私は「陸自祭」があると知って、行ってみた。私はこれまで各地の駐屯地・基地祭に行っている。しかし「陸自祭」と銘打つものを知りませんでした。かれらにとっては「陸自祭」こそが我が命なのだろうか。すこぶる不思議。沖縄に自衛隊が発足したのは、1972年5月15日以降だから、「陸自祭」を名乗れる年限も相対短かった。この銘々に、そんな執念が宿っているのだろうか?!
私は那覇バスターミナルから歩いた。旭橋を渡り、右手に那覇軍港を見ながら、左に上がる(わかりずらいルート)。
ここ。第15旅団創隊14周年、那覇駐屯地創立52周年。11:16
このゲートをくぐる。警衛隊らしき男女が皆、小銃をもって、警備に当たっている。やけに多い。
まっすぐ入ると、所持品検査だ。
奥にトックリキワタが咲いている。軽装甲機動車との1シーン。11:22
さすがのトックリキワタも、これと並べられたら色気が落ちる。
失礼な奴(私)でした。
展示車両(右)と。出てきた2分の1トントラック。団旗を掲げている。11:23
もしや、今から観閲行進か。宮古警備隊の車両だ。
展示されている120ミリ迫撃砲。第51普通科(歩兵)連隊に迫撃砲中隊がある。11:23
次々に出てきた石垣警備隊の車両。11:24
私が撮影の心の準備できていないところに来るから、焦った。石垣だけで計四両。
1948,1991,1988,1994のナンバーの車両。
ラストの石垣警備隊車両。11:24
今日は、那覇駐屯地祭ではなく、15旅団のお祭だからだ。15旅団が「陸上自衛隊」を背負っている?
宮古・石垣だが、与那国警備隊はきていない。何故? こなくていいのだが…。
展示車両がある。
中距離多目的弾道弾を搭載した車両。11:25
第15偵察隊のブツだ。偵察隊は斥候(部隊展開の状況把握)の役割もするはずだが、初戦の戦いを切り開く任務もあるようだ。
次は、96式装輪装甲車。12,7ミリ重機関銃を搭載。11:26
第42即応機動連隊の奴だ。熊本(第8師団)からお出ましだ。ここは第15旅団のはずだが、箔をつけたいのか。否、共同での作戦を担うことが折り込み積みだからだろう。
私が屈んで撮ったのは、上部ハッチにお子さんが顔を出していたから。彼が入らないように配慮した。
なお、装甲車というのは戦車にあらず。装甲板によって兵隊を守るものであり、兵隊の輸送車。誤解している人が多いので一言。
災害派遣のセット。削岩機などの工作具やいろいろあった。11:30
こちらも誤解なきように、施設科などの装備一式を災害派遣に転用してきた。もっとも災害派遣が多発しているし、救援だから市民の受けもよく、自衛隊は「災害派遣」を宣伝材料として使っている。彼等の本旨は戦闘部隊。
先を急ぐ。
観閲行進を撮ろう。あっちだ、あっちだ。
辛くも間に合った。第7地対艦ミサイル連隊(司令部:沖縄島勝連分屯地)の12式地対艦ミサイル発射機だ。11:32
これは現在、有効飛距離150kmほどだが、長距離化の研究・実用化が進められている。
こちらは航空自衛隊のパトリオットミサイルの発射機だ。弾道弾ミサイル迎撃の主力装備だ。11:32
米国海兵隊の第3海兵旅団のJLTV=軽統合戦術車両。11:33
在沖米軍海兵隊が、第15旅団観閲式にでてくるのだ! 「米日共同軍」化が進んでいるということだ。
自衛隊の「自衛」が大いに揺らいでいるのが現実だ。
第15音楽隊。行進曲「ラデッキー」をやっていた。11:33
音楽隊は直接武器をとらないが、演奏で、士気を高め、武力行使を激励するものだ。軍楽隊。
海兵隊のトラック。11:33
これも海兵隊の大型車両。? 11:33
観閲行進は終わり、航空機が飛び始めた。ここは那覇軍民共用空港のお隣だ。
