私が担当している防災の実習授業では、学生に自宅の防災上の弱点をあえて探らせる。
たいてい人は、ハザードマップなどを見ても、自宅の”安全”性(防災上の強み)の方に注目して、安心したがる。
それによって、防災の手を弛めてしまう(面倒な防災の手を弛めたいから、安心したがる?)。
ところが災害も犯罪も、家の弱点をこそ狙ってくる。
たとえ9割頑丈でも、残りの1割に弱みがあれば、その部分に、水も火も泥棒も集中してくるのだ。
たとえば洪水は堤防の弱い(低い)部分から侵入して周囲の堤防を次々に破壊していく。
悲しいことに京アニの放火殺人事件は、防犯上の一瞬の弱点を突かれ、防火上の弱点によって被害が広まった。
油断大敵、備えあれば憂い無し。
悲しい事例を「他山の石」としよう。