循環器フィジカル・はじめに
循環器系疾患には重要な疾患が多い。
虚血性心疾患や心不全のように頻度が多いものも多い。
また、頻度は少ないものの、診断の遅れが致命的となる重篤な疾患もある。
大動脈解離、大動脈瘤切迫破裂、肺塞栓症、心タンポナーデ、など。
このような疾患の患者アウトカムを改善させるためには早期治療が必要であり、そのためには臨床現場の最前線に位置する総合系医師による早期診断が重要である。
循環器系疾患の早期診断のためには、病歴の詳細な聴取に加え、正確で適切な身体診察を行うことが望まれる。
今回からの新シリーズでは、循環器系の身体診察とそのピットフォールについてみていく。
症例をベースにして、重要な循環器系疾患の身体所見について解説する。
心不全、心原性ショック、大動脈解離、大動脈瘤切迫破裂、肺塞栓症、心タンポナーデ、心原性浮腫など。
身体診察のスキルには次にあげるようなものを取り上げる。
すなわち、バイタルサインの解釈とショックの鑑別診断、静脈圧の測定、脈の「対称性の破れ」、聴診器の使用法、心音(過剰心音)と心雑音の聴診(収縮期雑音と拡張期雑音のそれぞれの鑑別)、奇脈、脈拍欠損、Pit Recovery Time、などについて。
心不全診断に必須の、静脈圧測定、心拍動の触診、過剰心音の聴取、肺クラックル音聴取についてもみていく。
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