フランシスコ教皇 「心を動かされた」被爆地への訪問
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1 NHK フランシスコ教皇 「心を動かされた」被爆地への訪問
フランシスコ教皇 「心を動かされた」被爆地への訪問
2019年11月27日 5時37分ローマ教皇
日本を訪れていたローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇はバチカンに帰国する機中で記者会見を行い、被爆地への訪問について「広島での経験は心を動かされた」と振り返りました。今後、カトリックの教えの中で核兵器の使用と保有が倫理に反すると明記することを明らかにし、核兵器の廃絶に向けた行動につなげたい考えを示しました。
ローマ教皇として38年ぶりの訪日を果たしたフランシスコ教皇は、26日、バチカンに帰国する機中で同行する記者団に対し会見を行いました。
この中でフランシスコ教皇は被爆地の長崎と広島への訪問を振り返り、「ともに原爆の被害を受けていることでは同じだが、長崎は原爆だけでなくキリスト教徒の街ということで違いがある」と述べたうえで、数世紀にわたるキリスト教徒への迫害の歴史に「強く胸を打たれた」と明かしました。
そして、被爆者とことばを交わし証言を聞いた広島については「広島での経験は心を動かされた。だからこそ核兵器の使用は倫理に反すると強調した」と述べました。
そのうえで今後、カトリックの教えの中で核兵器の使用と保有が倫理に反すると明記することを明らかにし、核兵器の廃絶に向けた行動につなげたい考えを示しました。
一方で、原子力発電所については核兵器とは違うとしながらも「個人的な意見だが完全に安全性が確認されるまでは原子力は利用しない」と述べて利用していくには安全性を高めていく必要があると強調しました。
また、東京ドームでのミサに参加した、いわゆる「袴田事件」で死刑が確定し、無実を訴えている袴田巌さんとの面会が実現しなかったことについては、フランシスコ教皇は袴田さんのことをミサの後で知ったとしています。
ただ、死刑制度については安倍総理大臣との会談で取り上げたということで、全世界での死刑の廃止に取り組んでいく考えを改めて示しました。
「北京に行きたい」
フランシスコ教皇は中国にいつ行くのかと問われると「北京に行きたい。中国は大好きだ」と応じました。
中国では内政干渉を理由にローマ教皇が国内のカトリック教会の司教を任命することを拒否してきました。
このため中国では政府公認の教会と、教皇に忠誠を誓ういわゆる地下教会が対立してきましたが去年、司教の任命方法でバチカンと中国が暫定合意しています。
ただ、バチカンはヨーロッパで唯一、台湾と外交関係を維持する一方、中国とは結んでおらず、訪問の実現には多くの課題が残されています。
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1 NHK フランシスコ教皇 「心を動かされた」被爆地への訪問
フランシスコ教皇 「心を動かされた」被爆地への訪問
2019年11月27日 5時37分ローマ教皇
日本を訪れていたローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇はバチカンに帰国する機中で記者会見を行い、被爆地への訪問について「広島での経験は心を動かされた」と振り返りました。今後、カトリックの教えの中で核兵器の使用と保有が倫理に反すると明記することを明らかにし、核兵器の廃絶に向けた行動につなげたい考えを示しました。
ローマ教皇として38年ぶりの訪日を果たしたフランシスコ教皇は、26日、バチカンに帰国する機中で同行する記者団に対し会見を行いました。
この中でフランシスコ教皇は被爆地の長崎と広島への訪問を振り返り、「ともに原爆の被害を受けていることでは同じだが、長崎は原爆だけでなくキリスト教徒の街ということで違いがある」と述べたうえで、数世紀にわたるキリスト教徒への迫害の歴史に「強く胸を打たれた」と明かしました。
そして、被爆者とことばを交わし証言を聞いた広島については「広島での経験は心を動かされた。だからこそ核兵器の使用は倫理に反すると強調した」と述べました。
そのうえで今後、カトリックの教えの中で核兵器の使用と保有が倫理に反すると明記することを明らかにし、核兵器の廃絶に向けた行動につなげたい考えを示しました。
一方で、原子力発電所については核兵器とは違うとしながらも「個人的な意見だが完全に安全性が確認されるまでは原子力は利用しない」と述べて利用していくには安全性を高めていく必要があると強調しました。
また、東京ドームでのミサに参加した、いわゆる「袴田事件」で死刑が確定し、無実を訴えている袴田巌さんとの面会が実現しなかったことについては、フランシスコ教皇は袴田さんのことをミサの後で知ったとしています。
ただ、死刑制度については安倍総理大臣との会談で取り上げたということで、全世界での死刑の廃止に取り組んでいく考えを改めて示しました。
「北京に行きたい」
フランシスコ教皇は中国にいつ行くのかと問われると「北京に行きたい。中国は大好きだ」と応じました。
中国では内政干渉を理由にローマ教皇が国内のカトリック教会の司教を任命することを拒否してきました。
このため中国では政府公認の教会と、教皇に忠誠を誓ういわゆる地下教会が対立してきましたが去年、司教の任命方法でバチカンと中国が暫定合意しています。
ただ、バチカンはヨーロッパで唯一、台湾と外交関係を維持する一方、中国とは結んでおらず、訪問の実現には多くの課題が残されています。