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夢王たちの宴第20回■ビブラフォン競技会参加を 了承するジェイ。デルガは彼の力に気づき怯える。自分の夢世界崩壊を予感。 道化師アリソンは競技中「神の左手」現象が世界システムの変調する事を期待。

2021年03月14日 | 夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー
夢結社シリーズYK夢王たちの饗宴--ドラッグウォーの跡でー(麻薬戦争の跡)夢世界の入り組んだ異世界、最高のドリームマスター夢王は、だれなのか? なぜ、この世界はできたのか?
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夢王たちの宴第20回■ビブラフォン競技会参加を 了承するジェイ。デルガは彼の力に気づき怯える。自分の夢世界崩壊を予感。 道化師アリソンは競技中「神の左手」現象が世界システムの変調する事を期待。
 

夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー第20回■

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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■第20回■

 

「導師デルガ、こちらがプレイヤーのジェイです」

2人は、フォトンにつき、ゴルゴダシティの実質的な支配者デルガを前にしている・

 

「ジェイ、こちらがビブラフォーンコンテストのブロデューサーの導師

デルガです」

 「どうも、初めましてデルガ導師。お会いできて光栄です」

 

ジェイはデルガと握手をしながら、デルガの顔に見覚えがあると思った。

どこだ。どこであったのか。

 

一方、デルガの方もジェイの顔に既視感があった。

 

お互いに少しの問見つめあっている。

 

 「ジェイ、あなたとはかつてお会いしたことかありましたかな」

デルガ導師はそう口を開いた。

 

「いえ、これが初めてだと思いますが」

 

「それはそれは、失礼しました。私の間違いでしょう」

「ところで、プロのプレイヤーの方が、ちょうど我々のゴルゴダシティに、来ておられ

ろという事はとてもうれしい事です」マリクが言った。

 

「それじゃ、ジェイ。ビブラフォーンの演奏曲を指定していいでしょうか」

 

「曲目は、「ハルフォードの稲妻」をお願いしたいのです」デルガが言う。

 

「ですが、導師。「ハルフォードの稲妻」は演奏が禁じられた曲になっていて、悪魔が生まれ出るという曲のはずです」道化師マリクが反対した。マリクはゴルゴダシティでは実質NO2だ。

 

 「かまわない。悪鬼どもが出現するだと、面白いではないか」

 「わかりました」

 

 道化師マリクは、陰でほくそ笑んでいた。

 

「それじゃ、キーワードはハルフォードの稲妻の第2楽章としよう。

それが弾かれ始めたらおもしろい事がおこるぞ。なあマリク」

 

 考え込んでいるマリクにデルガが声をかけた。

 「それでビブラフォーンブレイヤー狩りの方はどうだ」

 

「かなり集まってきています」

 

「そうか。それしゃ、もっとビブラフォーンコンテストの前人気をあおってくれ」

「わかりました。導師」

あいかわらず、マリクは笑っていた。ビブラフォーンコンテストの人気は、

このゴルゴダシティの大いなる娯楽だ。この娯楽は、市民の人気を

左右する。

 

「それから、マリク、ジェイをホテルの一番良い部屋にお泊めして、お世話をし

てくれ」

「わかりました」 マリクは従順だ。

 

「それでは。ジェイ、コンテストの日に又お会いしましょう。何かとご不便をおかけしますが、

、このマリクに言いつけて下さい」

 

「わかりましたデルガ導師」

ジェイは頭を下げ後ろに下がりながら答えた。

 

二人の会見は終った。

 

導師デルガは、この男ジェイはビブラフォーンの演奏日に死んで

しまうに渥いないと思った。

 

しかし、あの顔はどこかで見た記憶が払拭できない。

何の考えもなく、デルガは大数界の壁を見た。

 

そうか、くぞっ、わかった。

デルガは独り言ちた。

 

頭がくらくらとした。倒れそうになる。

 

そばのモーターが、かかえてくれなければ、倒れていたところだ。

 

何という事だ。そうか。そうだったのか。

 

デルガは冷汗を流し始めていた。そして罪の意識がおいてくる。

 

「私の世界も終るかちしれん」デルガは、再び独りごちた。

 

「何か、おっしゃいましたか」他の道化師が尋ねた。

「いや、何でもない。私を一人にしておいてくれ」

 

デルガは、その日から、コンテストの日まで個室にこもり続けた。

一方、マリクは、ジェイをホテル個室に案内してから、アリソンを呼んだ。

 

 アリソンはマリクの命令を受けて、モーターの動きを統禦してい

る男に会いに行く。

 

「もうすぐ、ここは私の世界になる」マリクもまた独りごちた。

ジュイの左手が、本当の神の手ならば。

 

 

(続く)20200417改訂

1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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