしたことだろう。昔ウチの子もほんの数分だけど、ちょっとした山みたいなところで迷子になったことがあります無事発見のニュース。ほんとによかった!」などといったツイートをしていました。
中には、お盆の時期ということもあり、「これは確実にご先祖様が一緒にそばにいて守ってたパターンだ。お盆に帰省してきちんと墓参りしてるからこそ先祖様が子どもの命を守ってくれてたんやで」といった書き込みも見られました。
エ 2歳男児発見の男性「尊い命 助かってよかった」
2018年8月15日 16時34分
行方が分からなくなっていた藤本理稀くんを発見した大分県日出町の尾畠春夫さん(78)は15日午後、報道陣の取材に応じ「尊い命が助かってよかったです」とうれしそうに話しました。
尾畠さんによりますと、新聞記事で理稀くんの行方が分からなくなっていることを知り、14日、車で周防大島町を訪れて捜索活動に加わりました。
15日午前6時すぎに山に入り、理稀くんがいなくなった場所から歩いておよそ15分、距離にしておよそ600メートルほど離れた山の中の沢で理稀くんの名前を呼ぶと、「おじちゃん、ここ」という声が聞こえたということです。
尾畠さんが声の方向へ進むと、沢の近くの石に座っていた理稀くんを見つけました。
呼びかけに対し理稀くんは「はい」とはっきり答え、尾畠さんが持っていたあめをかみ砕いて食べたということです。
尾畠さんは10数年前からボランティア活動に力を入れ、東日本大震災などの被災地のほか、先月の豪雨で大きな被害を受けた広島県呉市でも復旧作業にあたりました。
また、おととし大分県佐伯市で当時2歳の女の子が一時、行方不明になり21時間後に無事、保護された際にもボランティアで捜索に参加していて、このときの経験を頼りに今回、山に入ったということです。
尾畠さんは「見つけた瞬間はびっくりして頭が真っ白になり、心臓が止まるかと思いましたが、尊い命が助かってよかったです。あれぐらいの幼い子なら泣き叫んでいてもおかしくないのに、とても落ち着いていました」と話していました。
各地にボランティア
山口県で行方が分からなくなっていた2歳の男の子を発見した大分県日出町の尾畠春夫さんは、これまでにも東日本大震災など全国各地の災害の被災地にボランティアとして駆けつけてきました。
7年前に発行された日出町の広報誌では、尾畠さんが東日本大震災で被災した宮城県南三陸町で、がれきの中からアルバムや写真など被災者の思い出の品を探す活動にあたったことが紹介されています。
また、去年7月の九州北部豪雨で大きな被害を受けた大分県日田市の社会福祉協議会やボランティア団体の関係者によりますと、豪雨のあとも何度も被災地に足を運び、車に泊まりながら水につかった住宅から泥をかき出す作業などにあたっていたということです。
災害ボランティアの経験が豊富で、現場では、ほかのボランティアに作業のポイントを教えるなどリーダーシップを発揮していたということです。
このほか、山に登って登山道にベンチや道案内の標識を設置するボランティアも長年、行ってきました。
尾畠さんによりますと、2年前、大分県佐伯市で母親らと一緒に畑にいた2歳の女の子が行方不明になり、およそ21時間後に山の斜面で無事に保護された際にも、捜索に参加したということです。
「スーパーボランティアだ」ネット上でも称賛の声
藤本理稀くん(2)を見つけたボランティアの尾畠春夫さん(78)について、ネット上では「スーパーボランティアだ」などと称賛の声が上がっています。
このうち、ツイッターでは「ボランティアのおじいさんがヒーローすぎる!かっこよすぎる!」「国民栄誉賞に値する」「ファンになりそう」などといった書き込みが相次いでいます。
さらに、尾畠さんが東日本大震災の被災地など各地でボランティア活動をしてきたことに触れ、「ボランティアのスペシャリストだ」「ただ者じゃない」といった投稿のほか、「スーパーボランティアの尾畠さんがすごい」などと、これまでの活動も含めて称賛する声が目立っています。
尾畠さんが語る当時の状況
尾畠さんが語る当時の状況
尾畠さんが発見時の様子を報道陣に語りました。
(記者)見つけた時の状況を教えてください。
