ロボサムライ駆ける■第59回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■第七章 血闘場(6)
地下大空洞に新たな声が響き渡っている。
「皆、剣を下げよ。これ以上の戦いは無用だ。シュトルフくん、全員に命じろ」
意外なことにクルトフが命令していた。
「しかし、クルトフ様」
シュトルフが抗弁しようとする。
「だまれ、シュトルフくん。ロセンデール卿がなくなった今、これ以上は無用だ。我々はもう空母も機械城もないのだぞ」
「そうです。公式には日本と新生ゲルマン帝国は交戦していないのです」
徳川公が言葉を継いだ。
「我々としては心柱が目覚められた現在、わざわざことを荒立てる必要はない」
クルトフが再び命令していた。
関西都市連合の斎藤も一言加える。
「それゆえ、我々は武装を解除します。よろしいな、シュタイフくん」
クルトフが厳命する。
「はっ。クルトフさま」
シュタイフは渋々命令に従う。聖騎士団は、武器を下げた。
シュタイフの胸の内にはにがいものが込み上げてきた。
『ロセンデール卿殿下、お許しください。私はあなたをお守りできませんでした。
このクルトフめは、新生ゲルマン帝国一三人の諸公のうちの誰かから、
ロセンデール卿殿下を滅ぼすために遣わされたに違いないのです。
その証拠を握ることはできませんでした。ロセンデール卿殿下、この敵は必ず…』
シュタイフは、心の中で誓った。
(続く)
■ロボサムライ駆ける■第七章 血闘場(6)
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