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ロボサムライ駆ける■第19回

2015年11月16日 | ロボサムライ駆ける

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作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所
ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」http://www.yamada-kikaku.com/

■第3章(7)
「レイモン様、ようやく峠を越えましたぞ」
 関所から同道している主水は、最初に駆け上がり、近畿新平野を見渡した。

 ここは暗がり峠であった。
霊戦争でわずかに残っていた台地である。 
「なんと」

 思わず主水は叫ぶ。壮観である。

 近畿新平野は霊戦争により、様変わりしていた。

大阪・京都・奈良・和歌山の山脈は消滅し、平野となっている。
 

ボルテックスによるレザー攻撃でここにあった全日本軍の要塞が潰滅していた。

 が、主水は驚いたのはそのことではない。

大阪湾に異様な物を発見したからだ。


 主水の眼が二十倍ズームの態になり、大阪湾上をアップにしていた。

ロセンデールの空母ライオンから周囲十キロメートルにわたって
電磁バイヤーが張り巡らされている。

まるで大阪湾に張り巡らされた『蜘蛛の巣』のようにみえた。

「ロセンデールめ。すでに大阪湾を支配下においたとみえる」

 レイモンが主水のそばにきて、主水の見たる光景を霊力で盗み見していた。

「レイモン様、いったいあやつは……何を狙っているのでありましょうや」

「ロセンデールめ、あせっているものとみえる。
ライオンの艦橋部分が霊波を送る中心塔なのだ。その霊波探査能力を倍増するために、大阪湾岸の高い建物のすべてに網を張り巡らせたのだ」

「西日本都市連合会議も市政庁も、何もクレームをつけないのでしょうか」

「恐らくロセンデールのことだ。巧妙な語り口で市政庁をあざむいておるのであろう」

「しかし、それでは、我々は飛んで火にいる夏の虫ではありますまいか」

「主水よ、それに対する古いことわざがあろうが」

「はっ、それは」

「わからぬのか、虎穴にいらずんば虎子をえずという奴じゃ。しかしながら、この虎子は大きいぞ。世界の歴史をひっくりかえすほどにな。ほっほっほ」

 レイモンはゆったりと笑い飛ばしている。
(続く)
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