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 花の詩 「つばき 椿」

2013年02月11日 07時50分53秒 | 花の詩
「ふりかえる 秋篠寺の やぶかげの 
        椿の花は みなもの言へり」(小野興二郎)

 春の木ツバキはもともと霊木とされてきた神聖な木であった。
日本書紀に、九州遠征中の景行天皇が、豊後の来田見村(大分県久住)で土蜘蛛を平定する時、ツバキの木で槌を作り、それを兵に仕立てたことが記録されている。
そのツバキの兵を土蜘蛛に差し向けると、土蜘蛛はたちまち平定されたと言う。
 天武5年4月、大和国添下郡の吉事と言う人が宮中に瑞鶏を贈った。その鶏は、とさかがツバキの花の形をしたというめでたい鶏であった。また古事記には、天皇をツバキの美しさに例えて賀ぐ歌詞がある。

 「葉びろ 斎(ゆ)真椿 其(し)が花の 照りいまし
   広(ひろが)りいますは 大君ろかも (仁徳記)
  
 神聖な椿の花の耀くように顔色が美しく、葉が広がっているようにくつろいでいる大君よと讃美している。

「巨勢山の つらつら椿 つらつらに 
    見つつ偲はな 巨勢の春野を」(坂門人足)



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