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図を見てください、人間の思考は母国語、わたしたちは
日本語ですすめています。あらゆるアイデア、モノを理解していくプロセスに
言葉が介在します。
例外的にはスポーツや音楽は言葉と言うよりは身体で、五感で体得していきます。
しかし、体得した感じは後になって、言葉である程度説明も出来ます。
良い指導者というのは、自分で確実に実演も出来ますし、またそれを実現するための
プロセスも示すことも出来ますし、言葉でもってそれを伝えることができます。
熟練した先生というのは、教えている生徒が、どこで躓いているか分析して
言葉や図解や実演を交えて、それを優しく手ほどきすることができます。
ものが理解できる、あるいは数学でもわかったという内容について言葉で
説明が出来なければ、おそらくそれは本当にわかったとは言わないでしょう。
単なる手順を覚えて、そのとおりにやったら、たまたまできたというのは
それは理解したとは言えないでしょう。
大多数の伸びない生徒というのは実は、このわなにはまっています。
(これを生徒に気づかせて、自分の頭で考えさせるようにするのが
私の仕事です、はい。)
それはともかく、
手順の意味合いを理解していれば、そのプロセスを頭の中だけで処理して
速やかに解答まで行き着くことができます。
数学においても、証明の論理性は言葉でもって進めいていきますよね。
だから、言葉というのは大切で、私が書いたこの図のように 言葉の力(国語力といっておきますが)
でもって数学も支配されているので、国語力の中に算数の力、論理性をいれました。
ところが生徒さんによってはこの外の◯の国語力が小さいままのひとがいます。
このような生徒さんに、作文を書いてもらうと、とんでもないスカスカした
わけのわからない作文を書いてくれます。
書いたものを読むと、まるで砂を噛むような無味乾燥な作文です。
言葉のセンスというものは微塵も感じられないし、ありきたりのことを
ただ並べているだけの作文です。
実は、向陽中に合格したD君は、うちの塾に入ったときはそのような作文を
書いてくれました。作文を読めば、こちらがノックアウトです。そんな作文です。
もちろん作文の力がない、国語力に不安があるというのは本人もうすうすわかっているようです。
もちろん私もそのことは、直接的にはいいません。最初はゆっくりとじっくりと
あることを進めていきます。
このあることというのは 実は 企業秘密です。YANO塾独自の方法です。
それは算数や理科に興味のある生徒に興味を持って国語力アップ、表現力アップを図れる
トレーニングです。これをすこしずつ、生徒さんにやってもらいながら図の中の大きな
円をふくらませていきます。
Dくんは国語力は全くセンスはありませんが、幸いにも算数は得意だったので、
さらにその力を伸ばしていきました。学校の算数は軽く解いてしまいますので
私学対応のハイレベル問題集でさらに算数の力に磨きをかけていきます。
これは図の中の二重円の中の円をどんどん膨らましていけば、おのずと
外の円も膨らんでいくという発想です。
脳の機能も実はそういうふうにできていて、何かが特別に特化していくと
他の能力も引っ張られて、苦手な分野もあるとき突然出来なかったものが
できるようになるものなのです。
Dくんはそのようにして、1年ばかりYANO塾でそのような指導を受けることで、
最初のびっくりするような幼稚な作文も、受験数週間前には
読むに耐える作文が書けるようになっていました。
そして、向陽中に合格しました。
逆に算数の弱い生徒にはまた塾でどのように対応するかという方法については
明日書きます。
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