(尾畠さん)右と左の山の方に向かって声をかけながら上ったんです。林道を上がって行ったら、(理稀くんが)座っちょったところから、12~13、15メートル離れたところで、「おいちゃん、ここー」という声がしたから。それからちょっと進んだところに、彼がちょうど沢の真ん中、苔むした岩のところに、下流に向かって座っていたから、一瞬その時は、私は人間とは思わなかったんですよ。まさか出発して20~30分後に見つかるなんて思わんかったから。一瞬、もう心臓が止まりそうな感じがした、ホントに。そんな感じでした。
(記者)その時の理稀くんはどのような状況でしたか。
(尾畠さん)6メートルくらいまで近づいて見たら、下半身はなにも付けてないんですよ。足は前に岩の前に砂がたまった場所があって、そこに水がたまっている場所に足を並べて座っていた。「よしくん」と言ったら、「はい」と言うから、近づいて「頑張ったね」と言って、それであめを10個くらい入っていたあめの袋を出してあげようとしたら、私のあめの袋に手をつっこんで、あめを1個出して、自分で(袋を)破ろうとしたんだけど、なかなか子どもの力では破れなかったから、私が破って渡したら、口に入れたとたんにガリガリガリガリとかんだんですよ。だから、これは大丈夫だなと思った。
(記者)傷や弱った様子はなかったですか。
(尾畠さん)声の出し方とか、あめだまを私から袋ごと取ってガリガリとかんだから、これは大丈夫だと思った。子どもというのは不思議なもので、上に上るのが好き。私も登山やる。上に上がるほうが好き。2歳の子どもだから、右側は沢で左は崖になっているから、崖を降りるわけないし、ここはずっと金網でネットを張っている。子どもはよじ登るということはせんと思う。そしたら。沢のまんなかに座っていた。
(記者)無事に見つかってどんな思いですか。
(尾畠さん)言葉はないね。もうよかった。尊い命が助かってよかった。それだけです。「おいちゃん、ここ!」と言った時には本当にもうね、(涙)うれしかったです。小さな命が助かったなと思って。もう、それだけ。本当にうれしかった。
(記者)どんな声が聞こえましたか。
(尾畠さん)はっきり聞こえた。「おいちゃん、ここ」といったんですよ。大きい声で。はっきりと。
(記者)発見した理稀くんを警察に渡さずにご自身でだっこをして家族に渡したのですか。
(尾畠さん)家族やおじいちゃんに、「必ず私が見つけたら、抱きしめてじかにあなたにお渡ししますから」と言ったんです。
(記者)渡した時はどんな様子でしたか。
(尾畠さん)もーー、お母さんは声が出なかったな。よしくんを、バスタオルをとって顔を見せたんです。お母さんのあの時のうれしい顔。一生(まぶたに)焼き付いて離れないだろうな。
(記者)抱きかかえている中での反応はどうでしたか。
(尾畠さん)「よしくん、よかったね。あめおいしい?」と言ったら、「うんうん、あめ食べる」って。「うんうん」と。全部で3個くらいあげた。あのあめだまの硬いやつをかんだということは健康じゃないとかめない。
(記者)何を食べていたのか聞きましたか。
(尾畠さん)聞きませんでした。まず食べていないと思う。水は沢の水をたぶん。
(記者)まわりに食べ物はない。
(尾畠さん)ないです。
(記者)抱いた時に温度や体温を感じましたか。
(尾畠さん)ぬくもりなんか感じるよりも、ただ助かってよかった。助かってよかった、助かってよかった、それだけ。命があってよかったーって、ただそれだけ。お母さんに渡すまで。
(記者)目の力はどうでしたか。
(尾畠さん)目の力は生き生きしていました。(理稀くんが)「おいちゃんここだよ」と言った時、腰が抜けかかった。
(記者)見つけた時の気持ちは。
(尾畠さん)言葉で言い表せない。「おいちゃん、ここここ」って、声を聞いた時は一瞬頭の中真っ白になった、正直に言って。石に座って初めて会った時に、あの表情見た時に人間って強いなと思った。
1 NHK 熊本県のニュース|NHK NEWS WEB
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発見の2歳男児 バナナやゼリー食べるなど元気な様子
2018年8月15日 18時16分
