今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

タイムマシン部2が終了…

2012年12月22日 | 作品・作家評

数あるPodキャスト番組の中で、私が最も愛聴している白井良氏の「タイムマシン2」が
突如終了することを番組で知った。
同じくらい愛聴していた江幡女史の「ひと見坂」がすでに停止中(再会未定)なので、
これからの私はいったい何を楽しみにiPodを持ち歩けばいいのか。

実はこのDJ両人、双方の番組のADを担当している笠原氏とともに、
演劇専門学校の元同期生で、現在およそ28歳。
私は、この三人が一緒にやっていた「四畳半スクリーマー」からのファンだった。

「タイムマシン部2」は、主に身辺雑話的な内容なのだが、
人見知りで定職なしのDJ自身の自虐ネタが、面白おかしく語られる。
といっても演劇畑らしい濃い語り口に抵抗感を覚える人もいて、
万人受けするものではないが、私のようにハマる人には
とことんハマる(たぶん私が愛聴者の最年長かも)。

いわゆる街の小劇場の役者稼業の人たちって、
その”稼業”だけでは食べていけないので、
バイトをして食いつないでいるわけで、
しかも明るい未来が約束されている確率も決して高くはない。

笠原氏と江幡氏は、それでも役者を続けているが、
白井氏は、とうの昔に足を洗ってしまったようで、
近ごろはバンド活動をしていたが、最近それも解散。
プロのラジオDJとしての道を目指したようだが、採用されなかった
(以上の情報は番組から)。

28歳(アラサー)という齢(よわい)は、
自分の生き方の方向を検討し直す時期として、けっして早くはない…。

彼らを含めて、半シロウトがやっているPodキャスト番組には面白いものがたくさんある。
だが、それらにはスポンサーがつかず、本業やバイトの空き時間を探しての
自腹を切っての”自己表現”。
時間とエネルギーを費やした無料配信の番組であり、入場料もCD収入もない。

こうしてファンもついて、社会的な存在感は確保しているが、
それが彼らの”本業”に相乗効果を与えてくれているわけでもない。

私の両親も20代は演劇人だった。
白井氏の番組で「スタニスラフスキー」という言葉を聞いた時、
演出担当だった父がその理論を乗り越えようとしていた話を思い出した。
両親は結婚後は演劇をやめ、定職についた。

彼らの”今”のファンとしては、ぜひとも放送再開を待ち望んでいるが、
彼らの人生の決断にも、応援の気持ちを持ちたい。

私なりに彼らの現在の苦しみ・迷いは理解できるつもり。
なにしろ、34歳まで定職につけなかった自分だから。