ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

「琉球諸島で考える『日本』という国」 第3回―空間を考える(20220426)

2022年05月07日 | 他紙執筆原稿

◎「いち」375号に寄稿したものを転載。写真1枚をこちらで3枚を追加。以下転載。

 

 私が本稿を「連載」と決めたのは、琉球諸島の空間(場所のつながり)を理解頂かないと分かっていただきようがないと考えたからだ。

(1)この国が「島嶼部」(南西諸島)と言い出した。
①皆さんは、「沖縄」といえば「沖縄島」だと思っていませんか。沖縄島に行ったことがある人は多いだろうが、与那国島まで行ったことがある人はごく希でしょう。日本国「最西端」の島だと知っていれば、博識がある。ダイビングをやる人は、石垣島や西表島(いりおもてじま)に行ったことがあるだろう。サトウキビの援農で、宮古島や与那国島に行ったことがある人もいるだろう。
②私は、1989年5月から沖縄島に通い始めた。1996年12月のSACO合意で普天間基地返還を米日政府が歌いあげた。だがしかし、「代替施設」(辺野古・大浦湾へ)を完成させてからだと米国に釘をさされ、26年も経過した。彼等は詐欺師なのか。2010年末、日本国防衛省は「防衛計画大綱」で「島嶼部について」を打ち出した。「島嶼部」とか「南西諸島」と言いだした。沖縄県内の島々は、363島とのデータもあるが、有人島は49個。
 島々は、そこに存在している限り(無人島を含む)、見えれば、カウント・識別できる。ただし、国―「領土・領海」という政治が顔をだすと、ややこしくなる。島々も国々の歴史的な争いを受け、変節してきている。海域は海軍水路部が、陸域は陸軍陸地測量部が認証し、国土化した歴史があり、「尖閣諸島」など単純に判別できない。
③「南西諸島」という言い方は、鹿児島県以南から与那国島までのほぼ東西にくくられた島々だ。日本国が東京中心主義で命名したことは否めまい。中央集権に抗しなければ、沖縄の未来はない。住民が琉球アイデンティテイを掲げ、自治的に「琉球諸島」と規定していくしかないだろう。
④但し、首里城は琉球王国の城(ぐすく)であり、宮古島や八重山は琉球王国に併合されてきたのであり、各島から見れば様々だ。それでも琉球アイデンティティなくして、この国からの恫喝を跳ね返せまい。冒頭から難しい領域に踏み込んでしまった。ヤマトンチュである私がとやかく言える問題ではなかろうが、考え、議論していきたい。

(Ⅱ)琉球諸島と日本国の空間をつかもう
①琉球諸島の西端が与那国島だ。かく言う私も北は稚内から南西に与那国島までの図を目にすることは殆どなかった。学校の地理でも、島が切れ切れの図だった。当時(1972年以前)の沖縄は異国であり、そんな取り扱いだったのだろう。那覇から与那国島まで約520km、与那国島から台湾まで約100km。与那国島から九州最南端の佐多岬まで約1100km、佐多岬から東京まで約1000km、東京から稚内まで約1000km。ラインで測れば「日本」の3分の1を「島嶼部」が占めるのだ。細かいことは、各自で日本地図、世界地図、地球儀をみていただきたい。
②日清戦争の時代、廣島に大本営(天皇直々の指揮所)が置かれていた。だと私が知ったのは、1990年に初めて広島に行った時だった。日清戦争(1894―95年)に出撃した海軍基地は広島市宇品にあったからだ。そこから瀬戸内海を通り関門海峡を超え、朝鮮半島沖に向かった。当時はミサイルなどの飛び道具が未発達な時代だから、海外侵略のルートはある意味単純だった。(続く) 

2021年7月4日12:06 

広島からの帰路、ふと外を見たら、馬毛島(鹿児島県)が見えた。種子島から北西に約12kmにある島だ。今は無人島であり、防衛省が米軍空母の艦載機(岩国基地)の離発着訓練をここでやろうとしている。同時に自衛隊基地の訓練場が種子島の島民の反対を押しつぶしながら造られようとしている。

このまま西側を飛んでいけば、伊江島上空を通過する。よし!

 

予想通り伊江島が見えてきた。12:45

鮮明に見える。高度が下がったからだ。窓に付いていた水滴が消えた。右上が水納(みんな)島、左が瀬底島、左上が本部半島。12:46

伊江島に注目。12:47 伊江島に(上)3本の滑走路がある。真ん中が県営。2本が米軍だ。

その下に短い滑走路ができている。F-35B戦闘機(岩国基地)の滑走路。同機は着陸を垂直に行える。そして左下の四角のポイントがオスプレイの着陸帯だ。今は訓練場という触れ込みだが、対中攻撃の1ポイントとなりかねないのだ。馬毛島から伊江島は約550km。民間機は約40分で飛んでいるのだ。

 



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