陸上自衛隊LR-2(連絡偵察機:2+8人)。南から入って北に抜けた。11:33
第15ヘリコプター隊のCH-47JA大型ヘリ。3人+55人。航続距離約1000km。11:34
南から北へ。
11:34 もう1周。
だんだん晴れ間が出てきた。11:35
わざわざ露出プラス補正を抑えている。
UH-60JA(2人+12人)航続距離約470km。第15ヘリコプター隊。
ゆっくりと機首を下げ、突っ込む。機動性を誇示。11:36
こういう撮影は、私にお任せあれ。
空が静かになる。
観閲行進の閉めに入る。第15旅団付隊の三両。11:38
「国旗退場」。11:40
軍隊らしいセレモニーだ。「国旗入場」「国旗に敬礼」をやったはずだ。
観閲部隊が退場していく。ここからみたら、木の陰になっていたが、第15旅団の指揮団が行進部隊を観閲していた。上下関係が刻印されている儀式。11:41
私が遅く来たので誰が観閲していたのかわからぬが、旅団長だろう。
報道では彼の挨拶で、15旅団を15師団(格上げ・増強)に、2025年に行うと言明したようだ。1個普通科連隊を2個普通科連隊に増強する。ただし関連して他の部隊(偵察隊や情報隊など)も拡大するだろう。15旅団約2500名を、15師団3000名にすると言うが、もっと増えるだろう。
それにしても、旅団は4000名から6000名、師団は8000名から9000名と言われているのに、この数は概算にしても、大きくずれている。形式と実質の大いなるずれ。琉球諸島の面積と北海道の面積は比較しようもないのに、旅団だ、師団だというほうが、無意味。琉球諸島を戦場にする部隊配置なのだから、私たちの暮らしはどうなる、命は再び脅かされる。冗談じゃない。問題はこちらにある。
行進の会場を素早く離脱した私。
路上脇に小さな通信棟。立ち入り禁止になっている。11:43
否、一般的な自衛隊のおまつりの際、立ち入り禁止区域はもっと広いのに、ここは開放的だ。不思議に思う。
構内にレーダーが回っている。ヘリコプターの離発着支援施設か。11:44
左折のところで、軽装甲機動車が回っていく。11:45
通過した軽装甲機動車を押さえる。排気筒の上に「警衛隊」とあり、ゲート等の防護部隊だ。巡回警備中だ。11:46
第15偵察隊が観閲式会場から下りてきた。何の車両だろ。11:48
観閲式会場から出てきた車両など。11:49
右奥の白い建物は那覇空港。
兵舎を見上げると、第15偵察隊の車両が並んでいる。11:52
第15特殊武器防護隊の洗浄車。11:53
特殊武器防護隊とは、NBC兵器対応部隊だ。N=核、B=生物兵器、C=化学兵器による攻撃を軽減するために置かれている。
その洗浄水を子どもの「水鉄砲」にする遊びに、私は笑うことはできない。11:56
この放水中の水はただの水だが、本番はNBC兵器の洗浄です。ブツによって「浄化」する液剤を換えて高圧放水する。そのとき、いかなるる戦場になっているのか?!
「戦場」と書いたが、この戦場は多分に市街地です。琉球の市街地ですよ。
子どもに放水銃をもたせている自衛隊。このように、人々の恐怖感を減殺するマジカルな遊び道具になっている。
正面に第15旅団司令部がある。11:58
第1ゲートに戻ってきた私。12:00
12:01 ゲート前に立つ女性自衛隊員。小銃を持って、警備中。「警衛」任務。
左にある赤い装置は、いざというときの車両乗り入れ禁止の装置。ご用心。
最後に振り向きながらの撮影。12:05
本日はお世話になりました。私の質問に4名から回答を得ることができました。
自衛官にも私は命を大切にしていただきたい。所詮、国家など命を捧げるようなものじゃないですよ。