やまなみ

長野県の自死遺族による自助グループ

年に6回奇数月の土曜日に分かち合い

偶数月に「やまなみ通信」を発行

つながりが自死を防ぐ

2010年11月02日 | 田中幸子さんの講演
<田中幸子さんの講演から>


自殺予防って、ちょっとしたことだと思います。



私自身は、息子に対してとても傲慢だった、と思っています。

わが息子に限って、病気でもないのに、自ら命を絶つことなどありえない、

と思っていました。

死ぬという想像ができなかった。



人の命は、あっけなく行ってしまいます。

いろんなことを欲張らずに、

「生きていてさえくれれば」と思っていただければ、と思います。

それを少し広げてくれるだけでいいのです。


地獄のような苦しみを味わった私たち、遺族だからこそできる

優しい、人を思いやる心を持っていただいて、それを広げていただいたら。



以前は、「生きていてほしい」という言い方をしましたが、

今は、「助けるから、死ぬな」になりました。

ちょっとはったりが強いかもしれませんが。

誰も死なせたくない。

これ以上遺族を増やしてほしくないんです。



悲しみの連鎖が起きることがあります。

島根県で遺族の会をやっているKさんと言う方は、

100日のうちに家族を3人なくしました。

お婿さんがなくなり、娘さんがなくなり、ご主人がなくなりました。

最後のお父さんは、焼身で家を焼いてなくしたので、住むところがない。

そういう不幸が続くことだけは防ぎたい。


そのためには、「つながり」ではないでしょうか。

ゆるやかでいいのです。

遺族同士がゆるやかにつながれたら、防げる死がいくらでも

あるのではないでしょうか。


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