山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

南部町の林道を探索  令和3年1月16日

2021年01月19日 | シダの仲間
 地球温暖化の影響なのか、以前は見られなかった南方系のシダがいくつか山梨県の県南部で見られるようになってきた。ナチシダやオオバノアマクサシダがその例である。ではどのあたりまで入り込んでいるのだろうか?今回歩くのは南部町でもやや北側にある渓谷沿いの林道である。おそらくオオバノハチジョウシダやオオバノアマクサシダが見られるのではないかと思うのだがどうだろうか?


    林道に入る前に、渓谷の岩壁に垂れ下がるアオネカズラを見に行ってみる。


    橋の上からだと距離が遠くていまいち迫力が出ない。かといって渓谷に下りると良い角度からの撮影場所が無い。


    さて、ここからは通行止めなので、手前に車を止めて歩く。


    普通に走れそうな林道がある。途中では材木の伐採作業が行われていた。


    振り返って見る篠井山


    岩壁にはそれなりにシダが付いている。


    光沢のあるイノデだが・・・何イノデ?


    鱗片は少しケバケバしい。


    トリーミングして見てみると鱗片の辺縁に小さな突起がたくさん付いている。これはイノデモドキだろう。この林道にはイノデとこのイノデモドキがたくさんある。


    これはハカタシダか?痛んでいて不明。


    数は少なかったがコバノイシカグマ。これは南方系のシダ。


    無性芽は付いていないがこれはイヌチャセンシダ。


    裏側のソーラスと軸の3枚目の翼。


    岩壁に生えていたクリハラン。これしか見当たらず。


    クリハランのソーラス


    ヒカゲノカズラ


    だいぶ歩いてやっと渓谷に合流。


    既に水量は少ない。


    凍り付く滝


    岩や木に苔が生えた渓谷。これならば着生ランが付いているのでは?


    双眼鏡で木々の幹や枝を覗き込む。


    もっとたくさんあるだろうが、見つかったのはこのカヤラン1株だけだった。


    林道のほぼ終点。この先は道が壊れている。

 林道はまだ先まで続いているが最後の広場から先は崩落していたり倒木があったりで車が走れるような道にはなっていなかった。この林道を強引に進めば稜線の登山道まで行けるのだろうが?行けるところまで行ってみよう。


    崩落地。斜面の保護フェンスが残っていたのでそれにつかまって越える。


    倒木。その先の道は少しまともである。


    稜線直下の広場まで出た。道が分かれている。


    この尾根伝いに付いた林道を行けば峠に抜け出るだろうと思ったのだが・・・GPSで見ると方向が違う。


    案の定、この先で林道は終わっていた。


    林道の切れ間から見上げるこの山はおそらく高ドッキョ。


    林道の先の尾根には道らしきものがあった。しかし嫌な予感がしなくもない。


    境界見出し標が打ってはあるが、道は消失して枯れた竹藪の急斜面に突入。かき分けながら下りる。


    下に林道が見えてきたが、まだ気を抜けない急斜面が続く。

 道は無かったがなんとか林道まで降り立つことが出来た。予定では遠回りして登山道から峠を経由して下山するはずだったがだいぶコースを外れてしまった。おかげで予定時間よりも早く車を止めた林道ゲートまで戻って来た。こちらの林道にもあるのではないかと思っていたオオバノハチジョウシダやオオバノアマクサシダ、ナチシダなどの姿は見かけられなかった。山をひとつ隔てた反対側ではだいぶ植生が違うようである。環境的におそらく春にはコミヤマスミレが咲くのではないだろうか?季節を変えてまた訪れてみたいと思う。次は道を間違えないように、出来れば山の上まで行ってみたい。


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