信州生坂村「山紫水明 食と文化癒しの郷!」

山清路、大城・京ヶ倉等の自然。赤地蔵、百体観音等の伝統。おやき、おにかけ等の食文化を持つ生坂村!

東筑摩郡村長会視察研修2日目

2019年11月26日 | 私の活動報告
 26日(火)は、朝から日差しが届いても昨日より風が冷たく感じられましたが、視察には良い天気の一日でした。
 視察研修2日目は、国土交通省 九州地方整備局 熊本復興事務所の道路の今村副所長さんと砂防の江口副所長さんに、熊本地震復旧工事状況等について説明していただきました。


 最初に、阿蘇大橋地区において、平成28年熊本地震による斜⾯崩壊で寸断された国道57号、JR 豊肥本線は、熊本都市圏と⼤分・宮崎を結ぶ、⽣活、経済、観光を⽀える重要交通ですので、早期復旧を⽬指し、国が⾼度な技術⼒をもって崩壊斜⾯対策に取り組んでいました。




 国土交通省は、平成28年5⽉5⽇に緊急復旧⼯事着⼿し、無人化施工により、崩壊地内進⼊路の整備、⼟留盛⼟⼯の整備をして、頭部不安定⼟砂の除去やガリー浸⾷部岩塊の除去など、斜⾯下部での有⼈施⼯地質調査・崩壊⼟砂の除去 ・恒久対策⼯事に向けた準備⼯事を実施したとのことでした。




 その後、崩壊斜⾯上部に残る崩壊⼟砂等を斜⾯下部へ除去し、順次斜⾯下⽅へ向けてネット⼯を実施して、斜面の恒久的な安定化対策の状況、侵食・風化を防ぎ植生回復を促すマットを張った植⽣マット⼯、落石等を防ぐ金属製のネットを張ったネット⼯、鉄筋挿入することにより表層の崩壊を抑えた鉄筋挿⼊⼯、不安定⼟塊の除去のアンカー⼯、⼟留盛⼟、鋼製⼟留⼯など、阿蘇大橋地区で用いられた高度な施工技術を説明していただきました。


 緊急復旧⼯事の着⼿当初は、余震や降⾬・霧、阿蘇地域特有の⿊ボク⼟により稼働率が約5割以下となる期間もありましたが、 i‐Constructionの取組みと施⼯の⼯夫によりその後の作業は順調に進捗しているとのことでした。

 次に、国道325号災害復旧の阿蘇大橋上下部工事について説明していただきました。落橋した阿蘇大橋を架け替えるにあたり,有識者等で架け替え位置の検討が行われ、国道57号の側斜面リスクの回避を図るために、元の位置から約 600m下流側に架け替えを行ったとのことでした。




 阿蘇大橋のある立野地区は阿蘇外輪山で唯一の切れ目となる地域であり,それによる強風の影響及び急斜面上での施工となることを考慮し,従来工法に比べ工期が短縮される,インクライン工法を採用したとのことでした。


 阿蘇大橋架け替え位置付近は両岸とも急峻な谷になっており,黒川右岸の柱状節理保護対策も兼ねて,竹割り型土留め工を採用し、橋脚の躯体施工にはクライミングシステム工法、超大型ワーゲンを用いた上部工片持ち式張出工を用いて工期が短縮に努めたとのことです。


 アプローチ部は連続鈑桁橋では床版工を,単純箱桁橋では上部工を施工中であり、渡河部は下部工と上部工の施工中であり、本工事は24時間体制で来年度の開通目標に向け,鋭意事業を推進していました。




 最後は、阿蘇大橋が崩落した黒川左岸側に行き、南阿蘇村が制作した「熊本地震伝承公式アプリ”つなぐ”」のアプリにより、阿蘇大橋付近の地震発生時の再現イメージを含む動画を視聴し、この動画はAR技術を活用しており、現地でのみ見ることができるとのことでした。





 最後にみんなで記念撮影をさせていただきました。国土交通省 九州地方整備局 熊本復興事務所の両副所長さん方には詳しく親切にご説明いただき感謝申し上げます。




 次に、阿蘇パノラマラインを走り、草千里ヶ浜で昼食と休憩した時に記念撮影をし、熊本空港に向かいながら、地震災害で崩落した斜面や地割れ、整備した堰堤、復旧した道路・住宅、応急仮設住宅、噴火している阿蘇山などについて視察をしました。










 今回の二日間の東筑摩郡村長会の視察研修は、九州北部の豪雨災害や熊本地震災害の被災状況、復旧工事等の内容がしっかり視察でき、朝倉市の真砂土や阿蘇の火山灰土の黒ボク土は滑りやすい地質ということが勉強になりました。しかし、柿の名産地朝倉市や阿蘇山により形成された火の国熊本は、豊かな自然を享受されていることは、災害にも見舞われやすいということを感じました。早期の復旧復興と防災・減災対策の充実強化を願う次第であります。




今回も有意義な視察研修となり、国土交通省 九州地方整備局、熊本城総合事務所の関係の皆さんに感謝を申し上げます。




▽ 朝の写真は山清路上空からの風景です。







 その他生坂村では、小学校でALT・性教育講話(5年)、中学校で1,2年生期末テスト・3年総合テスト、児童館でおはなしひろば、子育て支援会議、上生坂の皆さんの元気塾、山口医師訪問診療、生坂村農業委員会などが行われました。