山口県周防大島町で、今月12日から行方がわからなくなっていた2歳の男の子が15日朝、近くの山の中で見つかりました。目立ったけがはなく、簡単な食事をとるなど元気な様子だということです。
山口県防府市の藤本理稀くん(2)は今月12日、周防大島町にある母親の実家を訪れ、祖父などと海岸に行くため家を出ましたが、1人で家の方向に引き返したあと、行方がわからなくなっていました。
連日、警察や消防などが合わせておよそ150人の態勢で捜索を続け、15日午前6時半ごろ、捜索のためボランティアで訪れていた大分県日出町の尾畠春夫さん(78)が、実家の北東にある山の中で理稀くんを見つけました。
警察によりますと、発見当時、理稀くんは沢の近くに座っていたということで、尾畠さんに抱きかかえられて下山し、無事、家族に引き渡されました。
理稀くんは大事をとって数日間、山口県柳井市内の病院に入院する予定ですが、目立ったけがはなく、母親によりますと、バナナやゼリーを食べるなど元気な様子だということです。
警察は理稀くんの体力の回復を待って、行方がわからなくなってから見つかるまでどのように過ごしていたのか、話を聞くことにしています。
母親の美緒さん「息子の姿を見たときは胸がいっぱいに」
藤本理稀くん(2)の母親の美緒さん(37)は15日夕方、理稀くんが入院している山口県柳井市の病院で取材に応じました。
美緒さんは「日にちがたつほど、不安な気持ちが大きくなりましたが、息子の姿を見たときは、胸がいっぱいになりました。無事に帰ってきてくれてなによりです」と話していました。
理稀くんの今の様子については、「少し疲れているようですが、バナナやゼリーを食べて、今はぐっすり眠っています」と話しました。
理稀くんは行方が分からなくなった翌日の13日、2歳の誕生日を迎えたということで、「アイスが大好きなのでアイスケーキを買って、誕生日をお祝いしてあげたいです」と話していました。
また、理稀くんを発見した尾畠春夫さんについては「きのう、必ず生きて私の元に帰すと言ってくれていたので、本当にすごい方だと思います」と述べたうえで、「猛暑の中、警察や消防の方だけでなく見ず知らずの人まで捜索に協力して頂き、本当にありがとうございました」と深く頭を下げ、感謝の気持ちを述べていました。
イ 2歳男児発見 医師と報道陣とのやり取り全文
2018年8月15日 16時48分
藤本理稀くん(2)が運ばれた山口県柳井市の病院によりますと、理稀くんに目立った大きなけがはなく、点滴を受けて現在は元気にしているということです。診察した医師と報道陣のやり取りは次のとおりです。
※医師は周東総合病院の竹ノ下由昌医師
(記者)理稀くんの状態について教えてください。
(医師)脱水(症状)があって、今ちょっと点滴をしているところですけど、おおむね好な経過です。
(記者)いったん入院する形になりますか。
(医師)そうです。脱水(症状)があるので、ちょっと点滴をして。
(記者)見通しとして退院はいつごろになりますか。
(医師)今週いっぱいとか、経過によりますけど、来週になる可能性があるかもしれません。
(記者)どんな言葉を発していますか。
(医師)まだ眠いみたいで、ちょっと眠ったりとか、お母さんに甘えたりしてて。2歳児なので2歳児なりの反応をしているということですね。
(記者)2歳の子どもがほぼ3日間、飲まず食わずの状態だったと思いますが、状態が良好というのはどんな理由が考えられますか。
(医師)おそらくどこかで水分とかは取っているのではないかなと思いますが。全く飲まず食わずで、今、健康状態がよいというのはちょっと考えにくいので、たぶん水とかは取っているんじゃないかなと。
(記者)沢の水か何かを飲んでいたのでしょうか。
(医師)そういう可能性はありますね。
(記者)理稀くんは今、何か話していますか。
(医師)「ママ」とか、診察をするときに「嫌だ」とかは言っていますね。
(記者)元気な反応ですか。
(医師)そうですね。まあ(診察を)嫌がって泣いたりとかは結構しています。笑顔はあんまり出ていないけど、嫌がったりとかはしていますね。(通常の)2歳児の反応だと思います。
(記者)今の状態を見て、率直な感想は。
(医師)元気にしているのを見て、ちょっとびっくりしたんですけどね。生命力がすごく強いなという感じがしました。
