これは、以前に投降したスノーシューの記録だが、季節になったので少し手を加えて再投稿した。
鬼怒川と塩原の間に高原山がある。その一番西のピークが鶏頂山で、古い火山で裾野が広がっていいるのでスキー場が2つある。
北からハンターマウンテンとエーデルワイススキーリゾートの2つだが、その南側に今は廃業してしまったスキー場がある。このあたりの森がスノーシューには好適だと思う。
日塩もみじラインのエーデルワイススキー場に着くすこし手前に赤い鳥居がたっている。そこが鶏頂山の登山口だ。
日塩もみじラインはスキー場があるおかげで除雪は完璧だが、道の両側は雪の壁になってしまうので駐車するスペースがない。
そこで、鳥居より300mほど手前にある鶏頂開拓地との分岐点を利用して駐車した。この赤鳥居よりもう少しスキー場よりに大鳥居があり、その下に除雪して駐車スペースが作られている場合もあるようだ。もちろんスキー場を利用することもできる。
この日は雪の壁は70cmほどだったので苦労せずに上に登ることができた。歩き始めは緩やかな傾斜の森だ。ウサギの足跡があちこちに見えている。
少し登ると登山道に並行して廃業したスキーコースがあらわれた。そちらのほうが歩きやすいし、見通しもよいのでコースの中を登って行った。
雪の森を歩く楽しみは、足跡によってそこに暮らす生き物の生活を感じ取れることだ。この二つのウサギの足跡は、別のウサギだろうか同じウサギだろうか。
木々の向こうに鉄塔が見える。1374mの三角点付近にある通信鉄塔らしい。そのあたりではるかかなたに富士山がみえた。写真に撮ってみたが、かなりぼんやりとしか写っていない。
途中にこんな雪のかたまりもあった。2月中旬のもっとも積雪の多い時期だからだろう。
やがて旧スキー場の最高点に到達した。リフトの鉄塔などは撤去されたのだろうが、コース案内の看板などが残っていた。
ここからも先ほどの鉄塔と女峰山などが見える。ここからいよいよスキーコースをはなれ、森の中へとすすんでいく。
登山道をつかったので歩きやすい。道はすぐに下り勾配になり、大沼との分岐の標識があった。大沼は塩原温泉のほうへと流れる赤川の源流の沼だ。あとで寄ってみることにしてそのまま登山道を前進した。
日が差して少し気温があがったのか、木の枝から雪がシャワーのように降り注いできた。風の谷のナウシカのシーンを思い出した。
突然開けたところに出た。登山地図に弁天沼と表示されているところだ。ただ、どこに沼があるのか一面の雪で見当がつかない。木の鳥居があり、石碑などがいくつか点在していた。ここの標高は1500mを越えているが、一時期人が住んだような気配を感じる。詳しく見るのはあとにしてさらに鶏頂山へとむかった。
傾斜がきつくなったが、なんとかスノーシューをつけたまま1650mの稜線に到達できた。稜線の反対側には高原山の最高点、釈迦が岳1795mが立派な姿を見せていた。しかし、そこから山頂へは狭い稜線に大量の積雪があるので滑落の危険がある。今回はここまでにして引き返した。
向かいに見えるのは高原山の一峰、釈迦が岳の雪の斜面だ。
ふたたび先ほどの弁天沼、石碑や鳥居のところに戻って、見て回った。
仏教や修験道を感じさせる石碑もあり、新しい石碑には「弁天池平家一門」の文字も読めた。平家の落人伝説にからむ土地のようだ。
もと来た道を引き返し、途中から大沼にむかった。大沼は背後に鶏頂山を控え、結氷の上は真っ白く雪をたくわえて静まり返っていた。
スキーコースに戻ってきた。風が強くなって地吹雪が舞っていたが、女峰山は行きの時よりもくっきりと姿を見せていた。あとは下るだけ。向かい風が少し冷たいが見通しの良い、そしてだれもいないスキーコースの跡をのんびりと歩いてくだった。
鶏頂山の山麓はスノーシューにはとてもよいエリアだと思う。アプローチの道は除雪が完璧で走りやすいし、スキー場跡があるのでコース取りが確認しやすい。さらに奥のほうに目標となる弁天沼や遺跡がある。途中にもエーデルワイススキー場の中になってしまうが、枯れ木沼というポイントもある。
スノーシューを借りるなら、新藤原駅近くの国道沿いにSRS KINUGAWAというレンタル屋で借りることができる。
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