神奈川県相模原市の道志川沿いのキャンプ場※で、16日未明にテントで寝ていた夫婦の上に木が倒れてきて、その下敷きで妻が圧死、夫が肋骨を骨折という惨事が発生した。
※;行方不明少女の骨が発見された道志川のキャンプ場は、もっと上流の山梨県側。
昨今のキャンプ愛好者だけでなく、私のような山でのテント泊経験者にとっても、心胆寒からしめる出来事だ。
すなわち、当時は強風でもなく、明らかな油断・不注意とはいえず、むしろ誰でも犠牲者になる可能性があったから。
根本から倒れた木は”根腐れ”していたという。
その木の映像を見ると、枝のほとんどが枯れており(一部にのみ葉がついている)、木自体は死んでいるといえる(人間でも、本体が死んでも真皮細胞は生きていてヒゲが伸びたりする)。
ただし、太い幹は枯れ木の様相を示しておらず(水分を保っていて苔などが付着)、施設側では毎日確認していて、問題視していなかったという。
すなわち、目視では倒木の可能性がわからなかったわけだ。
なので、木の隣でテントを張った夫婦も、目立つ木なので目視でそれとなくチェックしたはずだが、危険性を感じなかったと思う。
ということは、目視では不充分ということだ。
枯れた大木は内部が空洞になっているように、大木は内部から腐っていく(樹皮部分は最後まで平常を残す)。
テントを張る時、周囲の木で倒れたらヤバそうな木については、目視ではなく、実際に(誰もいない方向に)幹に力を入れてみて、安全性を力学的に確認するしかない。
ほとんどの人はこれをやってこなかっただろうが、この事故を受けて、これからは実施した方がいい。
そういえば、街の街路樹は、”倒木の危険があるため前もって撤去する”、という措置が行政によって実施されている。
すなわち倒れて被害を出す前に、目視以上のチェックをして、予防措置を講じているのだ。
自然の天然木に関しては、そのような管理責任者はいないので、その木に関わる人が目視以上の確認をするしかない。
そういうことを肝に銘じさせられる事故だった。