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私の中の彼へー青き騎士 第14回

2017年09月29日 | 私の中の彼へー青き騎士ー

私の中の彼へー青き騎士 第14回 https://ncode.syosetu.com/n5222dc/
青き騎士(1992年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
Manga Agency山田企画事務所
★漫画通信教育「マンガ家になる塾」★★you tube★

第14回
●シーン11
「これは」
零が言う。
「さあ、沙織、この球体の中に入るのだ」
「この物体は、いったい」
「地球意志だ」零が答える。
「この球体に入れば」
「君は、世界の救世主となれる」
「何ですって」
「君は、そういう運命を、背負っているんだ。沙織」
「誰が、そんなことを、きめたの」
「わからん、地球意志に聞け」
「でも、あなたがたは」
「俺か、俺は、、沙織が、この地球意志に入るのをみとどける」
翔が、零のモニターから叫ふ。
「翔、お願いよ、私は、あなたがいなければ生きてはいけないー」
翔は一瞬ひるむ。
「だめだ。君だけでも逃げてくれ。俺の命はもう長くはない。
2人が倒れるよりも、君が生き残り、君が人類をすくうのだ」
そして、涙をながしながら叫んだ。
「それ、が君の宿命なんだ。それが君の役割だ」
翔は青ざめ、声はかぼそくなる。
 遠くからでも、翔の服がゆっくりと、確実に黒く湿っていくのがかわ
った。
血かしたたりおち、服を彩っているのだ。
「沙繊、急げ、やつらが迫いかけてくる。俺の体力も長くはもたん」
眼に、アイスの追跡機が飛来してくるのが映っていた。
「零、沙織をを投げ込め」
「いやー、翔ー」
投げ出されるのと、翔と零にアイスの攻撃が集中するのが同時だった。

私は、空間を泳いでいた。2人は熱気と光の中に見えなくなった。

 私は体ごと、そのわからぬ液体の大きな球体につっこんでいた。
それは、変な色をしていてゼリーの様った。
その流れの中に身をまかせた。その中は熱くもなく、冷たくもなかった

その中は、私の体温と同じ温度だった。
私は理解していた。

地球生命も、生命体だった。ある一つの強い意思の波が、私の体の中に
入ってくる。

「やっと帰ってきたね、沙織」
それはなれなれしく、私の心のなかに直接しゃべりかける。
「帰ってきたですって」
「そうだよ。君は仲間なんだ」
「あなたは、アイスブレッドなの」
「いやそうではない。アイスブレッドはいわば人類の変種だ。そうだね
、君に理解しやすい言葉でいえぱ、我々は地球の霊だ。それも、地球創成以来の生命体の記憶の集合体だ。それゆえ、この地球に滅んでほしくない。つまり、我々は地球の全体の意志なのだ」
「その地球意志とやらが、私に何をさせようというわけ」
「君にこの地球を教ってほしい」

「笑わさないでよ。私は何物なの。私の手は多くの人々の血で汚れてい
る。つい、さっきも一入の人を殺してしまったわ。助けられなかった。私が
はじめて愛した人を。その私がこの地球を救うですって。お笑いぐさよ」

「しかし、沙織。それが君の使命なのだ」
「使命!ですって、それじやあ、私はそのために」
「そうだ、君の使命は、全人類も救い我々も教うという事だ」

「それほど、私が大切な人間なら、なぜ、今まで手助けをしてくれなかったたの、なぜ、私が、ニューオーハンであるときに、助けてくれなかつたの。なぜ、ローズバットであるときに私を救済しでくれなかったの。私が、それはそれほどの重要人物ならば、今までに助けてほしいときが幾度もあったわ、なぜなぜなの。この数分前にすら、私は最愛の人をなくしたわ。あなたの力をもってすれば、助けるのは簡単だったはずよ」
私はわめいていた。

「沙織よ、我々は手助けするこどはかなわぬ、なぜなら,私は実体を持
っていない、人々の悲しみを感じ、同じように悲しみ、嘆く事はてきるが、、」
「それだけなのだ」

「ただ、それだけ。地球が人々がどんなに苦しんでいるのに同じように
悲しむ、ただそれだけ」
「そうだ、君の出現。さらに、この我々の元にもどつてくることを、ど
れほど、待ちちのぞんでいたか。運命というものには、さからえない
。お前が、我々のもとにくるためには、君の幾度とない悲しみ・苦しみ
を必要としたのだ」
「それじゃ、私は人類を代表して、代リに苦しめと」
「大切な役割を果たしてもらいたい。いいか。アイスの本拠地・基地「アイスパレス」に行け」
地球意志は続ける。

「沙織、君しか、アイスパレスにはいれないのだ」
「なぜ、私が」
「それは、君がアイスの「娘」だからだ」

この言葉は、まさに晴天の霹靂。一体、何を言い出すのだ.
「なぜよ、なぜ私が娘なの。私はニュー・オーハンの一人にすぎないわ。
それを言うなら、アイズブレッドを注入された皆が、アイスの子供になるわ」
「違う、それなら、君はなぜ、ローズ・サークルのチーフになれた。地球連邦政府もわかっていたのだ。君がアイスの真の分身だとな。だから、君をおよがせておいた。逆に、君は、アイスのために、連邦政府を瓦解せしめた、君の情報収集力を持ってしてな」
私の心に疑惑が生じた。
今の話は記憶にはない。
私が何の情報を漏らしたというのだ。

「まって。それならぱ、私が、、地球連邦を滅ぼしたというわけ」
「そういうことだ、君は信じたくないだろうが。本当のことがわかる方法がひとつある」
「それは」

新たな地獄の予感がした。
私は最愛の人、翔を失ったばかりだというのに。その予感は現実のものとなる。
「君が、再び、アイスパレスヘ行き、アイスに尋ねることだ」
「もし、違えば」
私の心臓は、、まさに、凍りつこうとしていた。
「それならば、君がアイスを倒せば良い。ニューオーハンのうらみ。君の「青き騎士」、翔のうらみを、はらすためにな」
私はあまりの事に黙った。
「お前に、を勇者の血さずけよう」

地球意志が続けた.
「勇者の血ですって」
 翔の姿が、目の前に現れる。
その体は、アイスの攻撃を受けズタズタだ。
「翔、向んて姿に」
私は血の涙を流していた。
「彼は、もう死んでいる。この翔の血を、お前にさずけてやろう。君の
休細胞のどこかで、この翔を、いつも近くに感じる事ができるようにな」
 翔の姿が、白い光に包まれ、その光が広がり、私の体をとりまいた.

鋭い痛みが、私の全身を貫く。
「一体全休、これは」
「君の体に、翔の細胞を移植したのだ。さて、私が、君をアイスの元まで連れてゆく」
「えつ、どうやって」
「君がアイスブレッドであることが役立つ」
「どういう事」
「君が冷温生物だという事だ」
「まさか私を」
「そういう事だ.君をトラップドアの中に投げ入れる」
「やめて」
いやがる私を、地球意志は、その力を使い、再び、アイスの本拠地・基
地に瞬時移動可能なトラップドアにつめこんだ、
私は意識をうしなっていた.

(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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