3. チーム医療の重要性と指導医・研修医関係
現代の病院診療体制の主流であるチーム医療は、医療の安全性と効率とを両立しうる有効な可能性を持つ。
医療内容をチームのメンバーで2重3重のチェックをすると、医療事故は減らせる。
どんなに注意しても、人間個人のミスをゼロにすることは不可能である。
しかしながら、仮に200回に1回医療ミスが生じるとしても、2人でチェック体制をとれば、医療ミスの頻度は単純な計算で40000回に1回に減少することになる。
チーム医療の利点の一つは、このリスク管理すなわち危機管理という側面もあり、患者中心の医療を実践することにつながる。
深刻な医療過誤が発生するのは、病院内の医療提供者同士の協力関係が欠除したり、医療チームの協調性が低下したりするときである。
これは医師の医学知識や、臨床技量の程度にかかわらず医療過誤が生じやすくなる。
指導医と研修医が感情的に乖離した状態がもっとも危険である。
安全に機能するチーム医療においては、リーダー格の指導医は絶対的命令者ではあってはならない。
チーム内の自由な議論の流れを保ち、個々の意見を拾い上げ、適切な判断を下す必要がある。
そしてまた指導医は、つねに研修医の臨床判断を適格に監査することに努める必要がある。
日本の高価値医療 High Value Care in Japan (ジェネラリスト教育コンソーシアム) | |
徳田安春 | |
株式会社尾島医学教育研究所 |
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