グレタさんの興した「気候変動に対するストライキ」は今や世界中の若者に広がり、大人たち、有識者にまで支持する行動が広まっている。グレタさんはストックホルムのスウェーデン人だが、この行動については110年も前にスウェーデン作家によって書かれた「NILS HOLGERSSONS UNDERBARA RESA GENOM SVERIGE」(ニルスのふしぎな旅)の39章に描かれている。女性初で、スウェーデン人初のノーベル受賞者セルマ・ラーゲルレーヴは、教師を努めスウェーデンの子供たちに自国の風土を理解してもらおうとこの作品を描いた。悪ガキニルスは妖精の怒りを買って魔法を掛けられ小人にされてしまう。ニルスはガチョウの背中に乗ってスウェーデン中を旅しながら成長して行くお話。ニルスがスウェーデン各地で出会うその土地の問題は、現代起こっている環境問題と同じテーマのお話がいくつも出てくる。例えば製鉄所が出来て森を追われた「クマと製鉄所」、一夜だけかつての繁栄の町が海から出現する「まぼろしの町」、そして39章「イェストリークランド地方をこえて」の中の「森の日」では、山火事が有った学校の裏山に小学生たちがせっせと植林活動を始める。大人たちは最初、どうせ子どものやる事だから直ぐに飽きるに違いないと思う。しかしあまりにも子どもたちが一生懸命やる姿に、次第に村人たちもその活動に参加しはじめ、遂に森を取り返す。というお話だ。この作品が描かれた当時は、産業革命で産業がどんどん栄えて行った時代。著者の目には産業による環境汚染などの弊害も当時の子どもたちに伝えたかったのだろうと感じる。それが現代、人類の排出した温室効果ガスの増加に伴い、地球規模の災害を各地で引き起こす事になっている。グレタさんはパリ協定(2015/12月)遵守し、具体的な行動を取るよう政府に求めストライキを始めた。それから丁度1年が経過し、グレタさんの活動はニルスのお話の通り拡大の一途をたどっている。グレタさんはニルスのこの話を読んだことが有るのだろうか聞いてみたい。
(関連記事2019/3/23参照)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます