山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

乙女高原とその周辺を散策  令和2年10月3日

2020年10月07日 | シダの仲間
 昨年秋に見つけたサトメシダらしきシダがどうなっているか見ておきたいことと、今年の春先に見つかったフジシダの群落がその後どうなっているのかも見ておきたい。最近興味を持って見ているトリカブトも見ておきたい。主に車で移動して乙女高原界隈を巡り歩いてみる。


    谷地坊主と呼ばれているスゲの仲間。山梨市の天然記念物に指定されている。


    トリカブト、だが、これは何トリカブト?


    葉はほぼ全裂してさらに細かく裂けるがあまり細く無い。


    花柄に生えている毛は直毛のように見えるが少し曲がっているようにも見える。


    立ち上がってこのように花を密に咲かせると分かりやすい。これはツクバトリカブトであろう。


    花のアップ。花柄には屈毛が生えているはずだが・・・直毛のように見える。

 この辺りに生えているのはツクバトリカブト、オクトリカブト、ヤマトリカブトのいずれかになるのだろうと思うのだが、まだ全く判別できるようなレベルに至っていない。


    まだ決着が着いていない問題のシダがこれであるが、もう枯れ始めている。


    7月の青々としたものを見た時は図鑑で最も近そうに見えたのはサトメシダだったが、思ったほど大きくなっていない。


    そしてサトメシダにしては裂片辺縁の切れ込みが深い。


    ソーラスの形も半月型をしておらず、サトメシダでは無いように見える。


    林の中を散策してみるとたくさん生えていることが分かった。


    正三角形に近いこの形、そして細かく切れ込む裂片、八ケ岳観音平で見てきたカラフトミヤマシダにそっくりである。

 翌日シダの師匠を連れてこのシダを確認してもらったところ、これはカラフトミヤマシダであるということで決着がついた。山梨県が南限になるであろうこのカラフトミヤマシダは他県では絶滅危惧種の指定を受けているところが多く、山梨県でも次のレッドデータブック書き換え時には絶滅危惧種に入って来る可能性がある貴重なシダである。鹿の食害を受けている場所が多く、個体数が多くて食害を受けていないこの場所は貴重な自生地ということになる。

 次にフジシダを見に行く。春に見つけた時は時間の都合で途中まで登って撤退している。今回はいちばん上のほうまで行ってみる。


    オシダの群落


    現れたフジシダ。春に見た時よりも青々としていて元気が良い。


    フジシダの無性芽


    上に登って行くとたくさん茂っていた。


    見渡す限りのフジシダ


    これでもかというくらいに。まさにフジシダのジャングル。


    凄い!

 山梨県では現在4~5ヶ所の生育地があるらしいのだが、新たに見つかったこの場所が最大の群生地であろう。おそらく国内でもこれほどの群生は珍しいのではないかと思う。


    ツルリンドウはいつも見ている場所では見つからず。


    偶然出会った山岳レインジャーの仲間が探してくれた。


    年々減っているような気がして心配である。

 もう1ヶ所立ち寄りたかったが出発時間が遅かったので時間切れとなってしまった。この乙女高原界隈は保護柵を設置した場所だけでなく周辺の山や谷にまだ見つかっていない珍しい植物や群落がたくさん眠っているのではないかと思う。GPS片手に道無き谷や尾根を探索に歩いてみたいと思っている。


    霞んでいたが富士山が姿を見せてくれた。

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