(記者)外傷はないということですが虫刺されなどはありますか。
(医師)3日間(外に)いたわけだから、いろんなところに当たって擦過傷があったりとか。大きな目立ったもの(けが)はないですね。
(記者)飲み物とか食べ物とかはどうしていますか。
(医師)その辺は反応を見てから食事も開始したい。今は点滴だけしていますけど。ご飯を食べられそうだったらそれなりに出して食べてもらおうと思います。
(記者)何か食べたいとか飲みたいとか話していますか。
(医師)それは言っていないですね。
(記者)病院に来てから歩いていますか。
(医師)ベット上で歩いています。外傷がないので歩けます。
(記者)お母さんはどうされていますか。
(医師)お母さんの反応は、安堵感(あんど)が強くて。(理稀くんは)だっこしてもらって。
(記者)だっこしてもらっているときの理稀くんの反応はどうですか。
(医師)お母さんだから、落ち着いてだっこされています。やっぱりいいですね。
(記者)理稀くんの表情を見てどうですか。
(医師)本当に助かってよかったなという感想ですね。
(記者)お母さんの様子についてどういった印象ですか。
(医師)見つかったという安堵感(あんど)が強くて、いまは安心されています。
(記者)理稀くんがここに来たときと様子が変わったことはありますか。
(医師)来たときは脱水(症状)があったのでぐったりしていましたが、点滴をして活気が出て、元気が出てきています。
(記者)元気が出てきたというのはどんな様子ですか。
(医師)元気が出てきてぐずったり、お母さんにだっこしてと言ったり、2歳児なりの反応が出てきましたね。
ウ 2歳男児無事発見 母親に甘え元気な様子
2018年8月15日 12時13分
山口県周防大島町で今月12日から行方が分からなくなっていた2歳の男の子が15日朝、行方不明になった現場近くの山の中で見つかりました。男の子は病院で手当てを受けていますが目立ったけがはなく、母親に甘えるなど元気な様子を見せているということです。
見つかったのは山口県防府市の藤本理稀くん(2)です。
理稀くんは今月12日に周防大島町にある母親の実家を訪れ、祖父などと海岸に行くため家を出ましたが、1人で家の方向に引き返したあと、行方が分からなくなっていました。
警察は理稀くんの顔写真を公開して情報の提供を呼びかけるとともに、消防など合わせておよそ150人の態勢で捜索を続けていました。
そして15日午前7時ごろ、ボランティアで捜索に訪れていた大分県日出町の尾畠春夫さん(78)が実家の北東にある山の中で男の子を見つけて警察に引き渡し、祖母が理稀くんと確認しました。
警察によりますと、発見された時は山の中の沢でしゃがんでいて、尾畠さんがあめを渡すとかみ砕いて食べたということです。
理稀くんは病院で手当てを受けていますが、診察した医師によりますと体には小さな切り傷はあるものの目立ったけがは無く、母親に甘えるなど元気な様子を見せているということです。
脱水症状も点滴で回復へ
藤本理稀くん(2)が搬送された山口県柳井市の周東総合病院によりますと、理稀くんは脱水症状があったものの、点滴をして現在は回復に向かっているということです。
体には小さな切り傷があるものの目立ったけがはなく、大事をとって数日間、入院するということです。
診察した竹ノ下由昌医師は「診察の時に『いやだ』とぐずったり、お母さんに甘えたりしていて、2歳児らしい様子を見せています。元気な姿を見て生命力が強いなと驚きました」と話していました。
祖父「まさか沢まで自力で行くとは驚き」
藤本理稀くん(2)の祖父の正憲さん(66)は、15日午後、報道陣の取材に応じ、「見つかってほっとしました。この家のまわりしか探していなかったので、まさか沢のところまで自力で行っていたとは驚きました。道には石がごろごろしていて、歩くにも滑るような場所です。沢にいたから、水などを飲んでいたんだと思います」と話していました。
また、理稀くんと再会した時の母親の様子については「目をぱっちり開いた孫の顔を見て、ひたすら名前を呼んで喜び、涙を流していました」と説明し、「ボランティアの男性には本当にありがとうの言葉しかないです」と話していました。
SNSに多くの安どの声
