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私の中の彼へー青き騎士ー第10回 私「ローズサークル」の沙織と、彼、荒野の狼との最初の出会いは最悪だった。

2021年08月16日 | 私の中の彼へー青き騎士ー
K私の中の彼へー青き騎士ー《アイス》と人の戦争で、少女暗殺組織ローズバットの沙織は、共生装甲機体・零号を操る独立装甲歩兵・翔と恋に落ちる。沙織には過酷な運命が待っていた。彼女は人類を新たな旅へ導く
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私の中の彼へー青き騎士ー第10回 私「ローズサークル」の沙織と、彼、荒野の狼との最初の出会いは最悪だった。
 
 
■前説

彼との最初の出会いは最悪だった。

まだ、私も若くて世界の事など少しもわかったちゃいなかった。

それから始まる地獄のような日々も。

でも、私の心の中では、いつもいつもその光景が想いおこされる。

ああ 翔、あなたは、、

 

私の中の彼へー青き騎士ー第10回

青き騎士(1992年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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第10回●シーン9

 

彼との最初の出会いは最悪だった。

 

まだ、私も若くて世界の事など少しもわかったちゃいなかった。

 

それから始まる地獄のような日々も。

 

でも、私の心の中では、いつもいつもその光景が想いおこされる。

 

ああ 翔、あなたは、、

 

 その男は、装甲機から出て二人の話しを聞いていた。

「その二人を渡してもらいたいの」

 私はその男に声をかけた。氷原の上にその男はすっくと立りてい

た。私の方に、ふりかえった時、野性的な力強い男とわかった。

 

「お前は唯だ」

その男は、私に面と向かってしやぺっていた

「私を知りないのかい、「ローズサークル」の長、沙織さ。このあたりを、しきっているのはあたしさ」

「お前か、あの「ローズサークル」の沙織なのか」

さげすみの眼だった、

まるで、うじ虫が眼前にぶらさがっているように、その男は私を見ていた。

「お前みたいな女。どうせアイスブレッドだろう」

 

 私の顛は、怒リでどす原くなっていただろう。

「そうだよ、それが、どうしたというんだ。私はアイスブレッドだよ」

「そうなんです。あいつは小さい時から恐ろしい奴なんです。私たちは、あいつの育ての親なんてすよ、それが、今は殺せといわれるこのざまてす。なぶリ殺そうとするんてすよ。だんな」

気を見るに目ざとい父親が今度は、その男に哀れみをかっていた

 

「俺は、だんなという名前ではない。名前は翔、政府軍遊撃部隊「狼部隊」所属、荒野の狼だ」

 私の仲聞から、とよめきがおこっていた、

お前が「荒野の狼」かい、このあたりじや名前が売れているね」本当のところ、私は少しびびった。

 

「狼だか、何だか知らないけれど、干渉はやめておくれよ。ここは

あたしの領地だよ。お前みたいな敗残兵はお呼びじゃないよ」

「がな、お嬢さんよ、入の難儀をほってあけないのが、俺の性分。

どうしてもこの人たちを殺すといつのなら、まず最初に私を倒して

もらおうか」

「聞いたふうな口をおききだね」

 

 ここでひきさがれぱ、ローズサークルの沙織の名おれだ。

少なくとも、政府暗殺者養成機関「ローズパット」で最優秀と呼ばれた私だ。仲間の手前もある。

 私は声高に叫んでいた。

「一対一の勝負というわけね、翔とやら」

「無益な闘いだな」

人工頭脳装甲機たる零が、翔につぶやいた。

そのつぶやきは、私にもほかの者にも聞こえた。

 

「なぜだ、零、俺はこの人間たちを助けたいんだ」

「それが無駄な努力だというんだ、翔、あやつらを助けてどうする

生活のめんどうてもみてやるつもりなのか。我々は移動攻撃部隊だ。アイスに対して、我々の仲間の復讐を果たすのではなかったのか。それがこんなところで、他人のもめごとにかかわりあつて、どうするつもりだ。翔」

「が、零」

 

「闘いをやめるかい、臆病風にふかれたかな」

私は考え込んでいる翔に向かって、叫んでいる。

「ともかく、零、ここは勝負をさせてくれないか」

「翔、あせるな」零が言う。

しかし、翔の体は、もう反応していた、それはつまり攻撃機、零の機械も反応している事を意味する。

 

しぶしぷながら、零も戦わざるを得ない。

 

沙織は「ローズバット」であたえられたテクニックをすべて利用する。

3トンはある攻撃機、零と、ほぼ生身に近い、補助装置をつけただけの総重量60キロ沙織の対決だった。

ローズサークルの部下たちもまわりをかこんでいる、

沙織は、翔と比較してあまりに小さい体にもかかわらず、いやそれゆえに、健闘していた.

