実は受験勉強といっても、
その人の学力の程度で対応の仕方が大きく違ってきます。
だれもが同じ方法論で簡単に学力が上がればいいのですが、
実際はそうはいきません。 最近は個別指導がはやりですが、
指導者がしっかりしていないと、特に学力が低い人は
時間をかける割には伸びないのが実情です。
今日は学力が低い層の人(偏差値で言うと30~50)
がどのようにして成績を上げていけばいいのか少しお話をします。
学校での定期テストが平均前後しか取れない人は学校で平均は取れてるので、
親御さんでも安心している人がおりますが、これは大きな誤解です。平均点くらいとれている
中2,3年でしたら、平均点は 50~60点くらいです。でも学力的には
偏差値は 平均点の50はとれません。 おそらく40前後ですね。
40前後でいける高校といえば、東、西(北)、和工 くらいです。
実は平均点はマジックで、最近の全国的な傾向として 下位層の人達が増えてきています。この人達は
100点満点で 一桁から2,30点という点をとっているのですが、10年くらい前ではクラスで
3,4人だったのが、いまは36人クラスで7,8人いるそうです。
この人達がクラス平均を20点ほど下げてくれます。残念ながらこの層の人達はよほど奮起しないと
学校の勉強についていくのはむずかしく、また勉強に意欲を持っていない人が多いので、恒常的に
この点数をとっています。
ですから、平均点を基準にするのはやめたほうがいいと思います。
むしろ、塾で行なっている学力テストの得点が受験者が多いので、偏差値がきちんと出て
自分の客観的な学力をしることができます。偏差値が30後半とか40の人はまず
国語力が弱いお子さんが多いです。 漢字を書く力も足りません。語彙もないので
文章の読解ができませんので、それがあらゆる科目の文章を読んで理解することの
妨げになっています。
突破口をみつけよう
学力が低い層のお子さんでも何かしら得意な科目とまではいかなくても、好きな科目が
もし1科目でもあれば、そこから伸ばしてあげます。まず自信を持たせることが大切です。
よいところを褒める
子供たちは本来褒めてもらいたいのです。
褒められて成長できます。
大人でも、当然褒められればうれしいですよね。
子供は本来褒めて育てて欲しいと思っています。
でも、嘘で褒めるわけに行きませんから、
褒める材料、ここでは小さなことを仕掛けます。
今までできなかったことで、
ちょっとした目標をつくり、
それが達成出来れば
褒めて、さらに次の目標をたててあげる。
これが大切です。 山登りと同じで、
目標地点を目先に定めて、それをひとつひとつ
クリアーしていくことを繰り返していくと、
気がついたら何千メートルもの高い山が
登れている、そういう心境です。
指導者も根気が入りますが、
これは家庭でも実践できます。
たとえば、お手伝い 1週間に
1回風呂掃除 と決めたら
やりやすいですよね。
それが1ヶ月達成出来れば、褒めてあげる。
お小遣いを上げてもいいでしょう。
そうしたら、
1週間に2回の風呂掃除というように自分で決めさせながら
インセンティブも与えながら継続させていくのです。
勉強でもなんでも継続することが一番大切ですから、
継続することの喜びを教えてあげるのです。これは強制ではだめです。
全く効果が出ません。
自ら、これをすると約束させるのです。
達成できてほめられた時の顔は本当に晴れやかですから。
こちらも楽しくなります。
学力の話に戻しますが、
勉強でもそのような小さな目標をつくってあげる。
それには良い問題、良い課題 があります。
今現在眼の前の子供にとって何を
あたえればこの子は伸びるのか、
その点をよくわきまえて、
そういう課題をだすことが必要です。
またその課題ができなかった時に
どのようにできるようになるまで
指導していくのかも指導者に問われる技量ですね。
その点は、子どもと指導者との
信頼関係がしっかりしていれば、
子供はついてきてくれます。
まずは信頼関係を築くことが大切です。
親子なら信頼関係は充分あると思いますが、
子供の甘えもありますので、
なかなか親が子を指導するのは難しいところもありますが、
やってやれないことはないでしょう。
勉強を教える技量や持っているノウハウはやはり熟練した先生はちがいます。
先生にもよると思いますが、難しいことをやさしく説明できる能力が一番大切だと
思います。要は子供がいかにヤル気を出すかということでしょう。
子供たちと接していて、
子供がヤル気を出してくる瞬間をいままで何度も体験して、
このことが塾での指導の最も楽しい瞬間でもあります。
塾での指導が天職なんだなと、ありがたく思いながら子供たちと接しています。