ロボサムライ駆ける■第23回■
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■第3章(10)
新京都ホテルのレイモンの部屋をノックするものがある。
レイモンは何とか夜叉丸に助けられ、ホテルまでたどり着いていた。
主水の行方は連絡が入っていなかった。
「レイモン閣下でございますか」
裃を着た見知らぬロボットが、レイモンの部屋の前に立っていた。
「どちら様かな」
夜叉丸が尋ねた。
「我々は西日本都市連合の使い番でござる。レイモン閣下の今昼の会議での発言は波紋を呼び起こし、レイモン閣下を狙う者多しと聞き及びます。どうぞ速やかに、我々の保護下にお付きくださいませ」
「西日本都市連合の使い番じゃとすると、水野殿よりの使いか」
レイモンが尋ねた。
「さようでございます」
「どうするかのう、夜叉丸」
レイモンは背後に控える夜叉丸に尋ねた。
「せっかくのお召しでございます。お断りになられては角が立ちましょう」
夜叉丸は少し考えて答えた。
「そういうことじゃな。それではその方々とまいろうか。のう、夜叉丸」
が、使い番ロボットは異をとなえた。
「お待ちください。その夜叉丸殿の保護、我々は聞いておりませぬ」
その物言いにレイモンは、顔を曇らせる。不快なのだ。
「それは困った。この夜叉丸は俺の体の一部でのう。手や足と一緒なのじゃ。切り離されては俺が動けのうなる」
使い番ロボットはしばらく考えていたが、
「わかりました。夜叉丸殿のこと、我々は聞いてはおりませぬが、とりあえず一緒にお越しくださいませ」
レイモンと夜叉丸は、政庁のまわした、かご型小型バンに乗り込んだ。
「閣下、いよいよ我々の思いどおりに」
夜叉丸が言う。
「そうじゃ、そのように進んでおる」
レイモンは薬タンクからのコードをジャリといわせた。
バンがたどり着いたところは、政庁である。会議室に入る。
「お待ち申しておりましたぞ、レイモン閣下」
水野が議長席に座っている。
「こちらも待ち兼ねたぞ、水野殿。早く我々にいつ心柱を見せて欲しいのう」
レイモンはにやりと笑いながら落ち着いていった。が、その言葉はの先制攻撃はかなり効いたらしい。
「……」
絶句する水野。
「わからぬと思うたか。どうせ今おまえたち西日本の霊能師が困っておるのは、化野(あだしの)の存在であろう。そのようなこととっくにお見通しだわ」
レイモンは続けた。
突然、背後から新たに声が飛んできた。
「それでは、いよいよ、私たちを助けていただけますか。かっての打ち合わせのとおり」
見目美しい男が、パーテーションの背後から現れて言う。ロセンデールだった。
「これはロセンデール卿か、おひさしゅうござる」
レイモンが頭をたれた。
水野は、目を白黒させている。
続く090901改訂
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