2歳の男の子が発見されたことがニュースで報じられると、SNS上には安どの声が数多く書き込まれています。
ツイッターでは、同じ2歳の子どもがいるという人が「発見のニュースを見てから数分置きに泣ける。よくぞ無事で。本当によかった」といった書き込みをしていたり、自分の子どもが迷子になった経験を持つ人が「ご家族もどんなにかほっとしたことだろう。昔ウチの子もほんの数分だけど、ちょっとした山みたいなところで迷子になったことがあります無事発見のニュース。ほんとによかった!」などといったツイートをしていました。
中には、お盆の時期ということもあり、「これは確実にご先祖様が一緒にそばにいて守ってたパターンだ。お盆に帰省してきちんと墓参りしてるからこそ先祖様が子どもの命を守ってくれてたんやで」といった書き込みも見られました。
エ 2歳男児発見の男性「尊い命 助かってよかった」
2018年8月15日 16時34分
行方が分からなくなっていた藤本理稀くんを発見した大分県日出町の尾畠春夫さん(78)は15日午後、報道陣の取材に応じ「尊い命が助かってよかったです」とうれしそうに話しました。
尾畠さんによりますと、新聞記事で理稀くんの行方が分からなくなっていることを知り、14日、車で周防大島町を訪れて捜索活動に加わりました。
15日午前6時すぎに山に入り、理稀くんがいなくなった場所から歩いておよそ15分、距離にしておよそ600メートルほど離れた山の中の沢で理稀くんの名前を呼ぶと、「おじちゃん、ここ」という声が聞こえたということです。
尾畠さんが声の方向へ進むと、沢の近くの石に座っていた理稀くんを見つけました。
呼びかけに対し理稀くんは「はい」とはっきり答え、尾畠さんが持っていたあめをかみ砕いて食べたということです。
尾畠さんは10数年前からボランティア活動に力を入れ、東日本大震災などの被災地のほか、先月の豪雨で大きな被害を受けた広島県呉市でも復旧作業にあたりました。
また、おととし大分県佐伯市で当時2歳の女の子が一時、行方不明になり21時間後に無事、保護された際にもボランティアで捜索に参加していて、このときの経験を頼りに今回、山に入ったということです。
尾畠さんは「見つけた瞬間はびっくりして頭が真っ白になり、心臓が止まるかと思いましたが、尊い命が助かってよかったです。あれぐらいの幼い子なら泣き叫んでいてもおかしくないのに、とても落ち着いていました」と話していました。
各地にボランティア
山口県で行方が分からなくなっていた2歳の男の子を発見した大分県日出町の尾畠春夫さんは、これまでにも東日本大震災など全国各地の災害の被災地にボランティアとして駆けつけてきました。
7年前に発行された日出町の広報誌では、尾畠さんが東日本大震災で被災した宮城県南三陸町で、がれきの中からアルバムや写真など被災者の思い出の品を探す活動にあたったことが紹介されています。
また、去年7月の九州北部豪雨で大きな被害を受けた大分県日田市の社会福祉協議会やボランティア団体の関係者によりますと、豪雨のあとも何度も被災地に足を運び、車に泊まりながら水につかった住宅から泥をかき出す作業などにあたっていたということです。
災害ボランティアの経験が豊富で、現場では、ほかのボランティアに作業のポイントを教えるなどリーダーシップを発揮していたということです。
このほか、山に登って登山道にベンチや道案内の標識を設置するボランティアも長年、行ってきました。
尾畠さんによりますと、2年前、大分県佐伯市で母親らと一緒に畑にいた2歳の女の子が行方不明になり、およそ21時間後に山の斜面で無事に保護された際にも、捜索に参加したということです。
「スーパーボランティアだ」ネット上でも称賛の声
藤本理稀くん(2)を見つけたボランティアの尾畠春夫さん(78)について、ネット上では「スーパーボランティアだ」などと称賛の声が上がっています。
このうち、ツイッターでは「ボランティアのおじいさんがヒーローすぎる!かっこよすぎる!」「国民栄誉賞に値する」「ファンになりそう」などといった書き込みが相次いでいます。
さらに、尾畠さんが東日本大震災の被災地など各地でボランティア活動をしてきたことに触れ、「ボランティアのスペシャリストだ」「ただ者じゃない」といった投稿のほか、「スーパーボランティアの尾畠さんがすごい」などと、これまでの活動も含めて称賛する声が目立っています。