 

 翔の発するしーザ光には沙織はつかまらない。

零のような個人装甲機に載っていないだけすぱやく動ける。

 

さらに沙織は、「ローズパット」では俊敏さにおいてはピカ一だったのだ。

「どうしたい、人間一人殺せないで、アイスをやっつけるとは地球連邦軍の名と、「荒野の狼」の名前が泣くよ」

「何、くそ。生意気な女め」

 

「翔、おちつくんだ、よくみろ、彼女の動きにはバターンがあるだろう。それに相手はアイスではない、よく考えろ」

これは、翔と零の機械内会話だ。外には聞こえない。

「そっか、きたない手だが」翔はきづく、

「そうだ。それに、あの女を殺す意味合いもあるまい」

「よし。そうしよう」

 とはいっものの、すでに沙織は、岩場のくぼみへ追いこまれていた。

 

「さあ沙織、覚悟をしてももらおうか。

装甲機「零」、中から翔の声が響いてきた。

「へん、おだまりよ、最後の一発を決めさせてもらう」

翔の装甲機が数mに近づき、沙織の体にに照準を合わせた一瞬。

沙織が消えた。その動きが今までと違う。

 

数倍速度で動き、零と翔の背後にすばやく走り込む。

零の装甲機の頭部と胴体ジョイント部に、後から両腕でしがみつく、

「さあ、さあ、これで私をどう処理するつもりかな」

沙織の手には、すでに、「ハイマンガンスチ-ルのナイフ」がにぎられている。

 

「このナイフはよく切れる。動力機動ケ-ブルをたたき切ってやる。そうすれば、あんたも単なるでくの坊さ」

 

「まちな、沙織」

翔の声か背後からした。

沙織はおわずふりかえる。

何て事だ。そこにはレイガンを手にした生身の翔がいた。

「これはいったい」

私は気づく。

「そうか、きたない手を咬うね、それがあんたの闘い方かい」

怒りで、感情が暴走する沙織は、後先を考えずに行動してしまう。

悪い癖だ。

「えい、こうしてやる」

体がどうなろうとままよと。動力ケーブルにそのまま、ナイフを差し入れようとした。

一瞬、電撃が装甲磯からほとぱしり、沙織は気をうしなった。

 最後の言葉か耳に残った。

「やれやれ、手をやかせる女だなあ。とんだジャジャ馬だな」

 

 意識がもどると、もと私が住んでいたコロニーにいた。家の一つに私は寝かされていた、

 前には翔がすわっている

「きたない手を使うね「狼」

それが、最初の口からでた言葉だった。

「おいおい、あいさつはそれかよ」

「だって、そうじやないか」

「我々が本当の力を使えばお前の体はふきとぶ」

 

翔の隣りにいる装申機が、高い位置から翔の声で言った、

「おどろいたか、沙織。我々は、生まれた時から一心同体なのさ」

「機械と人間の共生体が、我々、狼部隊の隊員なのさ」

零が言う。こんどは、自分の声らしい。

「連邦政府がこのように我々を作ったのさ。だからそ供の頃からこ

いつと一緒さ」

 

その話は、私の心を何がしら揺さぶる。

「それじゃ両親の顔は」私は翔に尋ねる。

「そんなもの寛えちゃいないぜ」

「あたしと同じだね」

共感の心が、ゆっくりと思いがけなく私の中に沸き起こっていた。

「ああ、聞いているさ、「ローズサークル」のうわささ。すべての子供は、アイスに対する戦闘兵器にされている」

「普通の子供はいないの」

 

「いまじや、わずかだ、連邦政府要人のご子息さまたちだけさ」

「それじゃ、あんたと私は、いわば、同じ類なんだね」

「ふっ、、、そういう事になるな、、」

 

 私が寝かされている部屋の中.に、唐突に。私の養父母が走り込んできた.私の方を見向きもしなかりた.

「どっも翔さん、助けていただいてありがとうございます」

「そうなんです。こんな鬼の子供に育てた覚えはないのですかね」

そこではじめて私をさげすんでみた。

 私は感じた。どこかのシグナルが危険を発している。

この二人の様子が何か違う。言葉にできない何かが、、

 

「いかん、沙織」翔がどなる。

そめ言葉と同時に、養父母の体が、白熱する。

 

両親の体は、触角の総合体と化した。

すでに、人間の姿は肉塊となりはじき飛とび、「アイス」の究極兵器が2体いた。

(続く)20170920 改訂

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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