吉田修一の小説の舞台化。
原作は読んでいないが、
かなりアレンジされているらしい。
シリアスとコメディは紙一重である。
あらためてそう思った。
もちろん、今回の芝居に「笑い」はない。
「笑い」を誘っているのかと思える箇所はいくつかあったが、
「笑い」が主目的ではない。
しかし、ちょっと観る角度を変えれば、
舞台で起きたすべてのことが「笑い」に転換しうる。
それにしても濃密は時間だった。
2時間、一度も時間を気にすることがなかった。
集中力に乏しい僕としては珍しいことだ。
それは物語の内容や演出だけではなく、
あの空間のせいもあったと思う。
100人程度の小さな劇場。
「ガジラ」の集客力を考えれば、
もっと大きな劇場で公演することも可能だったと思うが、
大きな劇場ではあの濃密さは生まれなかったのではないだろうか。
数日前、TwitterでKERAさんが、
「大きな劇場でやっている芝居の中には、
下北沢あたりの小さな劇場でやった方がもっと面白くなるものがある」
というような主旨のことを書いていたが、
その意味がわかった気がする。
劇場のサイズもまた作品の一部なのだ。