尾畠さんが語る当時の状況
尾畠さんが語る当時の状況
尾畠さんが発見時の様子を報道陣に語りました。
(記者)見つけた時の状況を教えてください。
(尾畠さん)右と左の山の方に向かって声をかけながら上ったんです。林道を上がって行ったら、(理稀くんが)座っちょったところから、12~13、15メートル離れたところで、「おいちゃん、ここー」という声がしたから。それからちょっと進んだところに、彼がちょうど沢の真ん中、苔むした岩のところに、下流に向かって座っていたから、一瞬その時は、私は人間とは思わなかったんですよ。まさか出発して20~30分後に見つかるなんて思わんかったから。一瞬、もう心臓が止まりそうな感じがした、ホントに。そんな感じでした。
(記者)その時の理稀くんはどのような状況でしたか。
(尾畠さん)6メートルくらいまで近づいて見たら、下半身はなにも付けてないんですよ。足は前に岩の前に砂がたまった場所があって、そこに水がたまっている場所に足を並べて座っていた。「よしくん」と言ったら、「はい」と言うから、近づいて「頑張ったね」と言って、それであめを10個くらい入っていたあめの袋を出してあげようとしたら、私のあめの袋に手をつっこんで、あめを1個出して、自分で(袋を)破ろうとしたんだけど、なかなか子どもの力では破れなかったから、私が破って渡したら、口に入れたとたんにガリガリガリガリとかんだんですよ。だから、これは大丈夫だなと思った。
(記者)傷や弱った様子はなかったですか。
(尾畠さん)声の出し方とか、あめだまを私から袋ごと取ってガリガリとかんだから、これは大丈夫だと思った。子どもというのは不思議なもので、上に上るのが好き。私も登山やる。上に上がるほうが好き。2歳の子どもだから、右側は沢で左は崖になっているから、崖を降りるわけないし、ここはずっと金網でネットを張っている。子どもはよじ登るということはせんと思う。そしたら。沢のまんなかに座っていた。
(記者)無事に見つかってどんな思いですか。
(尾畠さん)言葉はないね。もうよかった。尊い命が助かってよかった。それだけです。「おいちゃん、ここ!」と言った時には本当にもうね、(涙)うれしかったです。小さな命が助かったなと思って。もう、それだけ。本当にうれしかった。
(記者)どんな声が聞こえましたか。
(尾畠さん)はっきり聞こえた。「おいちゃん、ここ」といったんですよ。大きい声で。はっきりと。
(記者)発見した理稀くんを警察に渡さずにご自身でだっこをして家族に渡したのですか。
(尾畠さん)家族やおじいちゃんに、「必ず私が見つけたら、抱きしめてじかにあなたにお渡ししますから」と言ったんです。
(記者)渡した時はどんな様子でしたか。
(尾畠さん)もーー、お母さんは声が出なかったな。よしくんを、バスタオルをとって顔を見せたんです。お母さんのあの時のうれしい顔。一生(まぶたに)焼き付いて離れないだろうな。
(記者)抱きかかえている中での反応はどうでしたか。
(尾畠さん)「よしくん、よかったね。あめおいしい?」と言ったら、「うんうん、あめ食べる」って。「うんうん」と。全部で3個くらいあげた。あのあめだまの硬いやつをかんだということは健康じゃないとかめない。
(記者)何を食べていたのか聞きましたか。
(尾畠さん)聞きませんでした。まず食べていないと思う。水は沢の水をたぶん。
(記者)まわりに食べ物はない。
(尾畠さん)ないです。
(記者)抱いた時に温度や体温を感じましたか。
(尾畠さん)ぬくもりなんか感じるよりも、ただ助かってよかった。助かってよかった、助かってよかった、それだけ。命があってよかったーって、ただそれだけ。お母さんに渡すまで。
(記者)目の力はどうでしたか。
(尾畠さん)目の力は生き生きしていました。(理稀くんが)「おいちゃんここだよ」と言った時、腰が抜けかかった。
(記者)見つけた時の気持ちは。
(尾畠さん)言葉で言い表せない。「おいちゃん、ここここ」って、声を聞いた時は一瞬頭の中真っ白になった、正直に言って。石に座って初めて会った時に、あの表情見た時に人間って強いなと思った。